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スカパー!生中継 Ch173 後06:50〜
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第1クールを5位という過去最高の順位でシーズンを折り返した熊本は、後半の初戦となった草津戦に敗れて以降1分2敗と、まだ勝ちがない。前節はPKの判定とオウンゴールという不運な形で失点したとは言え、開幕戦では追いついて引き分けた千葉に対してサッカーをさせてもらえず完敗。順位も9位にまで後退している。
一方、今節迎える東京Vは、初戦となった2節の熊本との試合に敗れて3連敗したことも響いて、なかなか調子が出ずに序盤は低迷。それでも前半は9位で折り返し、後半に入って甲府、柏と上位を連破。さらに前節は札幌に逆転勝ちと、直近の3連勝を含め8試合負け無しで一気に5位まで浮上してきた。前半と後半で対照的な勢いを見せる両チームの対戦だ。
熊本は千葉戦の後、「疲れも見えた」(高木琢也監督)ことを受けて2日間のオフを設け、さらに週の中日にも1日休みを入れた。専用の練習場を持たないために日中の厳しい暑さの中でのトレーニングを強いられ、それによって蓄積される疲労を考慮してのもの。この効果がどう出るかはゲームで確かめなければ分からない部分はあるが、何かしら変化をつけて流れを変えたいという指揮官の思惑もある。そんな中でも、チームとしてやるべきことは明確だ。特にここ数試合は、運動量や切り替えの面で相手より優位に立てることが少なく、さらには判断の段階を含めたミスも目につくことから、高木監督は「自分たちがやれることを的確に、スピーディにやること」が大事だと話す。そしてそれができていると高木監督が分析するのが、東京Vである。
東京Vの特徴であるポゼッションは、空いている選手にシンプルにつけて、受ける為に周りが動くという連動の積み重ね。前節の平本一樹の逆転ゴールはまさしくその象徴とも言える得点で、実に70秒近くボールを失われることなく、土屋征夫から始まった攻撃は19本ものパスを経てゴールに結びついた。今節も河野広貴が出場停止だが、前節トップ下の位置に入った高木善朗もゴールに絡む働きをしている他、両サイドの菊岡拓朗、飯尾一慶も中へ入り込んではチャンスを演出。「ボールを失わないし、要所でしっかり走る。ミドルも打てるしパスも出せる」と、高木監督もその特徴を良く知る柴崎晃誠と佐伯直哉のボランチコンビにも警戒が必要だ。失点16は柏に次ぐ少なさで、不用意にボールを失わないし、奪われてからの守備への切り替えも早く、前節は札幌にわずか3本しかシュートを撃たせていない。
熊本としては攻守両面において穴を見つけづらい難敵だが、ゲームの流れを掴む上ではやはり先に失点することは避けたい。20日の練習では、ボールをしっかりとつなぎ、サイドから糸口を見いだす東京Vの攻撃に対する守備の対応を確認していたが、「ポイントを上手く整理しないと、振り回されて動くと疲れてしまう」(高木監督)ことから、「(奪いに)行くところと行かないところをハッキリさせること」(カレン・ロバート)がひとつの焦点となる。攻撃のポイントについて高木監督は「CBをどう動かすか」と話すに留めたが、非公開となった21日の練習で細部を確認しているはず。その点で考えると、試合前に明らかになるトップ2枚と両サイドハーフの組み合せから、狙いや意図を汲み取ることができるだろう。いずれにしても、「良かった時にできていたこと、原点を見つめ直す」(原田拓)ことが最低条件だ。
勝点差をひっくり返して再び浮上したい熊本、そして勢いを持続して上位追撃態勢に入りたい東京Vと、双方とも手にしたいのは結果だ。お互いに得点はそう多くなく、1点を争う展開になることが予想される一戦。「多くのサポーターに支えられているからこそ、ホームで勝たないとお客さんも増えないし、チームも次のステップに行けない」と高木監督は言う。勝っても花火が打ち上げられる予定はないが、それ以上の歓声と拍手がKKウイングに満ちて、夏休み最後のホームゲームを彩ることを期待したい。
以上
2010.08.21 Reported by 井芹貴志