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【J2:第27節 柏 vs 札幌】レポート:雨水を含んだ重いピッチ状況でも、ポゼッションスタイルを貫いた柏がゴールラッシュで大勝。数的不利の札幌も気迫の反撃を見せたが、連敗を喫す。(10.09.24)

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9月23日(木) 2010 J2リーグ戦 第27節
柏 5 - 1 札幌 (19:04//6,916人)
得点者:60' 北嶋秀朗(柏)、63' レアンドロドミンゲス(柏)、72' 古田寛幸(札幌)、80' レアンドロドミンゲス(柏)、82' 工藤壮人(柏)、90'+3 茨田陽生(柏)
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柏側からすれば少々面食らった部分はあったのではないだろうか。というのも、「イシさん(石崎信弘監督)のことだから前からプレスに来る」と柏の選手たちは、かつての指揮官の出方をそのように予想していたのだが、札幌は柏の陣形が整っていない状況では前からプレスを仕掛けるも、柏のポゼッションの陣形が出来上がった時には無暗に前から獲りに行かず、リトリートしたブロックの中で激しく奪いに行くというメリハリを効かせた。札幌の切り替えの速いショートカウンターには切れがあり、立ち上がりには藤山竜仁のパスに中央へ走り込んだ古田寛幸が左足シュートで狙うなど、試合の入りとしては上々だった。

それでも柏が次第にペースを掴む。大谷秀和がゲームをコントロールし、中盤のオフェンシブに位置するレアンドロ ドミンゲス、茨田陽生を経由して攻撃を展開した。しかし、降りしきる雨でピッチ状態が不安定になり、リスキーなプレーを回避する意図もあってか、後方からのフィードが目立ち始める。これは札幌の全体のラインを下げることができたものの、先日のダービーマッチで千葉をねじ伏せたスムーズなパス交換からの攻撃は鳴りを潜めた。

前半ロスタイム、小林祐三がグラウンドに足を取られ、保持したボールが足元を離れる。このルーズボールの奪い合いで小林と上里一将が接触。上里にこの日2枚目のイエローカードが出され、札幌は後半を10人で戦うことを強いられた。ただ、数的な不利を背負ったとはいえ、石崎監督は後半に入るとシステムを3−4−2へ変え、DFの藤山に代えてFWの近藤祐介をピッチへ送り、引き分け狙いの勝点1ではなく、あくまでも勝点3にこだわる采配を見せた。

ネルシーニョ監督も動く。ロングボールが目立ち、柏らしさに欠けた前半を修正すべく、「中盤の構成力を上げる」という理由から左サイドバックの藏川洋平に代え、澤昌克を投入。これによって小林を左サイドバック、茨田をボランチ、そして澤を中盤のオフェンシブにそれぞれスライドさせた。そして大谷、茨田のボランチには「レアンドロと澤、2トップの北嶋(秀朗)、林(陵平)に良いボールを供給しろ、芝の上を転がして攻撃しろ」と、両サイドバックには「いつもどおり上がっていけ」と指示を出した。降り続く雨によってピッチ状況は悪化の一途を辿ったが、柏は従来のサイドバックのオーバーラップを織り交ぜたパスサッカーを貫いた。

60分、コーナーキックのセカンドボールを拾ったレアンドロ ドミンゲスのクロスを北嶋が頭で合わせて柏が先制した。その直後、札幌も左コーナーキックのチャンスを得たが、そのこぼれ球を拾った柏が、カウンターから北嶋、澤とつなぎ、再びボールを受けた北嶋がペナルティエリア内で倒されPKとなる。このPKをレアンドロ ドミンゲスが決めて、2−0と柏がリードを広げた。
アウェイの地で2点のビハインドを背負い、しかも数的に不利な状況にある。本来ならば意気消沈してもおかしくはないのだが、日立台に詰めかけた札幌サポーターの歌声と声援はまったく陰りを見せない。このサポーターの気迫に後押しされたのか、札幌の選手たちも試合を諦める様子など微塵も見せずに、球際激しく、機を見てアグレッシブに攻撃を仕掛けた。64分、高木純平のクロスに横野純貴がヘッドで合わせる決定機を作り出すと、72分、芳賀博信の右クロスは前線の近藤祐介、横野には合わなかったが、こぼれ球を拾った古田の「ゴールを見ないで振り抜いた」という豪快なミドルシュートが突き刺さり、追撃の1点を返した。

失点の直後こそ若干バタついた感はあった。だが札幌の激しい寄せに対し、柏は大谷、澤、レアンドロ ドミンゲスがボールを動かしながら落ち着きを取り戻し、細かいパス交換で札幌のファウルを誘発。このフリーキックの際、ゴール前での競り合いでホジェルが宮澤裕樹に引き倒され、PKの判定が下されるとともに、宮澤には2枚目のイエローカードで退場。80分、レアンドロ ドミンゲスのPKが決まり、再びリードを2点差とした。2人多いという数的優位を得た柏は、82分には工藤壮人が、そして後半ロスタイムには茨田が、ともにホジェルのアシストによって加点し、5−1と大勝を飾った。

冒頭にも書いたとおり、札幌にとっては決して悪い入りではなかった。プレスとリトリートを使い分けることで柏らしさを消し、後半は数的不利ながらアグレッシブな姿勢から反撃を見せた。さらにU-19日本代表に招集された古田も存在感を発揮するなど、大敗の中にも、光明とチームのポテンシャルは垣間見せた。それだけに、石川直樹が悔しい気持ちを必死に押し殺しながら「次はホームなので流れを変えないといけない」と語ったとおり、岐阜、甲府というホームゲームからの巻き返しに期待したい。
柏はピッチ状況が悪い中でも、後半は自分たちのサッカーを貫き、そこから大勝を収めたことは評価したい。「毎試合毎試合地に足をつけて目標は(J2優勝の)タイトルを獲ることと、焦点は同じで進んでいく」とはネルシーニョ監督のコメントだが、残り10試合も同様に自分たちのスタイルを貫き、質と結果の両面にこだわり続けることが何より重要である。

以上

2010.09.24 Reported by 鈴木潤
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