8月29日(日) 2010 J1リーグ戦 第21節
清水 2 - 0 川崎F (18:33/アウスタ/18,792人)
得点者:16' 藤本淳吾(清水)、47' 岡崎慎司(清水)
スカパー!再放送 Ch183 8/30(月)後01:00〜
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8試合ぶりの無失点ゲーム、完封勝利という意味では、じつに3/20の第3節・神戸戦以来18試合ぶりのこと。今後の戦いがどうなるかは別にして、2-0で強豪・川崎Fを倒したことで、清水の選手たちは“踏みとどまる力”が残っていることを自分たちで証明した。
清水にとっては、まず試合への入り方が重要なゲームだった。立ち上がりから自分たちのアグレッシブなサッカーを貫くことが、3連敗の悪いイメージを払拭するためには欠かせない条件であり、「今日は始めからアグレッシブに動いて、どんな形であれ、動きの質というのを求めて入った」(小野伸二)と選手たちも考えていた。
その意識がピッチ上でしっかりと表現されたことが、清水にとってはまず大きかった。守備では前線から素早くプレッシャーをかけてボールを奪い、シンプルに縦に入れるボールと、テンポ良くパスをつないでいく形を併用しながら、序盤は清水が押し気味に試合を進める。とくに右サイドでの藤本淳吾とフローデ・ヨンセンのコンビネーションが冴え、6分にはヨンセンのヒールパスから藤本がドリブルで割って入り、最初の決定機を作るが、ここはGK相澤貴志に止められてゴールならず。
その後も、清水が続けざまにチャンスを作って攻勢を強めたが、川崎Fも虎視眈々とカウンターのチャンスをうかがっていた。11分にヴィトール・ジュニオールが高い位置で小野からボールを奪うと、ドリブルから右に出して黒津勝がGKと1対1になってシュート。これが決まっていれば、流れは大きく川崎Fに傾くはずだったが、左ポストに当たって外に外れてしまう。川崎Fにとっては、この試合でもっとも残念なシーンだった。
そんな展開の中で、先制点は思わぬ形から生まれる。15分の小野のスルーパスが対面した選手の足に当たって浮き球になった場面で、センターバック・菊地光将が肩からほんの少し外れたところでボールを止めてしまい、PKの判定。このPKを藤本がいつも通り落ち着き払ってゴール右に決め、清水が押している時間のうちに先制点を奪うことに成功した。そしてこの1点は、メンタル面でも清水にとって大きな力を与えた。
しかし、その後は反撃に出た川崎Fに対して、清水が少し休んでしまい、川崎Fが押す時間帯がしばらく続いた。その中でセットプレーの流れから決定機も2度作ったが、これも決めきれない。30分過ぎからは清水も再び盛り返してゲームをコントロールし始め、流れを取り戻した状態で前半が終了。
それでも川崎Fが先に同点に追いついていればどうなるかわからなかったが、後半も清水が立ち上がりを制したことが、結果的に試合を決めることになった。後半開始2分、兵働昭弘のパスで岡崎慎司が左の裏に抜け出し、ゴール前にクロスを入れると、ヨンセンがこれをしっかりとキープして後方に落とし、岡崎がダイレクトでシュート。これがGKの右をきれいに抜いて、岡崎自身もチームとしてもどうしても欲しかった追加点が決まった。
ただ、川崎Fとしても、1点返せばムードは大きく変わるという予感はあっただけに、その1点を目指して反撃に出るが、きっちりと守備のブロックを整えた清水の守備をなかなか崩しきれない。川崎Fは、後半だけでCKが7本とセットプレーのチャンスが多くあり、ショートコーナーを多用するなどさまざまな工夫を見せたが、中央の清水の守りには、勝っているときの手堅さがあった。
「1人1人のボールに対する寄せが今日は良かったと思う。ボールの出し所にも前からしっかりプレスをかけてくれたし、最後の部分でもみんな一歩の身体の当て方というところができていた」(平岡康裕)、「相手との間合いが良かったし、今日は点を取られているときの雰囲気はなかった」(西部洋平)と、選手たちも手応えを口にする。
中盤の選手も、全員がブロックに入るのではなく、誰か1人はしっかりと相手ボランチのところに制限をかけに行き、それを90分間やり続けた。さらに、危ない場面ではGK西部がビッグセーブで踏ん張った結果が、久しぶりの完封勝利につながった。
運が多少味方した部分もあったが、試合内容を見ても完勝に値するプレーを見せた清水。攻撃でも良い形がいくつも見られ、ネガティブなイメージは払拭されただろう。何よりも、3連敗を引きずることなく、自分たちの力で踏みとどまれたことが大きかった。
当然、中2日で始まる次のナビスコカップ準々決勝でも、このサッカーを続けることが重要になる。
以上
2010.08.30 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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