スカパー！生中継 Ch184 後03:50〜
☆新機能／試合速報一覧はここをクリック!!
☆クラブサポーター対抗totoリーグ投票受付中！
----------
九州最南の地・鹿児島の鴨池陸上競技場で、勝点27の12位札幌と同26の14位大分が対戦する。大分のホーム開催とはいえスタジアムまで陸路で約５時間半、アウェイの札幌は空路で約３時間半と地の利はない。改めて思うのだが、地方のクラブの地域格差を感じる。中断明けに加入した河原和寿は、「昨年も地方クラブとの対戦が多いＪ２（の栃木）でプレーし慣れてはいたが、大分（の移動距離・時間）は格別」と苦笑い。まずはストレスを感じずにピッチに立つことができるのか、このことが、Ｊクラブで地理的に両端（九州と北海道）にホームを置く大分と札幌が対戦する“南北ダービー”での前哨戦となる。
大分と札幌は今季、プレシーズンマッチを含め２試合とも２−２の引き分けで五分の戦いを演じている。そのうち大分の３得点はチェ・ジョンハンが決めており、相性の良さも加味してか、皇甫官監督は「きっと点を取ってくれるよ」と高松大樹との２トップでの起用を示唆した。これを受けチェ・ジョンハンは「２試合とも得点しているので自信はある。相手の裏のスペースを狙いたい」と意気込む。ここ数試合は攻撃陣の連係が良く、ポゼッションを高めて、パスで崩せている。「成長過程だが、狙い通りのことができている」（皇甫官監督）。自信を持って試合に臨めそうだ。ただ気になるのが守備である。天皇杯も含む直近の３試合では１分、14分、４分と早い時間帯で先制点を与えている。この一週間は守備に重点を置き、意識の徹底とブロックの形成をテーマに練習した。序盤の失点はゲームプランが崩れるだけでなく、相手に勢いを与えるため、試合の入り方がなによりも重要となる。
対する札幌だが、中断明けは２勝１分４敗と低調な試合を繰り返し、ここまできている。得点源のキリノの故障が響き、攻撃だけでなく守備も歯車が噛み合っていない印象だ。ただ、エース不在のなか内村圭宏がＦＷの軸となってからは光明を見いだしている感はある。昨季、愛媛で18得点と大暴れしたアタッカーは、チャンスメーカーとしての能力も高く、最近では１トップのポジションに挑戦しており、持ち味のスピードとテクニックを存分に発揮している。内村と言えば、大分出身者で03年から４年間大分に在籍。当時からチームの１、２位を争う人気者であったが、今節は大分にとって最も危険な存在となる。ルーキーの頃から知る皇甫官監督は「アイツはのせると怖い存在。のる前に何とか潰したい」と警戒している。
今季Ｊ１昇格を目指しながらも不本意なシーズンを送っている両チームにとって、桜島が一望できる鴨池陸上競技場の一戦で、浮上のきっかけを掴み大噴火したいところだ。２年前は互いにＪ１チームとしてこの地で対戦（大分○３−２）したことがあるが、その時は試合終了間際に二転三転し、ロスタイムで大分が劇的な逆転勝利を飾った。この勝利を機に、大分がシーズン最後まで優勝争いに絡み、クラブ史上最高の４位でフィニッシュ。一方の札幌は、悪い流れを止めることができず１年でＪ２降格の苦汁を飲むことになった過去がある。この試合も貪欲に勝利を目指す熱いサッカーで、新たな記憶の１ページとして残るような好勝負を期待したい。
以上
2010.09.10 Reported by 柚野真也
