9月22日、工藤壮人がアジア競技大会に挑むU−21日本代表に選出された。
ユース時代に『日本クラブユース選手権得点王』という輝かしい個人タイトルを持つが、工藤はこれまで代表との縁に恵まれず、2006年のモンテギュー国際大会に出場したU−16代表を最後に選出はなかった。それだけに「びっくりしました」というのが選出を聞かされた時の素直な心境だった。
柏のFWポジション争いは本当に激しい。北嶋秀朗、林陵平、澤昌克、そして開幕時にはフランサがおり、今はホジェルが加わった。さらに戦線離脱中の大津祐樹、大卒ルーキーの田中順也といったサイドアタッカー兼任FWを加えれば、実に7、8名で、1つないしは2つの枠のためにしのぎを削る。工藤はユース昇格2年目でありながら、その激しいポジション争いの中で出場機会を掴み取り、今季28節終了時点でチーム最多タイとなる10ゴールを叩き出した。
「代表には選ばれたいと思っていましたけど、試合に出ないと評価はされないので、チームが好調で点も取れていたから代表選出につながったんだと思います。でもまだまだ厳しいポジション争いは続きます。チームで活躍して代表にも定着したいです」
そのように代表選出の感想を語る。今回、選ばれた顔ぶれを見ると、初めてプレーする選手が多いというが、それについても「刺激になる。楽しみ」とモチベーションは最高潮に達している。
ユース時代はゴールゲッターの仕事も当然こなしたが、ポストプレーヤーとして柏U−18のパスサッカーを展開するピースにもなるマルチロールなFWだった。ただ、プロの世界で生き残るために自らのスタイルを模索した結果、ペナルティボックス内での動きに磨きをかけることで、“ワンタッチスコアラー”という特徴が色濃く出始めた。事実、今シーズンのリーグ戦10ゴール全てがワンタッチで決めたゴールだ。日立台では工藤のワンタッチゴールが炸裂する度に、「アレー クドウ アレー クドウ エキセントリックマサトォォォ〜♪」の応援歌が響く。そんな工藤のエキセントリックな特徴が、アジアの猛者DFたちを向こうに回してどこまで戦えるか、こちらとしても非常に楽しみである。
第27節の札幌戦終了後には、代表効果もあってかミックスゾーンでは多くの報道陣に囲まれ、「わっ、すげぇ」とその数に思わず驚きの声を漏らした。代表に定着し、活躍すれば報道陣はまだまだ増える。このアジア大会を機に、2年後のロンドン五輪を目指す。
以上
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2010.09.30 Reported by 鈴木潤
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