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【ヤマザキナビスコカップ 清水 vs F東京】レポート:カップ戦の醍醐味が凝縮された一戦。最後はF東京の猛攻に清水が高い集中力で耐え抜き、2分けでベスト4進出(10.09.09)

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9月8日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
清水 0 - 0 F東京 (19:00/アウスタ/5,683人)
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第1戦に続いて第2戦も引き分け。それでも、虎の子のアウェイゴールにより清水が準決勝に進出。結局今回もF東京に勝つことはできなかったが、非常に難しい戦いを何とかコントロールし、次のラウンドに進むという結果を得たことは、チームにとって大きな収穫であり、貴重な経験にもなった。

注目された両チームのスタメンは、清水がいつもの4-3-3で、藤本淳吾と岡崎慎司が抜けた両ウイングには、右に枝村匠馬、左に兵働昭弘。ふだんは兵働が務めるトップ下の左にはベテランの伊東輝悦が入り、右サイドバックが市川大祐に代わった他は、先週の第1戦と同じ。
対するF東京はセンターバックに徳永悠平と森重真人が入り、ボランチには高橋秀人。そして、大竹洋平に代わって羽生直剛が先発復帰した以外は第1戦と同じメンバー。ただし、日曜日の天皇杯2回戦でフル出場した選手が3人、78分出場した選手が1人いて、コンディション的にはF東京のほうが不利な要素があった(清水は枝村だけが天皇杯フル出場)。

第1戦の結果( /jsgoal_archive/game/2010/20100020060220100901.html )を踏まえて、両者の思惑としては、何とか先制点を取りたいものの、相手に先制点を与えることは絶対に避けたいという点で一致。その意識は、前半の内容にも大きく影響した。
最低でも1点は取らなければならないF東京の側も、「焦って1点取りにいくというよりは、まず失点しないところから入った」(徳永)という意識で、清水のほうも「0-0を狙ったわけではないけど、相手の出方もあるし、それを見ないでただやみくもに攻めに行ったら危ない」(伊東)という意識。もちろん、どちらも点を取りにいく意識はあるが、バランスを十分に意識し、リスクは最小限に抑えたうえで攻めなければならないため、アクセルペダルをいっぱいまで踏みきれない状態になっていた。
そのため、前半はどちらもなかなか相手の守備ブロックを崩しきれず、有効なカウンター攻撃もあまりできず、ゴール前での見せ場が少ない試合展開に。柔道の試合であれば、どちらも“指導(攻めの姿勢が足りないことによる減点)”を受けるような内容だったが、この試合の状況や重みを考えれば、選手たちを責めることはできない。

前半45分で唯一最大の決定機は、42分のF東京の攻撃。梶山陽平の素晴らしいスルーパスで椋原健太が右サイドの裏に抜け出し、マイナスの折り返しから鈴木達也がハーフボレーで放ったシュートが左ポストに当たる。跳ね返ったボールはほぼラインと並行にゴール前に転がったが、大黒将志の足もわずかに届かず、F東京にとっては本当に惜しいシーンだった。
ただ、清水のほうも「ボールの運び方や動かし方というのは、時間を追うごとにスムーズになってきた」(兵働)という中で、あと一歩というシーンが徐々に増えてきて、流れはけっして悪くはなかった。それだけに、清水が後半もその流れを維持できなかったのは、やや残念なところ。それだけF東京も必死だったということだろうが、後半18分にカルジーニョの右クロスから羽生が惜しいシュートを打ったあたりから、徐々にF東京が攻勢を強めていった。さらに、その1分後には、椋原の右クロスからニアに大黒が飛び込んでドンピシャのヘディングシュートを放つが、これもバーに当たってゴールならず。
そして、22分に鈴木に代えて石川直宏、24分に羽生に代えて平山相太が投入され、ベンチからも攻撃のスイッチが入れられる。ここからはF東京が、多少のリスクを冒しても1点を取りにいくという展開になっていった。それに対して清水は、23分に枝村に代えて山本真希を入れ、伊東をボランチに下げて小野伸二をトップ下にした4-2-3-1のような形にシステムを変更。さらに35分には、小野に代えてスピードのある原一樹を投入し、F東京にカウンターの恐さを与えていく。両チームのベンチからも、試合展開に応じた駆け引きが繰り広げられた。

そんな中、38分には太田宏介の左クロスから原がシュートがバーに当たるというビッグチャンスを清水が作ったが、その後はF東京の猛攻に耐える展開。終了間際になってF東京が続けざまに決定機を作るが、45分のリカルジーニョのヘッドはGK西部洋平がスーパーセーブ。46分の混戦からの平山のシュートも、ゴールカバーに入った平岡康裕が身体でストップ。清水サポーターにとっては非常に心臓に悪い時間が続いたが、守護神・西部の大活躍と守備陣の身体を張った踏ん張りで、4分のロスタイムも何とか無失点のまま守りきり、清水の準決勝進出を告げるタイムアップの笛を迎えた。

今回は清水に運が味方した部分も多少あったかもしれないが、辛抱強くゲームコントロールができた部分と、苦しい時間を全員で踏ん張り切れたことは、選手たちにとっては大きな成果。前半は見せ場が少なく、清水の決定機も少なかったが、スリリングさという意味では、これほどハラハラドキドキさせられる試合はめったにない。そういう意味では、カップ戦ならではのおもしろさが凝縮された試合でもあった。

以上

2010.09.09 Reported by 前島芳雄
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