本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第20節 磐田 vs 清水】レポート:磐田の未来を担う大器が、ダービーでの貴重な1勝をサポーターにプレゼント。清水は攻守に精彩を欠いて苦しい3連敗(10.08.23)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
8月22日(日) 2010 J1リーグ戦 第20節
磐田 2 - 1 清水 (18:05/エコパ/31,266人)
得点者:23' ジウシーニョ(磐田)、41' 太田宏介(清水)、43' 山本康裕(磐田)
スカパー!再放送 Ch181 8/24(火)後09:00〜
新機能/試合速報一覧はここをクリック!!
クラブサポーター対抗totoリーグ投票受付中!
----------

彼が16歳でトップデビューした頃から、「福西2世」(現在の背番号も同じ23番)と呼ばれるなど、大器としてチームからは非常に期待される存在だった。プロになって2年目の昨年も、負傷するまでの前半戦ではボランチとして定位置をつかみ、ブレイクの予感を十分に漂わせていた。ただ、彼自身も何度か決定的なチャンスを迎えていたが、それを決めきることはできず、前節までプロの公式戦ではノーゴール。ケガから復帰した後はやや精彩を欠いた面もあり、ユース時代の得点力を知る者にとっては、もどかしい状況が続いていた。
しかし、この試合での山本康裕は違った。静岡ダービーという大一番で、1ゴール1アシスト。西紀寛の出場停止で巡ってきた攻撃的な位置での出番の中で、彼が本来のポテンシャルとして備えている、試合を決定づける仕事を見事にこなし、チームを勝利に導いた。

試合内容に関しては、両チームとも主力が2人ずつ出場停止となり、連戦と猛暑による疲労感も見られる中で、どちらがより辛抱強く戦い、勝負所をものにできるかという展開になった。
とくに清水のほうは、岩下敬輔と平岡康裕というセンターバック2人の出場停止に加えて、中盤の主力3人(小野伸二、兵働昭弘、本田拓也)が共に内転筋に痛みを抱えるという非常事態で、本田が欠場、小野が20分間、唯一先発した兵働が56分間の出場。内転筋痛は疲労の蓄積から生じる場合が多く、それが今のチーム状況を物語っている。そのため、システムも今季の4-3-3から昨年までの4-2-2に変え、伊東輝悦と山本真希の2枚ボランチにして、前から行くアグレッシブさよりもバランスを重視した形で試合に臨んだ。
ただ攻撃面では、本田と小野を欠くスタートで攻撃の多彩さを欠き、ボールをポゼッションしても、そこから磐田の守りを崩し切るには、バリエーションと迫力が不足しているという印象は否めなかった。
磐田のほうも、「やはり疲労があったのか、連続した動きが見られなかった」(柳下正明監督)という状況で、ここ数試合で見られたほどボールを軽快に動かすことができず、清水のかっちりとした守備ブロックを、なかなか崩すことはできない。
しかし、選手たちの気持ちが入っていたので、球際やセカンドボールの奪い合いではどちらも踏ん張って、ほぼ互角。どちらが有利とも言えない展開が続いていた。

そんな中で均衡を破ったのは、個人の力。23分に駒野友一のパスを受けた山本康が、力強いボールキープからドリブルで縦に勝負してきれいに太田宏介をかわし、冷静に中を見てグラウンダーで折り返す。それを、マークを逃れてフリーになったジウシーニョが押し込み、磐田が先制点を奪った。
清水DF陣をボールウォッチャーにさせたという意味でも、山本康の鮮やかな突破は大きな効果を発揮。本人も「縦に勝負するというのは以前の自分には少なかったけど、最近は縦にも勝負できるんだというのが自分でもわかってきた。思い切って何回も仕掛け続けていけばきっとチャンスになると思っていたし、それが結果につながったので、これからももっともっと仕掛けていきたい」と振り返り、彼自身の中でも変化が起こっていることを明らかにした。
これで、磐田がゲームをコントロールする展開になり、清水がなかなか決定機を作れない状況が続いた。だが41分には、中央へのクサビから混戦になったところで岡崎慎司が身体を張って粘り、こぼれたボールを兵働がつないで、太田がそれをスライディングで押し込み、同点ゴールをゲット。きれいな崩しではなかったが、清水がこの試合でもっとも気迫と執念を発揮し、ワンチャンスを生かした場面だった。
しかし、その後が良くない。流れが良くない清水ではあるが、ベンチには後半の勝負に賭けられるメンバーが揃っているため、前半は何としても1-1のまま終えなければならなかった。だが、同点にした2分後には、駒野のパスからオフサイドぎりぎりで裏へ飛び出した山本康に、鮮やかな切り返しから2点目を決められてしまう。
清水の側から見れば、センターバックとサイドバックの間に大きな門が開き、そこを突かれた形。オフサイドにかけようとした分、カバーリングが遅れたが、もう少しパスの前後で慎重な対応と集中が必要だっただろう。「2点とも、人はある程度いるのに、そこの対応が少しまずくてという状況だった。もう少し落ち着いて対応できれば、防げたと思う」(伊東)というように、非常に悔やまれる失点だった。

一方、決めた山本康にとっては、待ちに待ったうれしいプロ初ゴール。「ずっと点が取れなくてサポーターに迷惑をかけてきたけど、サポーターが勇気と力をくれた。今日は点が取れて、やっとジュビロの一員になれた気がする」と、彼自身はサポーターへの感謝の言葉を何度も繰り返した。
後半は、清水が枝村匠馬(11分〜)、小野伸二(25分〜)、原一樹(30分〜)とジョーカーとなり得る選手を次々に投入して攻勢に出るが、磐田が冷静かつ粘り強く守って、なかなかつけいるスキを与えない。
「とにかく我慢強く、粘り強くやれたというゲームだった」。試合後に柳下監督が開口一番語ったように、疲労が増していく中で、磐田の選手たちは我慢すべきところでしっかりと我慢し、コントロールすべきところは冷静にコントロール。清水の武器であるセットプレーの回数も最小限に抑え、決定的なチャンスはほとんど与えないまま1点のリードを守りきった。これで磐田は今季初の連勝となり、順位を12位まで上げた。
敗れた清水のほうは、主力の多くを欠いたとはいえ、攻守に精彩を欠いて3連敗。サポーターからも大きなブーイングを浴びた。昨年終盤の5連敗という悪夢を払拭するためにも、次の川崎F戦(8/29@アウスタ)では何としても踏みとどまらなければならない。
それに対して、勝った磐田のほうは、単なる1勝以上の価値がある勝利。とくに、これで山本康が自信ときっかけをつかみ、今後もコンスタントな活躍ができるようになれば、チームとしても一段階ステップアップすることができるはず。その意味では、次節(8/29@万博 vsG大阪)での山本康の起用法と働きぶりが注目される。

以上
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/01(木) 20:45 ハイライト:広島vsシュトゥットガルト【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo】