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【J2:第17節 札幌 vs 愛媛】レポート:道南・函館での試合は2−2のドロー。双方が勝点3を目指し、タフに戦った好ゲームが演じられた。(10.06.14)

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6月13日(日) 2010 J2リーグ戦 第17節
札幌 2 - 2 愛媛 (13:03/函館/6,967人)
得点者:20' 赤井秀一(愛媛)、44' 西嶋弘之(札幌)、46' 石井謙伍(愛媛)、73' 内村圭宏(札幌)
スカパー!再放送 Ch186 6/15(火)前07:30〜
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立ち上がりに主導権を得たのはホームの札幌。高い位置から積極的にプレスを仕掛け、奪ったボールを素早く動かす。「前節の千葉戦と同じようにプレスをかけられて、ボールの奪われかたが悪かった」と愛媛の青野慎也コーチが振り返るように、札幌の勢いが愛媛を上回っていた。特に、キリノ、近藤祐介の2トップがサイドへのパスコースを消し、守備的MFのところに出させたパスをトップ下の内村圭宏がカットした5分ころのプレーなどは、非常に組織的なプレッシングが機能していた。

しかし、そうしたグループとしてのサッカーができていながらも、なかなか上位に浮上できていないのが現在の札幌。その要因としては、いいリズムで攻守を展開している時間帯に、ふいにエアポケットを生み出してしまうことがひとつ、挙げられるだろう。

先に言ってしまうと、札幌は主導権を握りながらも先制点を奪われてしまうのだが、その形は相手のCB金守智哉が蹴ったロングボールを福田健二に落とされ、それを赤井秀一に冷静に蹴りこまれてのもの。44分に西嶋弘之が決めて同点とするのだが、後半開始直後の46分。今度は相手GKのフィードが前線の石井謙伍へと直接つながり、そのままシュートを叩き込まれてしまった。

相手がしっかりと狙いを持ってつないできた場面ではグループとしてのプレスがある程度、機能をしているのだが、相手が何気なく放り込んできた際につい、隙が生まれてしまう。そんなイージーなミスが、今シーズンの札幌がなかなか勝ちきれない理由のひとつであると言っていい。結局この試合も、ホームゲームながら常に相手に先手を取られ、2−2のスコアで引き分けてしまった。

この課題について札幌の石崎信弘監督は「基本的なところからやっていかなければいけない」と話す。もちろん、現場を率いる立場としては何かしらの具体策を案じていることを示さなければいけないのだろう。だが、現実的に考えて、この手のディフェンス面の課題を解決するための具体的な方法というのは、存在しないと言ってもいい。先月行なわれた欧州チャンピオンズリーグの決勝、インテル・ミラノ(イタリア)対バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の試合でも、一本のロングボールが相手守備の対応ミスを誘い、得点につながる場面があった。欧州のトップレベルでさえそういったイージーなミスがあるのだから、その部分を改善するのは容易な作業ではない。

ならば、解決策はどこに見出すのか。それはやはり、リズム良く攻めている時間帯に着実に得点を挙げることだろう。実際に、この試合でも立ち上がりからしばらくは札幌のペースで、惜しいチャンスもいくつかあった。そこでしっかりと得点をしていれば、ゲームのシチュエーションは変わり、もっと安定したプレーができていたはず。リードがあれば、あとは守備ブロックを敷きながらカウンターのチャンスをうかがいながら時計の針を進めればいい。あまりにも当たり前の話ではあるが、得たチャンスをしっかりとモノにすることが勝利へのポイントであり、得たチャンスをフイにし続けたチームに罰が下るというのがサッカーの不文律だ。

とはいえ、それにしてもタフな好ゲームだった。テクニカルな崩しがあったわけでもなければ、突出した個の力があったわけでもない。しかし、双方が勝点3を得るべくハードにボールへと身を投げ出し、ダイナミックに相手ゴールへと迫る。3部への降格や、カップ戦出場権争いなどがなく、争っているものは唯一、J1昇格のみというシビアな形式のJ2らしい、ハードなゲームだった。試合をしながら選手のメンタリティが鍛えられる、そんな試合だったように感じる。

そうしたなかで札幌のMF芳賀博信のハードワークは見事だった。前半は3−5−2システムの右MFとして上下運動を繰り返し、後半は守備的MFとしてセカンドボールに喰らいつく。ピッチ上の選手、それも途中出場の選手でさえ体力を消耗していた試合終了間際にも、2度ほど前線の選手を追い越すような飛び出しを見せており、その運動量は抜群だった。それも単に動く量が多いのではなく、スプリントの回数も多かったため、ハードワークの質自体も非常に高かったと言っていい。「勝ちたかったから、走った」と芳賀。中断期間明けからは気温も湿度も高いコンディションでの試合が増えていく。そうしたなかでチームを支えるのは、こうしたハードワーカーの強靭なメンタリティだろう。そしてこれも、トレーニングで身に付けられるような部分ではない。戦える選手がどれだけいるのか。それが、真夏に行なわれる中断明けのカギを握る部分になりそうだ。

以上

2010.06.14 Reported by 斉藤宏則
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