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【J2:第19節 岐阜 vs 愛媛】レポート:岐阜にとって『可も無く、不可も無く』の試合。同居する明と暗を把握せよ!(10.07.25)

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7月24日(土) 2010 J2リーグ戦 第19節
岐阜 1 - 1 愛媛 (18:05/長良川球/2,763人)
得点者:71' 福田健二(愛媛)、87' 染矢一樹(岐阜)
スカパー!再放送 Ch181 7/25(日)後00:00〜
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岐阜にとっての再開戦は、ドローで決着した。

この結果をどう捉えるべきか。ポジティブに捉えるべきか、ネガティブに捉えるべきか。試合後、「この試合どういう風に感じましたか?」とMF嶋田正吾に感想を聞かれると、正直答えに迷った。しばし考えた後、「可も無く不可も無く」という無難な表現をしたが、一体どう捉えるべきか、正直今も考えがまとまらない。なので、ポジティブな面とネガティブな面を挙げて、そこから何が見えるのかを考えてみた。

ポジティブな面を挙げてみると、中盤でタメが出来たことと、運動量が落ちなかったこと。中盤での安定感は、ここ数試合ではないものがあった。中断期間中に加入したMF池上礼一を先発起用し、攻撃的なMF橋本卓とダブルボランチを組ませ、池上にアンカー的な役割を与えた。両サイドには押谷祐樹と染矢のアタッカータイプを配置。前線には西川優大と嶋田正吾を配置し、3人のシャドーに、一人のフリーマンという攻撃布陣で挑んできた。
前半はダブルボランチが縦関係を維持し、中盤に2つのタメ処を作って、ボールを集約。岐阜の守備がうまくはまっていたこともいい影響を与えた。相手のキーマンであるFW福田健二に対しては、DF吉本一謙がきっちりとマークし、自由を与えなかった。そしてボールを奪うと、すぐにダブルボランチに繋いで、そこからサイドへの展開で、攻撃のリズムを作った。
後半に入っても、安定した戦いは続いた。しかし、池上が足をつり、運動量が落ちると、中盤のバランスが崩れ、徐々に流れは愛媛の下へ。池上が退いた直後の71分にはPKを献上し、先制点を奪われた。しかし、それ以降は引き気味になった相手の守備に対し、再び運動量が増し、すぐにペースを奪い返すと、87分にはPKを奪い返し、同点に追いついた。

以上がポジティブな面だ。では、ネガティブな面を挙げてみると、相手のブロックディフェンスに対して、サイドばかり利用しすぎて、肝心のバイタルエリアをうまく生かせなかったことと、終盤にマークのずれが生じて再三のピンチを招いたことだ。
中断期間中に岐阜・倉田安治監督は、個人戦術のアップに注力した。この日の愛媛はダブルボランチがどちらかというとポジションをキープして、DFラインの前にフラットなブロックを形成してきた。そうなると、嶋田と橋本のポジションが余る分、もっと相手のボランチとDFラインの間のスペースを有効活用すれば、よりサイドが生きたはず。ダブルボランチから一旦サイドに預けたら、そのまま縦へ仕掛けることが多かったが、ここに斜めに入るダイアゴナルランや、クサビがもっと入れば、相手のCBも食いつくし、サイドバックも中へ絞る。そこからもう一度サイドや、嶋田や橋本が飛び出していくことも十分に可能であった。
ポジティブな面で述べたように、サイドに行き着くまでの過程は凄くよかった。それだけにあとひと工夫欲しかった。全体的にリズムは掴んで、ボールは動いているのに、フィニッシュに繋がらないし、決定機もシュート本数もすべて相手のほうが上回った。決定機に関して言えば、岐阜が3回、愛媛が7回と雲泥の差。しかし、その差がつくほど、この試合は愛媛優勢だったわけではなく、前述したように、全体的には岐阜優勢であった。
優勢でありながら、終盤に決定的なピンチを何度も迎えた。途中交代のFWジョジマールや、MF赤井秀一のように、長い距離を走る選手を捕まえきれず、併走していく間に守備陣形が崩れ、マークがずれてフリーマンを生み出してしまう。ゾーンで守っているからこそ、長い距離を走る選手に対してのマークの受け渡しが命であり、そこがずれてしまうのは、命取りとなりかねない。現に入らなかっただけで、MF石井謙伍のバー直撃のシュート、ジョジマールの2回の超決定機のどれか一つでも入っていたら、結果はまったく違っていた。

「よく同点で終わったという印象」と語る嶋田の言葉はうなずける。だからこそ、冒頭のように『可も無く不可も無く』という答えが導き出されたのだ。引き分けたことをポジティブに捉えるのと同時に、攻守において危機感を抱かなければならない試合。その双方が一つでも欠けていたら、次には繋がっていかないだろう。この試合をチーム、選手自らがしっかりと分析し、今後に向けて把握していかなければいけない。この試合は岐阜にとって、ひとつの警鐘であり、ひと筋の光の相反するものが同居しているのだから。

以上

2010.07.25 Reported by 安藤隆人
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