7月24日(土)J1 第14節 仙台 vs 新潟(19:00KICK OFF/ユアスタ)
スカパー!生中継 Ch181 後06:50〜
--試合速報--
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長い中断期間を挟んではいるものの、リーグ戦8試合勝ち無しの仙台と、4連勝を途中に含むリーグ戦7試合負け無しの新潟。仙台は前節、ダービーで完敗を喫しているだけに、勢いだけならば好対照と評してもよい対決である。
だが、オフィシャルHPのトップで「ユアスタ再開」と謳っているように、仙台のチームにとってはリーグ戦で5月9日以来(カップ戦を考慮しても6月5日以来)となる久々の「真のホーム凱旋」。変な試合は絶対にできない。
他のクラブの状況まで把握はできていないが、今週日本全国で猛威を振るっている酷暑の影響は仙台でも深刻で、22日の練習に至っては、当初の14時開始予定が直前で15時半に変更になり、さらに実際の練習開始は16時25分にずれ込むなど、熱さの問題を最大限回避しようという姿勢が見られた。まあそれでも、暑すぎることに変わりはないわけだが。
とはいえ、「アツイ」のは気候だけでなく、紅白戦で繰り広げられたポジション争いも熱いものとなっている。
まず前線。前節の山形戦ではビハインド下での途中投入となった新加入の長身FW朴成鎬が、おそらく試合開始からの出場となりそうだ。
「Jリーグの選手は、パスやテクニックの上手さを持っていると感じた。ただ、前節は負けている状態での投入だったから、まだ通常のリーグの姿は見ていないと思う」と語った朴成鎬。「スタメンで起用されたのならば、相手の守備を動かしたり、競り合いでの勝利によって、チームに貢献したい」と闘志を燃やしている。
ただ、あくまでこれは筆者が練習を見た上での感想なのだが、まだ朴成鎬は前線での動き方を完璧には体得していない(加入後まだ2週間も経っていないのだから、他のFWに比べれば致し方ない部分もあるが)。紅白戦でも、朴成鎬が入ったAチームは、中盤まではしっかりボールをつなげるものの、アタッキングサードに入った瞬間にボールの流れが止まり、決定機を作れず。逆にBチームの速い攻めを受ける形がいくつかあった。手倉森誠監督もこの辺りは「試合で成長してもらう」と割り切った様子で考えているが、果たしてユアスタのピッチでの覚醒はあるか。
また、前線の組み合わせや試合展開にも影響されるが、中盤の組み合わせも検討が行なわれている。紅白戦の前半では、ボランチを千葉直樹と田村直也で組ませた(ボールへの激しさを全面に出す上で、田村のボランチ起用は理にかなった選択肢の一つ)が、後半には千葉をアンカーとし、その前に富田晋伍と永井篤志を並べる、それこそ前節の山形のような4-3-3にもトライ。さらに手倉森監督は、2列目から相手のスペースを突くという点で今最も能力を出せていると評する高橋義希の起用も示唆するなど、中盤は激戦区の様相を呈している。
と、ここまで仙台の状況を中心に書いてきたが、新潟の現状も考慮してこの試合の見所を挙げるとすれば、共に攻撃手段の一つとして考えているサイドの攻防となるだろう。
仙台はサイドで起点を作り、さらに後方から両サイドバックが絡んで分厚い攻撃を仕掛けるというのが、最終的な理想の攻撃。だが前節に続き、関口訓充が今節も欠場を余儀なくされそうな今節、通常通りのサイド優位を保てるかは分からない。
そこに来て、新潟も攻めの基本線はサイドの速攻となると、仙台にとってはやっかいな話になる。集団でボールを奪い、右のマルシオ・リシャルデス、左のチョ・ヨンチョルという両サイドハーフのスピードを活かした攻めを打ってくる新潟に対し、陣形をしっかり整えておかないと、仙台の攻撃的サイドバックの能力を活かせないばかりか、サイドを蹂躙されかねない事態にも陥る。あくまで実験だと思われるが、紅白戦で左のサイドバックに、守備での貢献が計算できる一柳夢吾を入れてみたのも、その辺りの「足し引き」を考慮したと考えられる。
リーグ戦でのここ2戦での得点が、梁勇基の直接FK2発のみ、それより前にさかのぼっても、リーグ戦では流れからなかなか点が取れていない仙台。しかも今節、リーグ戦では2001年のJ2以来、それ以外を含めても2003年末の天皇杯以来の仙台での試合となる新潟は、リーグ戦で今季3失点以上を喫していないなど、守備で安定した成績を残しており、攻撃陣としては一筋縄ではいかない90分となるだろう。
だが、まだ完全なフィットとは言えないものの、朴成鎬が前線の新たな風となる可能性を秘めているのも間違いない。上手く先手をとり、ヤマザキナビスコカップ最終節の大宮戦(大宮0-4仙台)のような展開に持ち込みたいところだが、ホームの声援を受け、それは叶うだろうか。
以上
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