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ヤマザキナビスコカップ準々決勝・第２戦、ガンバ大阪はサンフレッチェ広島をホーム・万博記念競技場に迎える。アウェイでの第１戦では貴重な『アウェイゴール』を手にして０−１で折り返したガンバ大阪だけに、スコア的には優位に立って今節を迎えるが、選手たちは「アウェイゴールとか余計なことを計算せずに勝つことだけを考えたい」（DF中澤聡太）と声を揃える。AFCチャンピオンズリーグを含む今季の公式戦では5勝7分1敗と未だ一度しか敗れていない『ホーム・万博』でしっかりと白星を引き寄せ、昨年は実現できなかった『準々決勝突破』を決めたい。
直近の天皇杯２回戦・大阪体育大学戦（○6-2）ではこの準々決勝の戦いをにらみ、主力の何人かをベンチに座らせたG大阪だけに、夏場の連戦で心配されていたコンディションについてはほぼ万全の状態で挑めそう。ただし、負傷により日本代表を離脱したMF遠藤保仁は復帰のメドが立っておらず欠場が決定的で、日本代表で離脱中のMF橋本英郎も7日のグアテマラ戦の翌日ということもあり「タイプ的には出場も考えられなくはないけど、グアテマラ戦をフル出場となれば難しいと思う。ポジション的にもかなりハードワークを強いられるからね」と西野朗監督。つまり攻守両面での貢献度が高い、チームの心臓というべき存在を２人欠いての戦いを強いられることは濃厚であり、その中でいかに攻守に連動した戦いを出来るかがポイントになりそう。
その『攻守における連動性』を実現するにあたり、好材料がある。右足の親指を骨折し約１ヶ月半にわたって戦列を離れていたFWルーカスの戦列復帰だ。
これまでの戦いを見ての通り、前線からの守備、キープ力など、FWルーカスがG大阪の前線において果たす役割は限りなく大きい。実際、復帰戦となった第１戦・広島戦においても、彼の存在によって前線にタメが作れる時間が増え、中盤も絡めた攻撃展開が増えるなど、目に見えたプラスの変化が見られたし、その中で持ち味である得点能力を発揮して貴重なアウェイゴールも決めている。唯一、心配された試合後のリバウンドについても、「ゼンゼン、ダイジョウブ！」という本人の言葉とおり問題はなさそう。今節も先発出場となれば、攻守に存在感を示してくれるに違いない。
「初戦を勝てたのは良かったけど、その１戦目をアドバンテージと思って２戦目に挑んではいけない。自分たちがやるべきことに集中して勝つことだけを考えたい。前線にボールがおさまるようにするのは僕の仕事の１つであり特徴でもある。今節もしっかり自分の役割を果たして勝利に貢献したい」（FWルーカス）
余談だが、直近の天皇杯ではチーム内での弟分・FWドドがG大阪での公式戦初ゴールをゲット。スタンド観戦となったFWルーカスに向かって「いつも僕のことを助けてくれるルーカスに日頃の感謝を込めて」（FWドド）ガッツポーズのパフォーマンスをみせたが、これもFWルーカスにとっては嬉しい刺激となっているようだ。
「僕らは同じFWだけにライバルでもあるけど、いつもお互いを励まし合ってやってきたし、チームに貢献したいと思ってプレーしている。僕も第１戦でゴールを決めた時にはドドのことが頭に浮かんだしね。今節出場となれば、僕も彼に負けないようにゴールを決めたいね」（FWルーカス）
対する広島も日本代表DF槙野智章の出場は微妙だが、直近の天皇杯・デッツォーラ島根戦（○4-0）には、G大阪と同様にヤマザキナビスコカップ準々決勝第１戦から先発メンバーを大幅に入れ替えて挑んでおり総体的なコンディションは問題なさそう。第１戦後にペトロヴィッチ監督が言っていた「第２戦に向けて選手をフレッシュな状態にして、運動量を増やしたい」という狙いをしっかりと捉えた戦いを挑んでくることだろう。ビハインドを背負ったアウェイでの第２戦ということで、難しい試合になるのは間違いないが、わずかに１点差であることを思えば、今節でまず先手を獲り『２点目』の争いに持ち込むことが出来れば、“アウェイゴール”で優位に立てる可能性も広がる。だからこそ、まずはその『先手』を獲れるかがカギになりそうだ。注目は昨年までG大阪に在籍したFW山崎雅人。移籍後、初めて立つ万博のピッチで彼の得点能力がどのような輝きを放つのか、楽しみだ。
以上
2010.09.07 Reported by 高村美砂
