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【J2:第25節 柏 vs 富山】レポート:終了間際の逆転弾で柏が辛くも勝利を収める。富山はまたしても逆転を喫し、悔やまれる敗戦に。(10.09.12)

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9月11日(土) 2010 J2リーグ戦 第25節
柏 2 - 1 富山 (19:04//7,456人)
得点者:32' 黒部光昭(富山)、41' 近藤直也(柏)、90' ホジェル(柏)
スカパー!再放送 Ch183 9/14(火)後02:30〜
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「振り返ると前回の対戦もこういう展開だったんですよね」。それが記者会見での富山・楚輪博監督の開口一番だった。まるで、5月に対戦した第14節の戦いを見ているような既視感にも似た感覚は、楚輪監督のみならず、筆者を含めた多くの人たちが感じたことだろう。
ダイヤモンド型に並べた富山の中盤が、同じくダイヤモンドを形成する柏の中盤と噛み合い、マンマークに近いマッチアップができあがった。柏は両センターバックやアンカーの栗澤僚一がワイドに展開しても、レアンドロ・ドミンゲス、澤昌克らにはぴったりマーカーが張り付いているような状況だったため、柏はその先のゾーンへは効果的な攻撃で繰り出せずに手詰まり状態に陥った。中盤にパスを入れても即座に潰されるか、2トップがくさびのボールを受けに降りずに裏への動きに終始したこともあって、ルーズなフィードを蹴り込むばかりが目立っていた。
むしろ攻撃の形が明確だったのは富山の方だ。柏のように一発で裏を狙うばかりではなく、木本敬介、黒部光昭の2トップにくさびのボールを当て、センターバックを引き剝がしてから、2列目の朝日大輔らがスピードに乗ってその背後へ飛び出した。中盤でのルーズボールに対する出足も柏を上回り、セカンドボールも富山が支配した。黒部、木本という2トップのシュート数6本に対し、柏は林陵平が2本、工藤壮人にいたってはシュートを打てず、その数字が攻撃の効率性の差を顕著に表していた。

そんな悪い流れが波及したのか、柏の些細なミスから富山の先制点が生まれる。32分、ゴールキックで柏GK菅野孝憲がパク・ドンヒョクにパス。富山の前線が連動してプレスを仕掛け、パク・ドンヒョクにボールが渡る前に木本がかっさらうと、中への折り返しに後方から飛び込んできた朝日がシュート。これはシュートミスになったが、うまい具合に黒部の懐へ入り、黒部は落ち着いて左足のワントラップボレーでゴールへ流し込んだ。
柏は悪いリズムでありながら、41分にコーナーキックのセカンドボールから近藤直也のヘディングが決まり、なんとか同点で前半を折り返した。後半は、開始とともにネルシーニョ監督が一手を打ち、北嶋秀朗を投入。北嶋は2トップの手前のスペースに度々降り、くさびのパスを受ける、あるいはサイドへ流れ、起点となる。「北嶋さんが入ってボールが収まり、他の選手が周りでサポートをして良い動き出しができた」(澤)。北嶋が味方からボールを引き出し、収め、レアンドロ・ドミンゲスや澤、または両サイドバックにさばくと、一転して柏のボール回りがスムーズになり、自ずとチャンスが増えた。後半のシュートシーンは、ほとんどが北嶋絡みであり、59分の北嶋自ら放ったシュートもバーを叩いた。

防戦を強いられたが富山であったが、ゴール前で体を張り、1−1のまましのぎ続けた。オープンスペースを突いた柏の両サイドバックのクロスにも、センターバック堤健吾、金明輝が弾き返し、その防衛ラインを抜かれたとしても、GK中川雄二のセーブで失点を阻止した。ただし、柏の圧力で富山は自陣に釘付けとなり、これによって柏のセンターバック近藤が、富山のクリアボールを高い位置で拾う。そして「キタジ(北嶋)さんのファーへ抜ける動きを知っている。裏へ蹴れば絶対に(ヘディングで)勝ってくれると思っていた」というクロスボールを送ると、北嶋もまた「ドゥー(近藤)が動き出しをよく見ていてくれて、良いボールを送ってくれた」と、両者のイメージが合致。プルアウェイの動きでファーへ逃げた北嶋の折り返しに、途中出場のホジェルが飛び込み、右足で詰めて逆転弾を決めた。90分のゴールで、柏が辛くも勝点3を手にした。

5月の対戦時と同様、最後の最後で勝点を失った富山。黒部が「良いサッカーはできていると思う」と語ったように、確かにゴールを決める形は持っており、この柏戦に限らず先制点は奪えている。おそらく何度も指摘されている点だとは思うが、試合の終わらせ方、あるいは2点目を奪いリードを広げるしたたかさ、そういったものがチームに加味されれば、順位は大きく上昇するはず。そしてその手前までは来ている印象はある。あとは、その殻をいつ破るのかというところだろうか。

柏にとっては既視感という一言で苦戦を片づけてはならないが、とにかく北嶋に尽きる。出場機会を得られない苦しい時期が続いても、腐らずにずっと準備を怠らなかった強い精神力。プレーで試合の流れを変えた他、1−1で迎えた86分には、足を痛がりうずくまる酒井宏樹を「時間がないんだぞ。立て!」と起き上がらせ、逆転に向けて発破をかけた。試合で浮き彫りになった課題を修正することも当然大事だ。それだけではなく、勝利を呼び込んだ北嶋の熱きメンタリティを、若い選手たちはもっと吸収していかねばならない。それが、柏が強いチームになるための条件でもある。

以上

2010.09.12 Reported by 鈴木潤
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