6月5日(土) 2010 J2リーグ戦 第16節
草津 1 - 1 札幌 (13:04/正田スタ/9,382人)
得点者:21' 近藤祐介(札幌)、56' 高田保則(草津)
スカパー!再放送 Ch182 6/8(火)後05:00〜
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スタンドへ入るサポーターの列は試合が始まってもまだ動いていた。キックオフ直前には、メイン・バックの両スタンドがすでに満席となり、ゴール裏ホーム・アウェイ芝生席も開放された。入場者がスタンドに収まりきったのは15分過ぎのことだった。
だが21分、満員のスタジアムが一瞬にして静まり返った。右SB西嶋弘之がGKとDFラインの間に入れたボールを、近藤祐介がうまく合わせてクラブ通算800点目となるメモリアルゴール。「草津GO!9325プロジェクト」と題して集客作戦が展開されたゲームは、札幌の先制点によっていきなりピンチを迎えてしまう。
しかし草津は慌てなかった。熊林親吾、廣山望らがしっかりとパスをつないで草津らしいサッカーを遂行。札幌のブロックを崩すまでには至らなかったが、ボールを動かすことで札幌に圧力をかけていった。「自分たちのリズムでボールを動かすことができていた」(松下裕樹)。ピッチには、これまでの草津とは違う雰囲気が漂っていた。
草津は後半、ケガ明けの熊林に代えて前田雅文を投入し中盤に変化をつける。札幌守備陣を縦横に動かしながら、選手たちは徹底して長短のパスをつないでチャンスをうかがう。草津からは、このスタイルで戦うという強い信念が感じ取れた。「選手たちが主体性を持ってプレーをしてくれていた」(副島監督)。そして56分、待望の同点ゴールが生まれた。
廣山望が右サイドから入れたクロスを前田がファーサイドへ流す。そこに待っていたのは高田保則。「何も考えずにただ思い切り蹴ろうと思った」という左足ボレーが豪快にゴールネットを突き上げる。エースの今季初ゴールによってスタンドは最高潮に達する。高田はこの日4本のシュートを放ったが、彼がゴールに絡んだ時はチームのリズムが良い証。草津はパスをつなぐことで自分たちのスタイルを取り戻していった。
草津の変化の胎動は、廣山と松下の両ボランチのプレーからも見られた。これまではプレッシャーを避けるケースもあったが、リスクを恐れず果敢なターンで前向きなプレーを実行した。「前を向くのが自分の役割。DFもターンさせるという意思の入ったパスを出してくれた」(廣山)。パスを札幌にカットされてピンチを招く場面もあったが、リスクチャレンジによって草津の長所が発揮された。
80分過ぎ、スタジアムの電光掲示板に「9382人」という入場者数が発表されるとスタジアム全体から拍手がわき起こった。9325プロジェクトの目標人数をクリアする最多記録達成の喜びを全員が共有した。「掲示板に数字が出たときには感動した」(GK常澤聡)。草津のサポーターは勝利を信じて最後まで声援を贈ったが、松下のミドルが無情にもバーにはじかれ、前田のシュートが札幌GK高原寿康に阻まれると無念のホイッスル。死力を尽くして戦ったゲームは1対1のドローで終わった。
先制しながらも追いつかれた札幌は、連勝を逃したが5月からの無敗は7試合へと更新した。草津の決定的なシュートを再三に渡る好判断で止めた高原、巧みな伸縮を繰り返す藤山竜仁、石川直樹の両CBの安定感が無敗を続ける要因だろう。4勝7分4敗となった札幌は、中断前ラストゲーム愛媛戦で白星先行を狙う。
草津は4度目のプロジェクトにして9325人超えを達成した。これまで越えられなかった壁を突き破ったことは大きな意味を持つ。さらに「内容的にも非常に価値のあるゲームだった」と指揮官が話すように勝点3こそはつかめなかったもののチームは手応えを得た。「勝てなかったが、選手やサポーターが一体となって一つの仕事をやり遂げた達成感があった。でもチームはまだ最下位なので、これをきっかけにしていかなければならない」(高田)。プロジェクトは大成功で幕を閉じた。勝利には届かなかったが、満員のスタジアムは草津に大きな力を与えてくれた。
以上
2010.06.06 Reported by 伊藤寿学
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