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【J2:第17節 柏 vs 北九州】レポート:“日立台男”工藤壮人、咆哮の2ゴールで柏が6連勝を飾る。北九州は自分たちの戦い方を貫くも惜敗。(10.06.14)

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6月13日(日) 2010 J2リーグ戦 第17節
柏 2 - 0 北九州 (16:04//7,381人)
得点者:47' 工藤壮人(柏)、85' 工藤壮人(柏)
スカパー!再放送 Ch183 6/14(月)深02:30〜
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前半30分になろうとした頃だっただろうか。ベンチから出たネルシーニョ監督と公文栄次通訳が、指を2本立てて攻撃陣に指示を送った。澤昌克がベンチに聞き返し、わずかなやり取りが交わされた後、柏の布陣が変わった。工藤壮人と澤が2トップを組み、トップ下にレアンドロ・ドミンゲス、そして左サイドハーフに田中順也。右サイドにぽっかりとスペースが空いた変則的な4−4−2だった。

それまでの試合運びは柏にとって悪くはなかった。むしろ立ち上がりは澤、レアンドロ・ドミンゲスが北九州のゴールへと迫り、15分までに何度か決定的なチャンスを作り出していた。ただし、北九州がこの序盤の柏の猛攻を耐え抜いたことで試合全体のペースが落ち着いていく。そのゲームの落ち着きは柏の攻撃が停滞したというよりも、北九州が圧力に屈することなく、全体のラインを下げずにコンパクトな陣形を保ったことに理由がある。懸念された司令塔・佐野裕哉の出場停止も、大島康明がボランチに入り佐野の代役を務め、柏のダブルボランチ、栗澤僚一、大谷秀和が縦に放つくさびのパスをケアし続けた。
「攻撃のときのポゼッションを高めるということで変更しました」(ネルシーニョ監督)。前半途中にポジショニングに手を施して修正。ハーフタイムを挟み、左サイドを中心に高い位置でボールが回るようになった柏は、後半開始早々の47分、鮮やかなキックフェイントでDFを揺さぶった田中が右足でクロスボールを送り、北九州のセンターバック2人のギャップを突いた工藤がヘッドで合わせて先制点を決めた。
柏の攻撃が活性化されたのは一目瞭然だったが、それでも北九州は自分たちの目指す戦い方を貫く。ボールを奪った後は、アバウトなボールを前線に蹴り込まずにボランチ経由のパスをつなぐカウンターで反撃。GK水原大樹がボールをキャッチし、最後尾で攻守が切り替わった時でさえ、意図のない大きなキックで距離を稼ぐのではなく、正確なフィードをカウンターへとつなげた。しかし、1トップを担う宮川大輔に何度かボールが入る場面はあったが、柏はパク・ドンヒョク、近藤直也が対人の強さを発揮し、大谷もフォローバックの動きで対応。64分、GK水原のフィードから長谷川太郎の放った素晴らしい弾道の左足ミドルシュートは、柏GK菅野孝憲のファインセーブに阻まれた。

「このレベルになると1つ、2つのミスがあると持っていかれてしまう」(北九州・与那城ジョージ監督)。柏も決定機を決め切れず、1−0の緊迫した状況が続く中、最後に勝敗を決定付けたのはひとつのミスだった。北九州の自陣でのパスを、鋭い出足でインターセプトした大谷が、その勢いのままドリブルで突破し、DFを引きつけた後は工藤へスルーパス。工藤は落ち着いてGKを見極め、股の下を射抜いて2点目を決めた。“日立台男”工藤の本領発揮だった。
前節の甲府戦に続く、上位相手の勝点獲得はならなかった北九州。試合全体を振り返れば、柏に終始ペースを握られた90分間だったとはいえ、それでも自分たちの戦い方を貫き、首位と18位の対戦とは思えぬ好ゲームを演じた。長谷川が試合後に語った「ジョージさんのサッカーを続けていれば将来性はあると思う」というコメントは、おそらく北九州の全選手の言葉を代弁したものであろう。明確なコンセプトを持つからこそ、長谷川は「キッカケがほしい」と付け加えたが、逆に言えばその「キッカケ」さえ掴めば、中断明けの巻き返しには期待が持てる。少なくとも柏戦は、そんな北九州の可能性を感じさせるゲームだった。

そして4年ぶりの6連勝を飾り、結局中断期間まで無敗を継続した柏。結果という点では「充実した前半戦」(ネルシーニョ監督)だったが、課題は山積みである。「後半戦はもっと難易度も高くなると思います。全体的なクオリティ、プレーの質、精神的にも、全てを含めて前半よりも良いチームにしていきたい」と今後を見据えるネルシーニョ監督。中断明けには復帰見込みのフランサ、大津祐樹、アルセウを加え、さらにクオリティを上げる柏が次に狙うは、2009年の鹿島、J2では2000年の札幌、2001年の大宮、2004年(2005年第9節まで含む)の福岡が達成した、17戦無敗のJリーグ記録である。

以上

2010.06.14 Reported by 鈴木潤
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