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【J2:第25節 岡山 vs 愛媛】レポート:「失われた前半」を取り戻せなかった岡山。内容に不満は残るが、2連勝という結果を勝ち得て、確実に前進した愛媛。(10.09.13)

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9月12日(日) 2010 J2リーグ戦 第25節
岡山 1 - 2 愛媛 (19:03/カンスタ/6,708人)
得点者:18' 赤井秀一(愛媛)、41' ジョジマール(愛媛)、51' 妹尾隆佑(岡山)
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両チームとも、このゲームに際して、スターティングメンバーを大幅に入れ替えた。岡山は、センターバック野本安啓、ボランチ竹田忠嗣、サイドハーフ妹尾隆佑、天皇杯2回戦に続いて、2トップの一角には西野晃平が、サイドバックには澤口雅彦が入った。愛媛はGK川北裕介、サイドバックに三上卓哉、そして2トップには、ジョジマールと大木勉。それぞれの動きがフィットするまでの「ぎこちない時間」が見えたのは、ホーム・岡山だった。

愛媛は、ジョジマール、大木がプレッシャーをかけてボールを奪い、2列目の赤井秀一、杉浦恭平の飛び出しで、岡山の最終ラインを鋭くえぐるように揺さぶりをかけてくる。くっきりと意図の浮かび上がる愛媛の攻撃に対し、岡山はクロスやロングボールで前線にボールを送り込もうとするが、パスミスが多発。立ち上がりの15分間を過ぎる頃には岡山側の観客は、ぎくしゃくとしたボール運びに悪い予感を覚え始める。

愛媛に先制点が生まれたのは、前半18分。中盤からパスをつないで、ボランチ越智亮介のシュートのこぼれ球を、右から赤井がゴール左隅に決める。愛媛はこのゴールを契機に、掴みかけていたリズムを確実に自分たちのものにした。岡山ディフェンスを交わしてフリーになった杉浦、岡山ディフェンス数人を引きつけてシュートまで持ち込むジョジマール、各々の持ち味を出してゴールに迫り、41分には岡山のミスをついてジョジマールが貴重な追加点を上げる。

目覚めない岡山。戸惑いばかりが伝わってくる岡山。「いったいどうしたんだ」という閉塞感でいっぱいのスタジアムの空気が一新されたのは、後半キックオフに岸田裕樹と喜山康平が投入された時だ。「前線で動き回れる岸田と、今週のトレーニングで、中盤で受けて自分で出す、自分で出ていく、ということをやっていた喜山が、ゲームを動かしてくれるだろうという思いから交代した」(岡山・影山雅永監督)。この交代が功を奏し、後半6分、田所諒のクロスに岸田裕樹がつぶれ、詰めていた妹尾隆佑がこぼれ球を決めて1点を返す。

「前半と後半でまったく違うゲームになってしまった」(愛媛・バルバリッチ監督)。愛媛はハーフウェイラインから約10メートルのところにディフェンスの最前線を置く予定だったが、2点リードの意識がラインを引かせてしまったと話す。後半20分には、渡邊一仁が退場となり、愛媛にとってはゲームを掌握した前半と、守りに徹することになった後半とでは、確かに違う内容となった。

しかし、岡山にとってはどうか。機能しなかった前半とはうって変わって、後半は岡山にとってチャンスの時間帯が続き、それだけで心躍るエンターテイメントを見ている気分になった。しかし結局、岡山はシュートチャンスを作れず、勝ち越すことも、イーブンに持ち込むことも出来なかった。試合後、喜山は「このままじゃあ去年と何も変わらない。内容も、順位も」と言った。アーリークロスとピッチを走り切ることでチャンスを作り続けた野田紘史、後半の集中した守備とフィードで前半のミスを取り戻した野本安啓、他にも誇るべき岡山の選手を、もっと誇りに思えるよう、次こそはピッチの上で、甘さも緩さも隙もない世界を築き上げてほしい。

以上

2010.09.13 Reported by 尾原千明
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