ヴィッセル神戸・三浦俊也監督が成績不振を理由に本日(9月12日)付で解任され、和田昌裕トップチームコーチ(45)が監督に昇格することが発表されました。本日、クラブハウスで行われた囲み会見での叶屋宏一 代表取締役社長のコメントは以下のとおりです。
※ヴィッセル神戸からのリリースはこちら
Q:今の率直な気持ちは?
「また昨年に引き続いて、こういうことになりました。でも監督をさせてもらえるのは非常に光栄なことで、厳しい状況には間違いないですが、なんとかクラブの期待とサポーターの期待に応えられるような結果を残せればなと思っています」
Q:昨年と多少状況は違うと思うが、今年引き受けるに当たってやらなければいけないことは?
「もうJ1残留に向けてというところが、現状、そういう目標がはっきりしています。ただ、自分たちの力でいくらでもまだ順位は変わってくる状況で、まだまだ1つでも順位を上げられるチャンスは残っているので、そこに向けてやるしかないかなという気持ちです」
Q:昨年就任時には、以前の松田浩氏(現栃木監督)のやり方に戻すということでしたが、今回については?
「今、ちょっといろいろ考えているところではありますが、ある程度ブロックを組んだ、組織的な守備というのは、三浦さんも松田さんもそうですが、多少の違いはあったとしても、継続していきたい。あとは、より攻撃的に、いろんなバリエーションが作れるように、攻守においてもうちょっとバランスがいいようにしたい。どちらかというと、今までは守備にバランスが大きかったかなという感じで来ているので、もうちょっと攻撃にウエイトをおいて、バランスよくできればなというのは考えているところです」
Q:準備期間は(昨年の監督就任時同様に)今回も少ないが、まず次の試合(9/18 vs広島@広島ビ)までに意識させたいことは?
「火曜日の朝に、またみんなの前でミーティングをしようと思いますが、とにかく攻守において連動というところを強調して、それをトレーニングで取り入れてやっていきたい。どちらかというと、個人でやっている部分というのが、ものすごくゲームのなかでも多かったかなというのは感じているので、そこに2人、3人、4人、5人とグループを作ったり、チームとして連動するような、攻守において、そういうところは求めたい」
Q:選手の配置などについては?
「そんなむちゃくちゃにポジションを変えるとか、そんなことは実際に今は考えていないです。ただ、今まで出ていた選手以外にも当然目を向けていきたいですし、そういうことでチームの競争とか、もっともっと活気が出てくるかなと。そういう意味では、選手もまた違った目でトレーニングに参加してくれるのではないかと思います。まだ、こういう選手を使いたいとか、そこまでのイメージはない」
Q:昨年は宮本恒靖選手をボランチに使うなどしましたが、経験ある選手を起用するとき、そういうことも考えたりはするのか?
「何かしらコンバートとか、そういうのも、もしかしたら対応可能な選手がいれば、考えてみたいかなと。当然、システムの問題もあると思うが。4-4-2で行くのか、4-3-3で行くのか、いろいろとありますから。選手を見て、選手の特性にあったシステムを基本的には選んでいきたいが、このシステムにこれをあてはめるとかではなく、そこは柔軟に対応していきたい」
Q:安達亮ヘッドコーチとの役割分担については?
「まだ深くは話し合っていないが、十分経験あるコーチなので、全然心配はしていない。2人で常に話はしていますし、それは菅野(フィジカルコーチ)であったり、武田(GKコーチ)であったり、前田(コーチ)はS級の研修で抜けることが多いですが、もっとコーチングスタッフが一枚岩にならないと、この現状は打開できない。みんなが同じ考えを共有できるように、ミーティングをして、やっていきたいなと」
Q:攻撃的なサッカーを重視するのか?
「攻撃的ではなく、バランスのいいサッカー。攻撃的になったとき、リスクを負ってでも人数をかけてやれるような、そういうシーンも試合のなかで増やせればと。今、ちょっと攻撃にかかることが少ないというか、一発的な攻撃が目立ち、畳み掛けるような、厚みのある攻撃があまり見られないので、そういう部分も引き出してあげればなと。理想ですが」
Q:叶屋宏一社長は、選手のモチベーションを上げたりだとか、コミュニケーションをもっと密にするところなどを、和田新監督に期待されているようだが?
「そこは一番、自分のなかでも得意としている部分というか、選手とコミュニケーションをとって、いろんな考えとか意見を引き出すというのは僕の十八番といってもいいくらい得意としている部分。そこは全然心配していません」
Q:昨年の監督就任時と、気持ちの面での違いは?
「やっぱり、難しいときにこういう番は回ってくるのかなと、そういう運命を感じてはいます。ただクラブから期待をしてもらっているのもすごく感じていますし、それに応えられればなと。昨年は5試合指揮を執っただけで、さあこれからやというときに監督交代で、就任と交代を1年に2度やっている。そんな話も今日のミーティングでしましたが。昨年よりも強くなっています、自分自身、そういう意味では。
厳しい相手ばかりなので、そう簡単に勝てるとは思ってません。ただ最後まで何があってもあきらめてはいけないと思うし、今日もミーティングで話をしましたが、選手1人1人が神戸でお世話になっていて、神戸に恩返しをしなければいけないと思う。プロサッカー選手としてやっていけることに感謝をしなければいけない。そういう原点の気持ちにもう1回立ち返って、気持ちを腹の底から奮い立たせるような、そんな集団にもう1回、戻してあげたいなと思います」
Q:現実的に厳しい順位で、厳しいタイミングで監督になったところですが、今のチーム力については、どう認識しているか?
「今季は本当にケガ人が多かったりだとか、三浦さんもそこでメンバーを固定できなかったというところで、すごく苦しんだと思います。現状もケガ人がいる状況で、今までリーグ戦22節とヤマザキナビスコカップを終えて、どのメンバーがベストだったのか、振り返っても思い浮かばない。それくらいメンバーを固定する部分で悩んでいた。僕もそれで悩むかもしれません、現状をみれば。でも、元気な選手でやらざるを得ないし、そのなかでトレーニングで本当に質のいい選手であったりだとか、頑張っている選手とか、そういう選手をできるだけ使ってあげたいという気持ちはあります。ただ、勝ちに行くサッカーとなると、そこがイコールになるかといえば、ちょっと難しいところもあります」
Q:現時点では横一線で考えているのか? それとも、ある程度ベースとなる選手を考えているのか?
「若手選手などもいますが、こういう苦しいときに頼りになるのはやっぱり経験のある選手と自分の中では思っています。そういう選手がもしかしたらチームを助けてくれるだろうし、そういう選手をみて、若い選手も『俺、頑張らないとな』という気持ちになってくれれば、よりチーム1人1人の底上げにもつながっていくので」
Q:選手から何か声はかけられたか?
「まだ、あんまり。選手たちもピンと来てないというか、外から来たわけでもないし、昨年もやっていたので。みんなにも言ったのは、『僕は、僕らしさを出してやる』と。コーチでやっている時とスタンスは別に変えるつもりもないし、何か思うことがあればなんぼでも言ってほしい。逆にこちらからもコミュニケーションを取るという話はした。そういう面では、あまり、堅い感じは持っていないと思いますが」
Q:昨年は、「監督ではなく、和田さんと言ってほしい」と言っていたが、今年もそのスタンスを続けるのか?
「そこは全然こだわってないし、そういう監督もいていいかなと。僕を見て、どう思うかでいいと思います」
Q:経験のある選手に頼りたいというのは、日の丸をつけた選手が何人かいますし、我那覇選手や宮本選手などの力を使うということか?
「当然頼りになってくると思います。やっぱり出場機会が少なかった選手も、こういう変化があるときには当然チャンスだと思っているだろうから、より練習も積極的に取り組んでくれると思う。より競争意識も激しくなるのではないかと思います」
Q:攻撃では、なかなか点が取れないなか、これまで出場機会に恵まれなかった我那覇選手は、1つの起爆剤として期待したいところは大きいか?
「それは当然。FWは(イ)ジェミンも加入して、都倉であったり競争相手がたくさんいます。茂木も昨日の試合でも後半FWでプレーしているときには相手にとって嫌な存在だったと思う。本当に、ではどうやって得点を取るかというところでは、確率の問題になってくるかもしれないが、攻撃につながるチャンスが高い選手を使っていくことになると思います。でも、2トップであるとしたら、タイプの違う選手を置きたいなというのはありますし、3トップの可能性もある。そこは練習をやりながら対応していきたい」
以上
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