本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第15節 水戸 vs 千葉】レポート:選手のハートに火を付けた、木山監督の積極采配。左サイド保崎の躍動もあり、千葉に攻め勝つ!(10.05.30)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
5月29日(土) 2010 J2リーグ戦 第15節
水戸 1 - 0 千葉 (13:04/Ksスタ/5,906人)
得点者:65' 片山真人(水戸)
スカパー!再放送 Ch185 5/30(日)後07:30〜
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
7分、吉原宏太がボールを受けた瞬間、左サイドを怒涛の勢いで駆け上がってきたのが保崎淳。吉原からボールを受けるや豪快にミドルシュートを放った。シュートはGKに防がれたものの、その鋭い弾道がこの日の水戸を象徴していた。とにかく前へ――強豪千葉相手に一歩も退かずに戦おうという意志が保崎のシュートに表れていた。

「ある朝、ふと、ひらめいた」(木山隆之監督)という保崎の左サイドバック起用がこの試合の勝利を呼び込んだと言っていい。千葉の最大のストロングポイントは右FWに位置するアレックスの個人技。彼に自由を与えると、劣勢を強いられてしまうだけに、どう封じるかが勝負のカギを握っていた。そこで木山監督は守備ではなく、攻めることで相手を押し込もうという積極策に打って出た。千葉は相手のサイドバックにはサイドFWがマンマークの形でついていくことが多いため、サイドバックが果敢に攻撃参加すれば、おのずとアレックスをゴールから遠ざけることができる。木山監督の攻撃的な発想がチームに勢いをつけることとなった。

そして、7分に放った保崎のシュートがこの日の勝負を決めた。「いい形でシュートを打ったので、相手が警戒して下がり出した。最高の形になった」と振り返るように、その後、左サイドは保崎の独壇場。鋭いオーバーラップを繰り返し、アレックスを押し下げることに成功。サイドで主導権を握った水戸が猛攻を仕掛け、千葉ゴールを襲う展開が続いた。そして65分、左サイドをドリブルで駆け上がった保崎が倒されてFKを獲得。大橋正博が蹴ったボールを片山真人が頭で押し込んで決勝点を挙げた。

「選手たちは本当に素晴らしいプレーをしてくれた」と木山監督が語ったように、保崎だけでなく、チーム全員がやるべきことを120%の力でやったからこそ得た勝利と言えよう。前線から激しくプレスをかけ、千葉に自由を与えず。最終ラインもリスクを背負いながらも常に高い位置を保って全体をコンパクトにしてみせた。「理想に近い感じだったし、やろうとしているサッカーのベストに近い」と大和田真史は興奮気味に語ったが、水戸の目指すべきサッカーの完成形を垣間見ることができた勝利であり、千葉を相手に攻め勝ったことに大きな意義がある。「どんな相手でも遠慮しない」と遠藤敬佑が語ったように、相手がどこだろうと臆することなく、水戸の目指すアグレッシブなプレッシングサッカーをすれば通用するということが分かったことが最大の収穫なのではないだろうか。

そして、この勝利を生んだのは保崎を起用した木山監督の積極的な采配に他ならない。第11節横浜FC戦でも大橋を相手のストロングポイントの左サイドに対峙させて勝利を得たように、ここぞという時に見せる木山監督の逆転の発想には毎回驚かされる。選手たちも指揮官の強気な姿勢に奮い立たずにいられないのだろう。保崎の起用によって選手たちを勇気づけ、そして、何物にも変えられない確固たる自信をチームに植え付けた。試合終了のホイッスルとともに監督と選手たちは抱き合って喜び合ったが、その姿に水戸の無限の可能性が感じられた。やっと水戸が本物になりつつある。

7試合ぶりの敗戦となった千葉。ここまで2敗1分の『アウェイ13時キックオフの試合の呪い』を解くことができなかった。ただ、この日の敗戦はそうしたデータだけの問題が原因ではなさそうだ。この試合において千葉はまったくチームとして機能しなかった。前線にネットではなく、青木孝太が入ったが、前線でタメをつくれず、攻撃に厚みをつけることができなかった。ただ、それは青木孝だけの問題ではなく、これまで巧みなビルドアップ能力を見せてきたマーク・ミリガンが不在のため、最後尾からのつなぎの質が落ちてしまったことが問題であった。チームとしていいボールの運びができないため、水戸のプレスの餌食となり、防戦一方に。ロングボールでリズムをつかみたくても前線の青木孝がポストプレーが得意な選手ではないため、水戸に跳ね返される連続となった。「臨機応変にできなかった」と佐藤勇人は肩を落とした。現在、3位につけているものの、まだチームは発展途上のようだ。

今後もこの試合の水戸のように千葉の良さをつぶそうとしてくるに違いない。そうした時にどう対応するのか。この敗戦を糧とすることが、昇格への条件と言えるだろう。

以上

2010.05.30 Reported by 佐藤拓也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/01(木) 20:45 ハイライト:広島vsシュトゥットガルト【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo】