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【J2:第15節 熊本 vs 大分】熊本側レポート:熊本は狙いとした形からチャンスを作るも得点は奪えず、初対戦はスコアレスドローで勝点1を分け合う結果に。(10.05.30)

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5月29日(土) 2010 J2リーグ戦 第15節
熊本 0 - 0 大分 (15:34/水前寺/6,067人)
スカパー!再放送 Ch185 5/30(日)後10:00〜
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試合後に配布された公式記録によると、シュート数は熊本が9で大分が11。この数字を見て「意外に少なかったな」と感じたのは、熊本がそれだけ主導権を持ってゲームを進めることができていたからだろう。結果的にはスコアレスドローとなり手にした勝点は1に留まったが、連敗しなかったことに加え、仕上げのクオリティは別として、狙いとしていた攻撃の形を表現できたことは収穫と言っていい。何より、前節の戦いぶりが嘘のような球際の激しさから、この試合にかける選手たちの思いは伝わってきた。

 愛媛戦の前後から意図してきた攻撃は、ボールをつなぎながら相手の守備陣を動かして、薄くなったスペースを狙うというもの。さらにここ5試合で複数失点が続いていた大分に対して、積極的にDFラインの裏を狙い、そこが使えなければ3人目、4人目が最初の動きによって生じたスペースを突くというものだった。そうした意図も含め、左右のMFには西森正明と山内祐一が先発で入り、2トップも松橋章太と宇留野純という組み合せに。この前線の4人が頻繁に視線を合わせて出入りを繰り返し、左右の深い位置まで流れる大きな斜めの動きで大分DF陣を引っ張る。そこからのラストパス、クロスの精度が低く得点には結びつかなかったものの、立ち上りから、逆サイドにできたスペースにサイドバックが入り込む形を作っていた。
 最大のチャンスは44分のPKの場面。松橋のキックは大分GK下川誠吾に阻まれて先制はできなかったが、このPKにつながった市村篤司から山内という流れ、さらには26分に市村がペナルティエリアまで侵入した場面(ここでは市村のシミュレーションと判断され反スポーツ的行為で警告となったが)、その前にも「最初にアクションを起こす役になろうと思っていた」という山内が走ってできたスペースに宇留野が入って受けた16分の場面など、前線での仕掛けに対して、ボールホルダーのパスの判断が一致する場面は多く見られ、「練習したことに加え、選手たちの状況判断やアイデアも含めて、前線の動きは非常に良かった」と高木琢也監督も振り返っている。

 だが失点が続いていた大分は、前半の途中から自陣でブロックを作ってこれに対応。菊地直哉がCBに戻った最終ラインも、前節までのようにバランスを崩す場面はなく、攻撃では初先発で起用した住田貴彦のスピードを生かした形を徹底する。前半はほとんどチャンスを作れなかった大分だが、60分に住田を下げて高松大樹をピッチに送ると高い位置で起点ができ、やはり初先発となった右SBの松原健らも積極的に攻撃に絡むようになった。しかし熊本も、70分に投入した西弘則のドリブルの仕掛けなどから再び流れを引き戻した。それでも直後のFKからのこぼれ球、そして85分など、山内がゴール前から狙ったいずれの場面も決まらず、結局0−0で終了となった。
「そこ(ペナルティエリアでの決定力とアイデア)までフォーカスしたトレーニングはしてないですけど、攻撃の回数を増やすことが重要だった」と高木監督が試合後に話しているが、9本とシュート数は決して多くない中、相手の引いた守備に対してもチャンスを多く作れたこと、そして前線の動きも一度のチャレンジで単発に終わらずに何度も動き直してボールを引き出す意識が見えたのは今後に向けての明るい材料だ。フィニッシュ精度の向上も依然課題だが、「もっと縦関係を作れるとより効果的な形ができる」と吉井孝輔が言うように、そうした部分を積み重ねて連動性を増し、シンプルな攻撃と織り交ぜることでバリエーションを増やせる。次節は試合がなく、17節の徳島戦もホームで2週間のブランクがあるが、どこまで高められるか期待したい。

 最後になるが、美しいコレオグラフィでゴール裏を彩り、見事に統率された手拍子や声量の大きなコールなど、迫力に満ちたサポート(それはまさしくJ1で戦ってきた実績と誇りを感じさせた)を見せてくれた大分サポーターの皆さんに感謝したい。その相乗効果で熊本サポーターの声援もいつも以上に大きくなり、発表された観客数は6,067人と会場の雰囲気からするとかなり少なかったものの、スタジアムの雰囲気はダービーにふさわしい素晴らしいものとなった。熊本と大分の戦いの歴史は始まったばかりだが、この試合を最初の1ページとして積み重ね、近い将来、お互いに上のステージで戦う日が来ることを願う。

以上

2010.05.30 Reported by 井芹貴志
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