8月13日(金) 2010 J1リーグ戦 第18節
山形 1 - 0 新潟 (19:04/NDスタ/14,118人)
得点者:35' 北村知隆(山形)
スカパー!再放送 Ch180 8/14(土)深01:00〜
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「ゴールをめざすところに関しては選手たちも最後まであきらめずにやってくれた」と新潟・黒崎久志監督。思えば前節も、アウェイの磐田・柳下正明監督は「90分とおして、やってるサッカーというのは別段問題はないと思っています」と、プランを大きく削がれた印象は持っていなかった。それでも山形は少ないチャンスを北村知隆のゴールでモノにし、最後までゴールを割らせない粘り強い守備で無失点に抑える同じようなゲーム展開で連勝を飾った。11戦負けなしを続けていた新潟に、ついに土がついた。
前半は間違いなく新潟が流れをつかみ、ゲームを支配していた。増田誓志が何度か裏を突くシーンはあったが、マルシオ リシャルデスを警戒し、「増田、秋葉(勝)の2人の選手が少し引き気味になって、スタイル的に引いたような形になって前に出れなかった」(小林伸二監督)山形は、千葉和彦、永田充の新潟両センターバックへのプレスを十分にかけることができず、回されたボールを奪えない苦しい展開に持ち込まれた。新潟はミシェウが出場停止の影響で大島秀夫選手をセンターフォワードに据えた4-2-3-1のシステム。マルシオ リシャルデスが佐藤健太郎の脇のスペースに常に浮いた状態で待ち、ボランチでスタートした三門雄大は味方に預けて前に出るなど積極的に攻撃に参加していた。
新潟の流れが決定的となったのは、18分の本間勲のロングシュート。ハーフウェイラインを越えてすぐの位置でプレッシャーがないのを確認すると思い切り右足を振り抜いた。枠をとらえたボールはGK清水健太が伸ばした手に防がれたが、そのプレーでこの試合最初のコーナーキックを得ると、続けざまにフリーキック、コーナーキックを獲得。その流れのなかで、中盤の底まで下りたマルシオ リシャルデスが左スペースへ酒井高徳を走らせたり、西のアーリークロスに大島が飛び込んだりと、完全に主導権を握っていた。引き気味の山形はボールを奪ったあとも慎重にならざるを得ず、新潟の帰陣よりも先に飛び出せるような状況ではなかった。
33分には長めのフリーキックを大島がマークを外してヘディングシュート。あとは枠に飛べばというシーンが生まれていた。そこで飛び出したのが北村の先制点だった。自陣からのフリーキック。前田和哉が長い距離のキックを前線に送ると、永田と競った長谷川悠がフリックオン。北村と宮沢克行がその両サイドから飛び出していたが、中央に近い北村がボールに反応。GK黒河貴矢に任せようとした千葉の虚を突く形で足を伸ばすと、ボールはそのままゴールインした。43分の新潟の直接フリーキックでは、ニアの軌道上に大島、矢野と飛び込みながらノータッチで、しかも手前で沈む難しいボールを、GK清水が咄嗟に出した足で防ぎ、1-0で山形リードのまま前半を折り返した。
後半、黒崎監督は強行軍でドリブルでの仕掛けに精彩を欠いた曹永哲をあきらめ、明堂和也を投入する。しかし、「そこ(ボランチ)を押し出すことができる準備を後半した」と小林監督がハーフタイムに施した修正で、前からプレスがかかり出し、54分には石川のフリーキックから増田が独特の打ち方でゴール右をかすめるシュートを放ち、64分にはGK清水のフィードから北村が抜け出し、途中出場の古橋のクロスから長谷川が折り返してここも増田がボレーシュートを放った。追加点こそならなかったが、時間とともに間延びする新潟のスペースを突き、ボールを運ぶことに関しては前半ほどの息苦しさは感じさせなかった。
攻め急ぎから、立ち上がりは相手陣内に攻め入ってからのパスミスが目立ち始めた新潟も、57分には西のアーリークロスに大島がヘッドで合わせるが、山形の宮本卓也に体を当てられて決めきれず、62分にも矢野が右サイドをドリブルで突破してクロスを上げ、またも大島の頭に完璧に合わせたが、ここでもシュートは枠に飛んでくれなかった。71分には大島をあきらめて内田潤を左サイドに投入し、矢野と明堂を2トップとする4-4-2に。さらに終盤には、当初ベンチ入りを予定していたファグネルが前日練習でけがをしたため急遽山形に呼ばれた川又堅基が出場して3トップに。しかし、「メンバーを変えたのもポジションチェンジもある程度見えていた」と的確に手を打った山形・小林監督が慌てることはなかった。ロスタイムに、ペナルティーエリア内での絶妙のターンから突破を図った矢野選手には、宮本選手に代わり昨年11月以来の公式戦復帰を果たした小林亮が体を寄せてコースを切り、打たれるとシュートコースを防いでいた前田がブロック。新潟の反撃をしのぎきった山形が、1-0で勝利した。
第7節、ロスタイムに大島のゴールで名古屋に追いついたのを皮切りに11試合続いた新潟の無敗記録は、ここでいったん幕を引いた。この間、順位は最下位から一気に5位まで上昇し、前半戦を終わって首位に立った清水に唯一黒星をつけるなど、結果とゲーム内容の相乗効果で快進撃を続けてきた。その流れをこの1敗で途切れさせてはならない。ホームに戻って清水、川崎Fと続く連戦は、新潟の真価を問う連戦となる。
モンテディオは前節に続いて1-0と僅差の勝利。安泰のゲームこそないが、ここ4試合で1失点と守備のしぶとさが光っている。また、ナビスコカップで0-5の敗戦を喫した磐田に勝利したのに続き、今節も前回逆転負けの新潟にリベンジを果たしている。課題から目をそらさず、修正に向けてチームがひとつの方向を向いて対処していることが、このところの好調ぶりに表れている。「欲を言えば、もう少しラクをしたい。2点目を取れればもっとラクになる」(石川)。守備のベースを維持しながら、この先どこまで攻撃力の構築ができるか。しばらくはそうした挑戦が続いていきそうだ。
以上
2010.08.14 Reported by 佐藤円
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