天皇杯2回戦、対FC岐阜戦で嬉しいプロ初ゴールを決めた水沼宏太選手。試合後、「どんな形でもゴールを決められたので、プレッシャーから解放されました」と満面の笑みを浮かべながら、待望のゴールの喜びを話してくれました。「紅白戦で3点を取ったり、ゴールを予感できるプレーをしていた」と松田浩監督が言うように、先週のトレーニングではゴールを強く意識しアピールに成功。先発の座を掴み取り、試合では1ゴール1アシストと見事に結果を残しました。「気分のいい選手が結果を残す」という松田監督の選手起用に関する持論に照らし合わせれば、心身ともに充実していた水沼選手が結果を出したのは必然。しかし、メンタルをいい状態に持って行くために、水沼選手の中では試行錯誤があったそうです。
栃木に加入後すぐに東京ヴェルディ戦で先発起用されましたが、負傷により前半だけで無念の交代。それ以降、痛めた右足の状態は上向かず、栃木SC特有のゾーンディフェンスの理解にも苦しみ、途中交代やベンチを温める日々が続きました。
「試合に出られない。何かを変えないと」
水沼選手の中で焦りが膨らんだ時、手を差し伸べたのは松田監督。以前、松田監督は自身のコーチ哲学について、こう話していました。「コーチの仕事は選手の給料を上げてあげることかもしれない。選手をレベルアップさせるために、結局は本人次第だが、なにかヒントや刺激になるような働きかけをしたい」。
水沼選手曰く「密談」が開かれたのは、24節のロアッソ熊本戦の前。市貝町での練習後、チームメイトがゴールを運ぶ輪に加わろうとした水沼選手を松田監督が「宏太!」と呼び止め、そこから2人だけの濃密な時間がスタート。
「守備と攻撃のこと。お互いに思うことを言い合いました」
この日を境に心の中のモヤモヤが少し晴れたそうです。「とにかく攻撃で結果を残せそうと。そこに重点を置いていましたけど、『いい守備からいい攻撃に繋げよう』と考え方を変えました。11人でのゾーンディフェンスは難しくて、いつも以上に守備に気を遣います。でも、チーム全体のいい守備はいい攻撃に繋がりますから」。意識改革に成功した水沼選手。守備から自身のリズムを作ることを意識した熊本戦ではハイパフォーマンスを披露し、いい流れを持ちこんだ岐阜戦での大活躍は先述の通り。
今やチームの中核である高木和正選手も、移籍当初は栃木の守備戦術の理解に悪戦苦闘したものの、自分の中で消化できるようになると上手くチームにフィット。期待に違わぬ活躍を見せています。それだけに、ひとつ殻を破った水沼選手の今後の活躍には期待が膨らみます。
「先週1週間は良かったですが、そこで満足せずにリーグ戦も残り3カ月しかないので、リーグ戦で点が取れるように頑張ります。岐阜戦では3−0まで凄く楽しかったので、リーグ戦でもプレーしていて楽しい時間が増やせればいいですね。サポーターの方には楽しいサッカーを見せたいし、楽しいサッカーで勝ちたいですね」
以上
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2010.09.10 Reported by 大塚秀毅
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