6月12日(土)J2 第17節 東京V vs 富山(13:00KICK OFF/駒沢)
スカパー!生中継 Ch186 後00:50〜
--試合速報--
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ここ5試合、2連勝のあと千葉に敗れ、前々節、前節とも引き分けが続いている東京V。この流れを、みなさんはどう見るだろうか。
「周りからは『負けていない』と言われているけど、次の結果次第で印象は全く変わる。勝てば、『負けてない』。でも、負けたとしたら『勝ててない』に変わっちゃう。だから、この2分けをポジティブなものするためにも、次の試合は絶対に勝たないといけない。引き分けでも、負けでもダメ」。
佐伯直哉の言葉は、実に的を射ているのではないだろうか。周りに「負けていないチーム」と思わせるのか、「勝ちきれないチーム」と思わせるのか、印象付けは非常に重要だろう。
また、今節の後に迎えるW杯による中断期を気持ちよく過ごすためにも、必ず勝ちたいところだ。
前々節、前節とも、先制を許しながらも「追いつけるようになったことは進歩」だと、土肥洋一もチームの成長を感じているという。その後、逆転できる力をつけていけるか。前節の試合後の会見で川勝良一監督が話した通り、「さらに点を取るにはフィニッシュの部分でアイデアが必要」というのが、この試合最大のテーマとなるだろう。
指揮官が挙げているのは「全員がシュートの意識は強く持っている。あとは、フィニッシュのところでの個人技。チャンスメイクの数をいかに多く作り、幅を広げられるか。決定機にいろんな選手が絡んでいけるか」という部分である。
そこで、特に大きな可能性を感じさせてくれたのが、前節でもみせた河野広貴の得点だったのではないだろうか。絶妙な裏への抜け出しからのゴールは、これまでの河野にはあまり見られなかった形だった。
「川勝さんに教えてもらって覚えた、去年までの僕にはなかった発想。オフサイドにならないぎりぎりのタイミングで抜ける面白さを知った。今は点がとりたくてたまらない」。天性のドリブルに加え、背後に抜ける技も身につけ始めた河野。「めっちゃくちゃやりやすい」と全幅の信頼を置く平本一樹とのコンビとあわせて、必見だ。
また、「攻撃陣の中でも、また違うスタイルを持っている。ボックスに入ってからも仕掛けてゴールを狙える」(川勝監督)、「前節も、後半45分間の出場だったとはいえ、すごく動いていた。あれをコンスタントに続けていれば、必ず点がくる。良い選手」(土屋征夫)など、ここにきて評価を上げているのが、阿部拓馬である。「シュートの意識を上げることと、運動量を増やすようにと言われている。試合に出た時には、積極的にどんどんシュートを打ってゴールを狙いたい」初ゴールへ向け、意欲を高めている。
こうした若手の突き上げこそ、チームの成長には欠かせない重要な要素だ。大いに期待したい。
東京Vは、開幕から初勝利まで6試合を要したことで『1勝を得る大変さ』を痛感したが、今節の対戦相手・富山も、9試合で先制しながらも5試合逆転負けと、こちらも1勝の難しさに苦しんでいるようだ。
前節も、先に2点を取り2−1で勝利したものの、攻め込まれる時間帯は短くなかった。それでも、凌ぎ切れたことは選手たちの自信にもつながっているに違いない。
ただ、逆にいえば、9試合もの試合で先制できるだけの勢いと得点力はあるということだろう。
東京V・土屋が富山のキーだと指摘するのは、黒部光昭と苔口卓也の両FWである。中でも、黒部は「足元に入れるのが上手いし、ヘディングが強い。決して大きくはないけど、ジャンプ力もある。プラス、ベテランらしくこれまでの経験で学んだことがプレーに出ている」と、高く評価する。苔口とあわせ、「富山は2人に懸けているはず。そこは、カンペイ(富澤清太郎)と2人でしっかりと止めたい」と、警戒を強める。そのあたりの攻防も、みどころの1つと言えそうだ。
今季、富山はアウェイ戦未勝利である。今度こそアウェイで初勝利を挙げ、チームの年間目標『8位以内』達成へ向けて、中断明けからの良い流れへとつなげたい。
今季東京Vのキャプテンを務めていることで、今まで以上にサポーターの力を感じているという富澤には、理想があるという。「女の子がディズニーランドに行くみたいに、サポーターもフロント・スタッフもメディアも、選手自身も、みんなが朝起きてから『どんな試合が見られるんだろう』ってワクワクしながらスタジアムに足を運んで、実際に楽しんで、その試合の話をしながら帰るような、濃い1日を過ごしてもらいたい」。
完璧に実現するのは非常に難しいし、かなりの時間がかかることだろうが、見ている人が楽しめる試合をすることは、十分可能である。
中断前の最後の試合とあって、富山のサポーターもこの試合を非常に楽しみにしているに違いない。敵味方関係なく、訪れた人の多くが「面白かった」と思えるような好ゲームを期待している。
以上
2010.06.11 Reported by 上岡真里江
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