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前半戦を勝点27の6位で折り返したＣ大阪。大黒柱だった香川真司がドイツ・ブンデスリーガのドルトムントへ移籍した後も、W杯中断明けの6試合で3勝2分け1敗、14得点4失点という数字を残して、堂々と上位戦線に食い込んでいる。ACL（AFCチャンピオンズリーグ）出場権を得られるトップ3入りへ目標を上方修正したチームは、勢いをそのままに、後半戦初戦の「関西Jバトル」、敵地での京都戦も当然、勝利を目指す。
Ｃ大阪は、今節の相手となる京都から、2010年シーズン、J1復帰後初勝利を挙げた。開幕後1カ月間、新チームがなかなかフィットせず、苦難の船出となったが、第5節の京都とのホームゲームでは乾貴士のアシストから香川のシュートで今季初めて先制点を獲得。すると、香川の中押し点、播戸竜二の移籍加入後初ゴールとなったダメ押し点で、3-1と関西のライバルを下して、4年ぶりのJ1白星を得た。
そこからは、リーグ戦13試合未勝利の京都とは対照的に、第10節では鹿島も撃破するなど、着実に勝点を積み重ねているＣ大阪。しかし、今回の相手が最下位とはいえ、油断は禁物であり、それは監督も選手も自覚している。「監督も含めて、チームは変わりつつあり、（対戦するのは）難しい状況。他チームと変わらず（京都には）いい選手が揃っている」とレヴィークルピ監督がいえば、センターバックの一角を担う上本大海も「京都は最下位になるチームじゃない。一人ひとりの個の能力は（他と）ひけをとらないものを持っている。技術もあり、やりづらい相手」と相手を警戒。また、「相手がどんな状況でも、Ｃ大阪のパフォーマンスが出せなければ勝てない」と、茂庭照幸も後方から手綱を引き締めなおしている。
実際に、Ｃ大阪は今季、京都に痛い目にあっている。香川が抜けたあとの最初の試合となったヤマザキナビスコカップ第3節で、清武弘嗣、家長昭博、乾の新3シャドーで臨んだが、「パスミスが非常に多かったし、他の試合では存分に見せてくれていた勝者にふさわしい気持ち、スピリットというものが今日はまったく足りなかった」（レヴィークルピ監督）というふがいない内容で1-2と惜敗。ここから連係を深めなおすまで中断期を含めて2カ月以上を費やし、ヤマザキナビスコカップでは勝点1しか取れない屈辱も味わった。そのリベンジを、同じ西京極で果たしたいという思いも、今のＣ大阪にはある。
その試合では移籍後初先発で「気合いが入り過ぎて空回りしていた」という清武。前半終了間際にケガをしてしまうなど、人一倍悔しい思いをした20歳は、「今度はなんとか勝ちたい」と闘志を燃やしている。その清武だけでなく、チーム誰もが勝つために心がけているのは「自分たちのサッカーをすること」。3シャドーを軸にどこからでもゴールを狙う攻撃、そして、上本、茂庭のセンターバックを中心にリーグ最少タイの17失点（1試合平均で1失点）という数字を残すハードな堅守を今回も継続することが、勝利への近道となることは言うまでもない。
そのなかで、今回も正GKキム ジンヒョンをケガで欠くが、前京都のGK松井謙弥は前節で攻撃力の高い川崎Ｆを無失点に抑えて、自信を持って古巣に凱旋する。また、今季京都戦では2戦連発弾を決めている播戸も、練習時の紅白戦でゴールを量産するなどコンディション上昇中。「向こうも必死で来ると思うので、こっちも必死でやらないといけない。相手どうこうより、自分たちのサッカーを成熟させたい」という11番の奮闘にも注目だ。さらに、左サイドバックに定着した丸橋祐介は、「チャンスをもらったあのときからですね」と振り返るように、ヤマザキナビスコカップ、西京極での京都戦で好プレーを披露し、自信をつかんで今に至る。今やチームに不可欠な存在となった19歳の活躍にも期待したい。
「後半戦初戦、絶対勝つぞ！」と力を込めて語った指揮官のもと、Ｃ大阪は容赦なく相手を倒しに行く。大阪から駆けつけてくれる大勢のＣ大阪サポーターとともに、西京極も桜色に変えてみせる。
以上
2010.08.14 Reported by 前田敏勝
