6月5日(土) 2010 J2リーグ戦 第16節
富山 2 - 1 鳥栖 (16:04/富山/3,139人)
得点者:23' 黒部光昭(富山)、45' 朝日大輔(富山)、74' 木谷公亮(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch182 6/7(月)前04:00〜
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後半のロスタイムが4分と掲示されると、観客がどよめいた。富山はすでに今季5度の逆転負けを経験し、ピッチ上ではいつ追い付かれてもおかしくないような苦しい状況が続いていた。勝つことの難しさを選手と共有しているファン、サポーターにとって長い時間だった。ハラハラドキドキさせた末に前半の2得点を生かして逃げ切った。4試合ぶりの勝利で、クラブワーストの4連敗を再び阻止した。
序盤は鳥栖が優位に進めた。両サイドを広く使いながら、左のMF早坂良太、DF金民友の連係などで立て続けに好機を作った。5分に金のクロスに早坂が飛び込むがわずかに合わず、14分にはMF下地奨がミドルシュートを放ってゴールを脅かした。
しかし、先制点を挙げたのは富山。23分にFW黒部光昭が右サイドから約30mのロングシュートを鮮やかに決めた。45分にはFW苔口卓也のボールを浮かせたスルーパスにMF朝日大輔が抜け出して2点目を流し込んだ。
鳥栖の松本育夫監督は「注意していた立ち上がりをスムーズに運べたことで心に隙が生まれた」と悔やむ。35分過ぎにもFW萬代宏樹がカウンターとミドルシュートでゴールに迫ったが富山のGK中川雄二に阻まれた。
富山はリードした後の試合運びが課題だった。楚輪博監督は守りを固めてカウンターで追加点を狙うセオリー通りの戦術を選択。だが、後半16分にMF川崎健太郎が一発退場となり、戦況は一気に風雲急を告げた。
鳥栖は同14分にMF黒木晃平が入って中盤が活性化。富山をゴール前に押し込み、両サイドからのクロスで得点を狙った。同27分にはFW豊田陽平が入って3トップに。同29分にFKからDF木谷公亮がヘディングで決めて1点差に迫る。その後も同点を目指して猛攻を続けた。対する富山は中央のDFを1枚増やし、相手3トップをマーク。右サイドバックの西野誠は「サイドチェンジされても、クロスの精度の高い(対面の)金選手からは上げさせない」と厳しく対応した。
鳥栖のMF衛藤裕は「先制されても逆転する自信はあった。そのためには前半を1失点に抑えなければならなかった」と振り返った。その言葉もうなずけるほど終盤の攻撃には迫力があり、勝負は紙一重の差だった。
富山の中川は「これまでは内容は良くても結果がついてこなかったが、今回は結果が出たけれど内容は良くなかった。ラッキーもあったと思う。気を緩めてはいけないが、それでも気持ちは少し軽くなった」と話す。チームは「逆転負け」という呪縛から逃れ、次節は「アウェイ今季初勝利」という宿題に挑む。結果と内容をそろえ、連勝でリーグ戦中断期間を迎えたいところだ。
以上
2010.06.06 Reported by 赤壁逸朗
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