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【J2:第27節 栃木 vs 愛媛】プレビュー:J2の法則「攻めたら負け」を恐れない栃木。積極的にアクションを起こすことで「ミラーゲーム」を回避し、愛媛から初勝利を奪う。四国ダービー制覇の勢いで愛媛はクラブ初の4連勝に挑む。(10.09.22)

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9月23日(木)J2 第27節 栃木 vs 愛媛(13:00KICK OFF/栃木グチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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栃木SCにとって約1ヵ月ぶりのホーム「グリスタ」でのゲームは、9月唯一のホームゲームでもある。天皇杯2回戦のFC岐阜戦(3-2で勝利)も含めればアウェイが3つも続いたことで、“生の栃木”を体感できたファン・サポーターは限定され、その分だけ栃木に飢えているはずだ。加えて前回のホームゲーム、ロアッソ熊本戦では悔しい逆転負け(1-2)を喫しているだけに、ファン・サポーターが勝利を渇望しているのは言うまでもない。欲求を満たすのは、過去3分1敗と未勝利の11位・愛媛FCからの勝利のみ。12節以来キープしてきた一桁順位から転落しないためにも、4試合ぶりの白星が喉から手が出るほど欲しい。
 
前節J2参入以来、4戦全敗だった東京ヴェルディから勝点1を挙げた栃木。リーグ戦の連敗を2で止め、連続失点も3試合で断ち切った。「うちらしいサッカーに立ち返った」と、松田浩監督が評したのは守備面。前々節の徳島ヴォルティス戦(0-4)で勝敗を決したセットプレーの守備対応は完璧で、熊本に敗れた遠因のカウンターへの準備も怠りなかった。また、東京Vが攻勢に転じても、球際での激しさと体を張った守備が維持されたことで、苦しい時間をやり過ごし、再びペースを引き戻せたことも小さくなかった。

成長を感じさせるスコアレスドローに、松田監督は「半歩前進」と手応えを口にした。ただ、残念ながら「一歩前進」ではなく「半歩前進」だったところに、内容は悪くないが結果が出ない、ここ最近の栃木が抱えるジレンマが読み取れる。

熊本、徳島、東京Vは、いずれも守備的な戦い方を選択。相手の出方を伺い、攻撃を跳ね返しながら、守備でリズムを整えて攻撃に移行する――のは栃木の専売特許だが、直近の3試合では守備的な相手に対して栃木は積極的に動き主導権を握っている。ゲームを支配する「アクションサッカー」を展開し、好機とシュート数で勝りながら、しかし詰めの甘さと能動的に動き過ぎるあまり勝点3を掴み損ねている。J2に存在する「攻めたら負け」という法則に、はまるケースが続いている。特に熊本、徳島戦がそうだった。

幾分か軌道修正すれば目先の結果は得られるだろう。だが、松田監督は「アクションサッカー」を追求する、チャレンジを止める気は毛頭ない。信念があるからだ。プロだから結果は求められる。一方で、今季一番のスペクタクルなサッカーを披露した熊本戦の前半のように、面白いサッカーを提供するのもプロの仕事だと考えている。だから、「チャレンジする姿勢、リスクを冒す姿勢を忘れてはいけない」と言う。観衆を魅了する「アクションサッカー」で結果を残せるのか。それとも、二兎を追う者は一兎をも得られないのか。ひとつ注目したい。

前節、徳島との「四国ダービー」を制し、意気上がる愛媛は現在3連勝と絶好調。総失点リーグ4位の堅守を武器に愛媛は徳島の行く手を阻み、ベテラン大木勉がDFラインとボランチの間で起点となり、FWジョジマールに赤井秀一と杉浦恭平の両ワイドMFが絡んだ、シャープなショートカウンターで徳島に脅威を与え続けた。「後半の最初の10分以外、80分間は自分たちが完全に支配できた」と、バルバリッチ監督が胸を張るように、システム上の優位性を生かして志向するポゼッションでも相手を凌駕し、ゲームをコントロールした。従来の堅守速攻のスタイルにポゼッションを加えることで、新たな愛媛スタイルの確立にチャレンジしている。栃木同様、愛媛も自分達主導でゲームを運ぶことに、より強いこだわりを感じさせる。
 
4-4-2、ゾーンディフェンス、カウンター。栃木と愛媛は類似点が多いことから、4回対戦してドローが3回という結果が如実に示すように、これまでの対戦では試合がフリーズすることが多々あった。自らアクションを起こすことを心掛けている両者だが、今回も「ミラーゲーム」になる可能性は高く、互いに見合えば0-0で試合は動かない。だが、ホームの栃木はもちろんのこと、連勝中の愛媛もドロー決着は望んでいないはずだ。共にカウンターがストロングポイントだけに、前に出れば失点のリスクを背負うことになるが、攻撃を仕掛けないことには勝点3を引き寄せる機会の放棄にも繋がる。リスク管理をしながらどれだけ勇気を持って攻撃できるかが、この試合の勝敗を分けるポイントになるだろう。勝点3という“果実”を得るために、実が落ちてくるのを待つのではなく、樹に登って実をもぎ取るアグレッシブな姿勢を、栃木には見せてもらいたい。

以上

2010.09.22 Reported by 大塚秀毅
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