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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 清水】広島側レポート:李だ、高萩だ、これぞ、広島だ! 広島らしさ満載の2得点で清水を撃破。初の決勝進出へ、大きな一歩(10.09.30)

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9月29日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
広島 2 - 1 清水 (19:01/広島ビ/5,034人)
得点者:55' 李忠成(広島)、68' 高萩洋次郎(広島)、76' 枝村匠馬(清水)
ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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「行こうぜ、国立!なろうぜ、日本一!!」
ヒーローインタビューで李忠成が、そして高萩洋次郎が叫んだ。そのとおりだ。行こうぜ、国立。なろうぜ、日本一!!サポーターが、大きな拍手で2人の若きスコアラーを称えた。
ただ、その前に鬼門・アウトソーシングスタジアム日本平での第2戦がある。1995年8月12日に1-0と勝利して以降、広島はリーグ戦・カップ戦含めて一度も、清水の聖地で勝ったことがない。さらに広島キラー=枝村匠馬に痛恨のアウェイゴール(これで枝村は対広島戦10試合5得点)も献上してしまった。決勝に向けて、試練はまだまだ続く。

19本対8本というシュート数が示しているとおり、広島ビッグアーチでの初戦は内容でも広島が清水を圧倒した。森崎和幸がリズムの緩急を司り、李忠成・高柳一誠・高萩洋次郎の前線が自在に縦の関係をつくって清水守備陣を幻惑。右サイドの森脇良太が何度も裏をとり、槙野智章が左サイドから鋭くゴールに迫った。
しかし「我々は『チャンスを得点できない病』という病気にかかっている」とペトロヴィッチ監督が嘆くように、チャンスの数では圧倒したものの、守護神=西部洋平を中心とした清水の頑張りの前に、どうしても得点できない。急に秋の気配が訪れ、肌寒さすら感じさせた広島ビッグアーチをじれったさが包む。
55分、森崎和幸からパスを受けた中島浩司が縦にボールを運ぶ。この時の清水は自陣に全員が戻り、ブロックを形成。前線に槙野智章・服部公太・李忠成・森脇良太が並ぶ広島の特異な形に対しても、清水は5人の選手を最終ラインに並べて対応、バランスも保てていた。

だが、中島が服部にパスを出したその瞬間、2人の選手がギアを入れ替えて爆発的なスタートを切る。高萩洋次郎と高柳一誠である。やや下がり目の場所から一気に飛び込んできた2人のアタッカーは、完全に後手を踏んだ清水守備陣を置き去り。中島・高萩・高柳・李の4人に対して西部・ボスナーの2人が相対するという決定機を創出した。広島のパスサッカーを支える運動量と緩から急への切り替えの速さが、清水守備陣の虚を完全についた瞬間だ。
服部から高萩とつないだボールを、最後は李が泥臭く押し込む。
さあ、「広島劇場」開幕だ。ゴールを決めたストライカーが刀を抜き、広島のフィールドプレーヤー全選手を次々と一刀両断、最後は自分も倒れるというパフォーマンス。服部や中島、森崎和といったベテランも巻き込んだ広島ならではの「ゴール劇場」だったが、それは「選手全員が必死の想いでボールを運び、ゴールへとつないでいる」(李忠成)という広島サッカーそのものを象徴するシーンでもあった。

1点目が遅攻なら2点目は速攻。その起点は長距離砲=青山敏弘だ。
枝村匠馬から岡崎慎司へのスルーパスを横竹翔と中島がはね返し、そのボールを受けた青山は、次の瞬間、豪快に右足を振る。狙いは約40m先、裏のスペースに走る李忠成だ。
ボールをキープした背番号9に対し、平岡康裕・ボスナーが対応、辻尾真二もサポートに入った。だが全員が李に集まり、その向こう側に走ってきた高萩はノーマーク。広島一のアイディアマンは、最後の局面でも冷静にボールを浮かす発想を披露し、ゴールへと流し込んだ。

第2戦で引き分け以上なら、アウェイゴールなど関係なく広島が決勝進出を決める。優位な状況には変わりはない。しかしペトロヴィッチ監督は「守備を固めて引き分けを狙うサッカーは、我々のスタイルではない。そんなサッカーでは、ヤマザキナビスコカップ準決勝という舞台が台なしになる」と明言。日本平で15年ぶりの勝利を得て、堂々と国立に駒を進める決意を示した。最後の「日本平勝利」の翌年に広島に加入した服部公太も「このチームはいろんなものを乗り越えて、嫌な歴史も塗り替えてきたから」と、鬼門突破に向けて闘志をみなぎらせる。
第2戦、横竹翔が出場停止。西川周作と槙野智章の日本代表招集が現実になれば、広島は守備陣の人材を一気に失うことになる。だが、常に主力不在で闘い続けてきたこの2年間、今さら慌てることもない。山崎雅人やミキッチ、森崎浩司といった人材が戻ってくる可能性も高く、ポジティブな要素もある。

試合前、「寿人と共に国立へ」という言葉が電光掲示盤に流れた。広島の象徴・佐藤寿人は、11月3日の決勝に間に合わせるべく、右肩のケガと闘っている。エースと共に優勝し、サポーターと共に優勝カップを天に捧げたい。それは、広島にかかわる全ての人の想いだ
行こうぜ、国立。なろうぜ、日本一。
若い2人のヒーローが発した言葉のリフレインが、いつまでも広島ビッグアーチの夜空に響き渡っていた。

以上

決勝で生まれた全ゴールを動画で一挙公開!
歴代ニューヒーロー賞受賞選手を動画で紹介

清水側レポートはこちら

2010.09.30 Reported by 中野和也
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