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【ヤマザキナビスコカップ 仙台 vs 磐田】レポート:積極的に攻めに出た仙台だが、勝ち上がりのための1ゴールを奪えず。苦しい戦いを切り抜けた磐田が準決勝進出(10.09.09)

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9月8日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
仙台 0 - 0 磐田 (19:00/ユアスタ/7,317人)
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磐田との第2戦に登場した仙台は、その3日前、同じ場所で苦杯をなめた天皇杯2回戦とは別のチームとしての姿を見せ、スタンドの仙台サポーターに期待を抱かせるような戦いぶりを続けた。
だが、あと一歩。チャンスは多くあったのだが、必要だったたった1点を最後まであげることができず、仙台はクラブ史上初のヤマザキナビスコカップ準決勝進出を逃した。
この夏以降のナイトマッチで、仙台ベンチの手倉森誠監督が、初めてシャツではなく上下スーツ姿で臨んだ一戦。21.1度という気温が秋の訪れを感じさせたが、仙台にとってはそれ以上に、天皇杯とヤマザキナビスコカップという2つの大会がたった3日のうちに終わってしまったという事実が、夏の終わりを思わせることに。一方、アウェイで猛攻を凌ぎきった磐田は、2003年大会以来7年ぶりの、ヤマザキナビスコカップ準決勝進出である。

第1戦( /jsgoal_archive/game/2010/20100020060320100901.html )の結果を受け、筆者はこの第2戦、むしろ磐田が試合を早く決めようと立ち上がりから攻めに出て、逆に1-0の勝利でもよい仙台は手堅く守りを固めながらワンチャンスをうかがう展開になると予想していたが、それは立ち上がりから完全に外れた。
終始連係が欠けた天皇杯の戦いが嘘かのように、仙台は後方の選手も積極的に飛び出して、磐田の守備に対して仕掛けていく。菅井直樹、朴柱成の両サイドバックだけでなく、この日はボランチの2人も効果的に攻撃へと絡み、斉藤大介は後方からゲームを作れば、富田晋伍はゴール前でチャンスを迎えることも。右サイドをしっかり崩した後、右に流れた斉藤のクロスを、ニアポストに入ってきた富田が合わせかけるという攻撃もあった。
共に押し込まれた時は、しっかり自陣ゴール前でブロックを形成する意図が感じられたが、その際も相手の守備陣を崩せていたのは仙台のほう。山本康裕に山本脩斗という、完全な本職というわけではない両サイドバックを配した磐田の両サイドを、人数をかけて崩していけていた仙台に対し、磐田はどうしても縦1本のパスから前田遼一とジウシーニョの2人に託そうとするカウンターに偏った攻めに。分厚い攻撃を行える下地は磐田も持っていたのだが、試合後に柳下正明監督が語っていたように、仙台の攻勢が磐田の前へ出る力を削ぐ形となっていた。

だが、仙台は好機を立て続けに逸する。
ある意味で試合の分岐点となった8分の場面。左サイドでFKを得た仙台は、梁勇基が直接ゴール前へ放り込むかと見せかけて、左前にいた朴柱成へ。朴柱成によるファーへの大きなクロスを、落下点の中原貴之がしっかりと頭で押し返してゴール前へ送ると、左右に大きく揺さぶられた磐田守備陣はマークを離してしまう。しかし、ゴール前でフリーとなっていた太田吉彰は頭で合わせたもののゴール上へ外してしまい、第1戦に続く2試合連続の得点を決めることができない。
この他にも前半にあった多くの決定機をものにできなかった仙台。後半に入っても、53分、正面25メートルでのFKのチャンスに、梁が蹴った右足のボールは、あのJ1・J2入れ替え戦第2戦のそれを彷彿とさせるかのような柔らかい軌道でゴール左上に迫るが、バーを叩いて弾かれる。61分にはカウンター、左サイドでボールを持った朴柱成から、前線へ猛然と走り出していた平瀬智行の足元を、追走するDFをカールしてかわすような美しい弾道のグラウンダークロスが入るのだが、ここでもフィニッシュまでたどり着けない。本当に、1点が遠い。

そして、この朴柱成から平瀬へのチャンス以降、仙台はそれまでのチャンスを決めきれなかったことを悔やむ展開となる。
まず、仙台の攻勢に対して前へ出られなかった磐田の攻めが落ち着きを取り戻して、ボールポゼッションを高めだした。激しい動きを続けていた仙台の中盤で運動量が落ちてきたこともあったが、前半は「動きが悪くて、交代の第一候補だった」(柳下監督)とまで考えられていたボランチの上田康太が磐田の左右を上手く繋ぎ、磐田に両サイドをワイドに使う球回しが戻ってきたことで、60分以降の15〜20分間ほどは、磐田が仙台を押し込む展開となった。結果的にそうはいっても、後半の磐田のシュート数はわずか2で、柳下監督はフィニッシュの少なさを嘆くことになるのだが、それでも磐田よりも1点が必要だった仙台にとっては、自分たちの攻勢がこの時間帯で削がれたことは痛かった。
では、磐田ペースとなりかけたこの時間帯、とにかく1点が欲しい仙台が早めに仕掛けることはできなかったのか。この点を考えると、仙台の不運を考慮しなくてはならない。ケガで赤嶺真吾とフェルナンジーニョ、出場停止で関口訓充を欠き、さらに朴成鎬が後半の早い時間に負傷し、試合の流れを終盤に変えるという意図ではなく平瀬の投入を余儀なくされていた仙台にとって、攻撃でリズムを変えるための駒は限られていた。1-0の勝利でも勝ち抜けである反面、同時に1失点でも喫してしまえば一気に苦しくなるという状況だった仙台が、効果を計算できない交代を無理して行うよりは、現状を維持して流れが再び変わるまで我慢強く待つという選択肢を選んだのも、致し方ないと言える。

0-0で最後まで進み、緊張感が終始続いた試合。最後のプレーは、5分と表示された後半ロスタイムの最後、朴柱成のクロスのクリアをペナルティーアーク付近で拾った斉藤が放ったミドル。スタジアム中が息をのむ瞬間だったが、弾道はバーの上をそれていった。
川口能活のゴールキックが宙を舞ったところで長いホイッスル。磐田は自分たちのサッカーができなかったかもしれないが、それでもアウェイで耐えに耐え、準決勝勝ち上がりとなった。

以上
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