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【J1:第13節 山形 vs 仙台】山形側プレビュー:過去の積み重ねでここにたどり着き、ここから未来が始まる! チームとして、クラブとしての成長を「みちのくダービー」に注ぎ込め!(10.07.16)

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7月17日(土)J1 第13節 山形 vs 仙台(19:00KICK OFF/NDスタチケット販売はこちら
スカパー!生中継 Ch180 後05:50〜
--試合速報--
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ピッチで戦う選手とスタンドで戦うサポーターは、互いに影響を与え合うもの。ただ、このダービーでは、スタンドの熱がより強烈にピッチ内の空気を主導していこうとする。

過去にはそうした熱気に、ゲームプランやゲームそのものの質を度外視して気迫だけが火花を散らすような試合もあったが、山形加入後の07年、08年の2シーズンで全7試合すべての「みちのくダービー」に先発出場している石川竜也は、このある種異様な空気とのつきあい方をすでに心得ている。「僕たちはいつもの準備をして、いつも通りのゲームの入り方をすればいい。あとは周りが盛り上げてサポートしてくれる。自然と気持ちは高まるだろうし、特に僕らは気負わないでやること」。その言葉の裏には、12番目の選手への信頼感が刻まれている。そして今季加入した田代有三や増田誓志がダービー経験を持たないことについても、「彼らは鹿島でリーグ戦で優勝を懸けた試合や天皇杯の決勝戦も経験しているから大丈夫」と太鼓判を押す。

08年の3試合に出場している佐藤健太郎は、キックオフ以降のメンタル面のコントロールについてこう語る。「大事なことは、まずは気持ちで受け身にならないことと、90分でゲームを考えること。たとえ失点しても崩れちゃいけないし、先に点を取っても気を緩めちゃいけないと思うから、1試合をとおして常にパフォーマンスを出せるようにやること」。どの1試合も無駄にしてこなかったからこそ言える経験則だ。

いま、山形がJ1でプレーできている要因として、仙台という好敵手の存在は欠かせない。JFL、J2と、ときには感情をむき出しにしながら対峙し、勝ってはプライドを誇り、負けては屈辱を味わう繰り返しで、「みちのくダービー」はJ屈指のダービーに成長してきた。負けた悔しさを数値化して比べられるなら、Jでナンバーワンのダービーに認定されることは間違いない。01年には2位で迎えた最終節で勝ちきれず、同時刻キックオフの試合で勝利した仙台に「東北初のJ1昇格」の座を逆転で奪われた悔しさも、当時からの山形サポーターならきっと昨日のことのように思い出せるはずだ。ただし、今回は山形が先にJ1で待つ形となった。山形にとっての仙台がそうであったように、仙台にとっての山形もなんとも目障りな存在だっただろう。だからこそ、直接あいまみえるときには倒さずにはいられない相手であり、同時に、自分たちのポテンシャルを押し拡げてくれる存在でもあった。J1で初となるみちのくダービー「蔵王決戦」は、そうしたこれまでの歴史の積み重ねの上に、新たに加えられるもの。そして、いつまでも続けられるべきダービーだ。

山形はこの中断期間を、望まない結果とともに迎えた。リーグ戦第12節・新潟戦を1-3の逆転で落とし、リーグ戦の暫定順位を13位で終えたあと、ヤマザキナビスコカップに入り新システムの4-3-3を本格導入した。アプローチの厳しさを取り戻したことで神戸戦を1-0、浦和戦を2-0と勝ち、4-3-3の湘南には4-2-3-1で対抗してこれも3-0と勝利した。しかし、その手ごたえがもろくも崩れたのは予選リーグ最終戦の磐田戦。引き分け以上で決勝トーナメント進出という条件だったが、前線からのプレスとバックラインの対応が噛み合ずに前半で4失点を喫し、0-5で敗れた。システムの不慣れな部分を突かれた大敗だった。

小林伸二監督は、前線に中島裕希を配する仙台も同じようにロングボールを主体に攻めてくると予想し、裏を取られないような対策を施している。あるいは、フェルナンジーニョが中盤に下りて起点となるプレーについても、センターバックとアンカーでいかに受け渡すかを確認してきた。C大阪から中断期間中の完全移籍となった前田和哉も、トレーニングの合間合間で、同じセンターバックの石井秀典やアンカーの佐藤と何度も動きの確認をしている。ただし、そうしたものは実戦を重ねるなかで成熟していくもの。新システム採用でようやくチームにスターターとしての居場所を得た増田も、「[4-3-3]もまだ何試合かという感じなので、正直、うまくいかないことのほうが多いのかもしれない」と話す。それでも、「最後の最後で踏ん張ってこれた試合というのはあるので、そういう感覚がそこで出せるかというか。そういう状況になってくるのかなと思います」と粘り強い戦いのなかに勝機を見いだそうとしている。

大一番で気持ちを前面に出すことと、持っているスキルをしっかりと出しきることの両方を大切にする小林監督は、中断期間での過ごし方に手ごたえを感じながら、それをこのダービーに生かそうとしている。「キャンプでこういうことをしたとか、天童に帰ってこういうことを求めたらすごくゲームがよかったとか、そういうことを押し進めながら、仙台はこういうチームなのでここのスペースをどうやって突いていくかというような話にすると、再開からキャンプに行ったトレーニングだったりとかが当日のゲームにつながってくる。試合前にはそういうミーティングをしたいなと思いますし、その準備はしてきたつもりでいます」

ホームでの「みちのくダービー」では、スタンドの半分近くをベガルタゴールドに染められてきた過去がある。2004年に記録されたNDスタでのダービー最多観客動員20,062人も、そうした状況下で生まれたものだ。しかし今回は、クラブ側が山形県内各メディアでチケット先行販売を仕掛けるなど攻めの姿勢が奏功し、スタンドも圧倒的な数的優位で迎えることになる。J1を舞台に戦う経験は、チームだけでなく、フロントをもたくましく成長させた。NDスタのお膝元では先日、天童市で5つ目となる、地域住民が参加する「モンテディオ応援隊」が結成された。応援の意思表示となる「リボンマグネット」を貼った自家用車も、昨年から今年にかけて増えている。「前へ!」と目指したすべての人のすべての一歩が、7月17日の19時に照準を合わせて動きだし、得体の知れない大きなエネルギーに昇華しようとしている。

キャプテン宮沢克行は、「いいきっかけにしたいし、結果を見て次の週、次の試合につなげていければいい。勝つことを目指すけれど、リーグ戦としては出た結果をもとにまた次のステップにしていかなきゃいけないという思いはあります」と、長く続く戦いのポイントのひとつであるとの認識も忘れない。その積み重ねでしか、強くなる道はないのだから。

以上


2010.07.16 Reported by 佐藤円
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