9月26日（日） 2010 J2リーグ戦 第28節
千葉 2 - 1 栃木　（16:03／フクアリ／9,509人）
得点者：8' 青木孝太（千葉）、17' 青木孝太（千葉）、61' リカルドロボ（栃木）
スカパー！再放送 Ch185 9/27（月）後08:30〜
☆新機能／試合速報一覧はここをクリック!!
☆クラブサポーター対抗totoリーグ投票受付中！
----------
キックオフ前、スタジアムには千葉サポーターの『ＷＩＮ　ＢＹ ＡＬＬ!!』コールが響き渡った。最終節で奇跡的なＪ１残留を果たした2008年、クラブが『今こそ、ＷＩＮ　ＢＹ ＡＬＬ!!』キャンペーンを行ない、 呼応した千葉サポーターは試合前やハーフタイムに『ＷＩＮ　ＢＹ ＡＬＬ!!』コールをした。苦しい時こそ、みんなで戦おうとする声だ。

その声を聞いてピッチに立った千葉の選手だが、立ち上がりは栃木の勢いに押された。６分、栃木のＭＦ水沼宏太がこぼれ球からゴールの枠を捉えたシュート。７分にはパスカットからパスをつなぎ、ＦＷリカルドロボがドリブル突破。止めようとした千葉のＤＦ福元洋平が転び、カバーに入った千葉のＤＦ青木良太がボールを奪って事なきを得た。

２つのピンチをしのいだ千葉は、８分、ファーストシュートが先制点に結びつく。右サイドで仕掛けたＭＦ谷澤達也がオーバーラップした青木良にパス。青木良がアーリークロスを入れるとニアサイドに走りこんだＭＦ工藤浩平がヘディングし、ボールがゴール前に落ちる。栃木のＧＫ柴崎邦博がキャッチしようとしたが、ＦＷ青木孝太がスライディング気味に飛び込んでシュートを決めた。さらに、千葉はこの試合２本目のシュートがまたゴールになる。左サイドでＭＦ工藤浩平のパスを受けたＤＦアレックスが、ペナルティエリアへ突破。グラウンダーのパスを出すと、青木孝はトリッキーにヒールでシュートを決めた。

千葉の２得点は前節の反省を生かしたものだった。スペースに抜け出すのがうまい青木孝の良さを引き出すため、単純にロングボールを当てずに、サイド攻撃を徹底してクロスボールでゴールを狙ったのだ。また、今節が初スタメンのＭＦ伊藤大介が試合を通して青木孝の近くでのプレーを心がけ、青木孝が前を向けるようにサポートしたのも大きかった。

千葉の江尻篤彦監督がハーフタイムに「次の１点が大きなカギを握る。取りに行こう」と言って迎えた後半。栃木は前線からのプレスを強めて反撃に出た。だが、51分、52分と得点機を作るが、ゴールにならない。57にはＭＦパウリーニョが千葉のＭＦ山口慶を倒してファウルになったあと、山口を蹴ってレッドカードで退場。試合の残り30分以上を数的不利な状態で戦うことになってしまった。栃木のピンチと思われたが、61分、ＭＦ高木和正、ＦＷ崔根植とパスをつなぎ、千葉守備陣の隙を突いてリカルドロボがゴール前中央でシュート。青木良がブロックしようとしたが間に合わず、栃木が１点差に詰め寄った。

数的優位な状況を生かし、栃木に止めを刺す『３点目』を奪いたい千葉。だが、１人少なくなったことで守備意識をより高めた栃木の守備ブロックの前で横にボールは動くが、ブロックをなかなか崩せない。67分の伊藤のシュートはブロックされ、74分のＭＦ倉田秋のヘディングシュートは柴崎がジャンプキャッチ。78分、フリーの青木孝の右足のシュートはゴールの枠外だった。自分たちが楽になる『３点目』を奪えないことが苦戦を招いた。

千葉のミスに乗じ、千葉の選手の隙を突いて仕掛けるカウンター攻撃や、得意とするセットプレーで同点弾を狙った栃木は、フィニッシュの部分の精度を欠いたのが痛かった。だが、10人になっても慌てず、栃木が目指すサッカーをやろうとした対応力は見事だった。

いつ同点に追いつかれてもおかしくなく、薄氷を踏むようだった千葉の勝利。だが、課題が多く、褒められた内容ではなくても、何よりも欲しかった勝点３を得ての連敗ストップがもたらすものは大きい。悪い流れを断ち切った千葉がＪ１昇格へ反攻のスタートを切る。

以上

2010.09.27 Reported by 赤沼圭子