7月5日(月) 2010Jリーグプレシーズンマッチ
草津 3 - 1 浦和 (19:04/正田スタ/5,959人)
得点者:16' 高田保則(草津)、23' 後藤涼(草津)、25' ポンテ(浦和)、65' ラフィーニャ(草津)
----------
後半40分過ぎ草津のバックスタンドから、勝利を確信したときのみに歌われる「勝利の草津節」が聞こえてきた。草津の選手はそれに鼓舞されるかのように集中力を高め、浦和の攻撃を凌いでいく。4分間のロスタイムを終えて試合終了の笛が吹かれると、草津側スタンドからは大歓声が上がり、浦和側スタンドからはため息が漏れた。3−1。J2最下位の草津が、浦和から大金星を挙げた。オーストリア帰りの浦和の状態が悪かったこともあり、ゲームは草津の完勝で幕を閉じた。
ピッチを叩く雨音を浦和サポーターの重低音が打ち消した。浦和は前線にエジミウソン、1ボランチに細貝萌を配置する4−1−4−1のシステム。現時点でのベストメンバーで試合に挑んだが、サポーターも公式戦さながらの雰囲気を作り出した。浦和側の応援に感化されるかのように草津側もヒートアップ。降りしきる雨の中、絶え間なくコールを送った両サポーターの魂がプレシーズンマッチをさらに盛り上げる。
序盤は浦和のリズムで試合が進んだ。バイタルでの流動的なプレーで草津をゆさぶり、原口元気、柏木陽介らが好機を演出していく。プレー精度、ミスを見逃さないしたたかさは、やはりJ1だった。だが草津も負けていなかった。松下裕樹、櫻田和樹、熊林親吾らで形成する中盤が慌てることなくパスをつなぎ、ペースを取り戻していく。そして16分、草津に先制点が生まれる。
熊林の左CKを、高田保則がヘッドで豪快に叩きつけてゴールネットを揺らす。草津が1点を先制したことで、浦和がギアを上げるかに思われた。だが追加点も草津だった。23分、熊林がライン裏へ抜け出した後藤涼へ絶妙なパスを配給する。「裏のスペースがあるのが見えたがDFが視界に入ったので咄嗟に浮き球に切り替えた」(熊林)。左後方からの浮き球を胸トラップした後藤は間髪入れずに左足を振り抜き、「今季初ゴール」。2人のイメージが合致した完璧な得点だった。
2点のリードを許した浦和は25分にポンテがFKを直接叩き込んで1点差とすると、サヌ、宇賀神友弥の両サイドバックが攻撃参加を繰り返して草津を追い込んでいく。しかし決定機を活かせずに試合は2−1のまま後半へと向かう。
後半はボールをしっかりとつなぐ浦和と、守備ブロックからショートカウンターを繰り出す草津という構図だった。草津は、連動した守備網で浦和を囲い込むと1トップ・ラフィーニャのポストワークを最大限活かして鋭い攻撃を演出する。そして65分、途中交代でピッチに入った菊池大介がドリブルで切り込み、ラフィーニャへラストパス。坪井慶介のファウルを誘いPKを獲得。それをラフィーニャがこん身の力で蹴り込み3−1。終盤は、浦和の猛攻を粘りの守備で守り抜き、サポーターへ大きな勝利をプレゼントすることに成功した。GK伊藤拓真は「レッズが足元のパスが多いのはわかっていたので、それをしっかりと潰すことを徹底させた。ペナルティエリア内でも守備陣が体を寄せたし、危ないシーンは少なかったと思う」と会心のゲームを振り返った。
オーストリア遠征直後のプレシーズンマッチではあったが、浦和にとっては痛恨の敗戦となってしまった。「時差もあったし疲れも溜まっていた」とフォルカー・フィンケ監督が話すように疲労による影響があったのは確かだろう。ただ、それを理由にしたくない雰囲気が選手にはあった。「今日の試合に関しては本当に情けなかったと思う。キャプテンマークをつけてプレーしたので浦和が負けてしまって責任を感じている。再開までの2週間でさらに上の順位に行くための準備をする」(細貝)。浦和は今後、韓国でのプレシーズンマッチ(7月11日 vs水原三星)を経てJリーグ再開を迎えることになる。
草津は、プレシーズンマッチではあったが浦和と対戦できたことでJ1の素晴らしさを教えてもらった。また金星を挙げたことでチームに大きな自信が芽生えた。しかし、リーグ戦に目を向ければ最下位という順位に変わりはない。いかにリーグ戦へつなげていくかが今後の課題となる。「レッズに勝つことができたからといって次の福岡戦(7月17日@正田スタ)で勝てるわけじゃない。中断期間中に取り組んできたことをもう一度整理して後半戦へ備えたい」(松下)。
草津は、この試合でJ2最下位に低迷するチームではないことを知らしめた。後半戦はそれを結果で証明しなければならない。草津はプレシーズンマッチ浦和戦の勝利をクラブのチカラに変えてJ2後半戦へと進む。
以上
■草津の再開初戦はこちら
7月17日(土)J2 第18節 草津 vs 福岡(19:00KICK OFF/正田スタ)
■浦和の再開初戦はこちら
7月18日(日)J1 第13節 G大阪 vs 浦和(18:00KICK OFF/万博)
2010.07.06 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
一覧へ【2010Jリーグプレシーズンマッチ 草津 vs 浦和】レポート:ジャイアント・キリング! 草津が浦和相手に3ゴールを叩き込み大金星! 浦和は疲労の影響で力を発揮できずに痛恨の敗戦(10.07.06)
- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- 2024J2昇格プレーオフ
- J3・JFL入れ替え戦
- bluelock2024
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off