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和田昌裕新監督就任から2試合。勝ちきれない試合が続いているものの、明らかにチーム状態は上向きにある神戸。前節・セレッソ大阪戦に続き2試合続けてのホーム戦に川崎フロンターレを迎える。
その川崎Fは29日にヤマザキナビスコカップ準決勝第1戦をアウェイ戦い、中2日で今節を迎えることからコンディション面では1週間の準備期間を得た神戸が優位と言えるが、川崎Fもその第1戦で磐田に0-1で競り勝っており、メンタル的な疲労はなさそう。むしろ、今ひとつ調子のあがらないリーグ戦での嫌な流れをこの磐田戦で払拭したという見方もできる。J1リーグ戦も今節を含めて残り10試合という正念場を迎えている中で、神戸は残留争いから抜け出すために、川崎Fは上位争いになんとか踏みとどまるために、『勝点3』を求めた熱い戦いが期待できそうだ。
神戸のカギを握るのは、最近の試合内容の良さを支えているMFボッティだろう。三浦俊也前監督のもとではFW大久保嘉人が戦列を離れていることもあって、前線でプレーすることの多かったMFボッティだが、和田監督のもとでは2試合ともボランチでプレーしている。これは和田監督の「ボランチの方がボールにも触れる回数も増えるし、しかもミスも少ない選手ですから。基本的にはボランチで使いたい」との考えから。実際、本人も「神戸は4年目ですがその月日の半分以上はボランチでプレーしているので全く問題ないし、自分のプレースタイルも出しやすい」との言葉通り、ボランチに入ってからは攻守のつなぎ役としての効果的な役割を果たしている。また、それによって、チーム全体としての『攻撃』での連動性も生まれつつあると言えるだろう。
ただ、問題なのは、攻撃チャンスを作り出した後のフィニッシュの精度。これは現在のみならず後半戦に入ってから長らく抱えている課題の1つで、ここ5試合を振り返っても奪ったゴールは広島戦でMFポポが挙げたフリーキックでの1点のみ。流れの中からは得点を生み出せていない深刻な状況にある。守備についてはチームとしての共通理解のもとで安定感のある戦いが出来ているだけに、あとはその攻撃面での課題を克服し、和田体制初の白星を奪い取りたい。
「前線の動き出しも良くなっているし、攻撃の連動性は見られるようになった。ただ勝つためにはゴールがいるので。最後のところでしっかり決めきれる精度が必要だと思う」（MFボッティ）
「確かに攻撃は良くなっているけど、決定的な場面というのは内容がいい割には作れていない。それについては今週、FW同士のコンビネーションや、中盤を絡めてボールの動かし方の確認をしながら、得点を意識した練習をやってきたので。勝点3をしっかり獲るためにもフィニッシュの精度を高めなければいけない」（FW吉田孝行）
先にも書いた通り、川崎Fは中2日での厳しい戦いを強いられる。しかも磐田戦に続き、今節もアウェイ戦となるだけに、まずはいかにコンディションを整えて今節を迎えられるかがカギになりそうだ。注目は公式戦2試合連続ゴールを挙げているFW黒津勝。驚異的なスピードから放たれる左足での強力なシュートが持ち味のFWで、G大阪戦でも2トップを組んだFWジュニーニョとともに、そのスピードを武器にして果敢にゴールににじり寄った。しかも川崎Fの中盤には、正確なパスと判断力、戦術眼を兼ね備え、前線の選手を巧みに操ることのできるMF中村憲剛やMF稲本潤一といった選手がいる。彼らを軸に、攻守の切り替えの速さから前線の『個』を活かした展開に持ち込み、勝利を引き寄せたい。
以上
2010.10.01 Reported by 高村美砂
