スカパー！生中継 Ch182 後05:50〜
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２０１０シーズン折り返し直前の２試合で、ようやく今季初の連勝を果たした大宮。仮に、もうひとつ勝ち３連勝するとなれば、それは実に０６年以来のことになる。その０６年には３連勝は２度あるのだが、１度目はシーズン中盤のこと。そして２度目は降格圏付近をさまよっていたシーズン終盤、ラスト３試合に連勝して残留を決めたもので、劇的な思い出として記憶している方も多いのではないだろうか。明日の磐田戦で勝利を収めれば、それ以来の３連勝となり当然ながら期待は高まる。
とはいえ、鈴木淳監督の反応はそっけない。「イヤ僕はあんまりそういうことはこだわりません。そちら（メディア側）で考えてくれれば…」と全く執着を見せないのだ。それよりも気になるのは「目の前のひとつひとつに勝利していくこと」と冷静な表情を見せる。目の前の１試合に勝利すれば、結果として勝点３を得られ、そして今回のケースで言えば３連勝となる。目の前の一試合に集中することと、数字にこだわることの二つは、結果は変わらなくても１試合への集中の度合い、メンタルが大きく変わってくるのだろう。
さて、今節大宮には大きな注目ポイントがある。なんといっても中断中の合宿から大宮に合流していた李天秀の登録が完了し、出場が可能になったのだ。代表で、海外クラブで幾多の経験を持つ彼の新加入は大宮にとって決して小さくはない。なんといっても、前節３得点してもなおリーグ最少得点にとどまる得点力が大幅に向上するだろう。
李天秀はクラブ幹部には「何点とって欲しいのか？」と問いかけ、我々には「何のためにプレーするのか、勝利には何が必要か考えれば勝利するのは難しくない」と豪語している。強い自信、自負心が感じられ、大人しい選手の多い大宮では珍しい存在なのだが、これは大宮にとって必要な強さだ。ちなみに、そんな強気な発言とは裏腹に口調は穏やかで、物腰も柔らかな人物ではあったので少し安心したところでもある。
その李天秀は既に一ヶ月程合流していることもあり、今節では先発出場が濃厚だ。ラファエルとの２トップを組むことになるだろう。彼はシュート力だけでなく、キープ力、パス能力も高いことからそれを生かしたいところだが「僕らがどう絡んでいけるか」と青木拓矢。周囲とどう融合していくかにも注目が集まる。左サイドバックには出場停止明けの村上和弘が復帰し、鈴木規郎は中盤で起用されるだろう。もう一人今週登録された李浩はボランチで彼もまたワールドカップ経験を持つ選手なのだが、しばらく実戦から遠ざかっていることもありまだ試合出場までは時間がかかりそうだ。
迎える磐田については「警戒すべき選手は前田遼一選手。何でも出来る。チームとしてはサイドからの攻撃に注意」と鈴木監督は話している。選手たちからは駒野友一を起点としたサイド攻撃とジウシーニョの個人技を警戒する声が多く聞かれた。相手の攻撃力に目がいく中で深谷友基、坪内秀介の両センターバックは「やっぱり守備からきちんと入りたい。先制点を絶対やらない」と繰り返していた。そして深谷は「リーグ最少失点も狙えるし」と意欲も見せる。無失点での連勝を果たしており、監督もそれを勝因に挙げるほど。それだけに、自信が伺えるのは頼もしい。磐田は再開以降５試合勝ち星がなく、ここ２試合は連敗している。大宮とは同じ勝点１７で並んでいるだけに、ここは相手にみすみす勝点を与えることだけは避けたい。
冒頭に鈴木監督が連勝に対してそっけないと書いたが、それは選手たちも同じ。「僕らの目標はもっと高い」（青木）「シーズン当初の目標は５位以上なので」（深谷）と、あまりニヤけた表情も見られない。攻守にチームが向上している手ごたえもあり、このまま少しずつでも順位を上げられるように思える。それだけに、やっぱり”まずは３連勝”してもらい、数字を伸ばしてもらいたいところだ。
以上
