5月30日(日)ヤマザキナビスコカップ 京都 vs 名古屋(14:00KICK OFF/西京極)
--試合速報--
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ヤマザキナビスコカップ予選第5節、京都は西京極に名古屋を迎え撃つ。リーグカップ戦で京都は西京極で名古屋に未勝利、という記録がある。またリーグでも加藤久監督体制になってから西京極で3戦3敗。だから、J1第6節の試合後の会見、気が緩んで最後のコメントが発せられたのではないだろうか。
会見後、京都側の記者の方と話をしたが「京都は、なめられているのではないか」という見解に至った。今節の決戦、京都に、何よりも問いたいのは「プライドを見せて闘ってくれるのかどうか」である。プライドをかけた激闘を歓迎する。
名古屋は、田中マルクス闘莉王、玉田圭司、ケネディがW杯で抜け、マギヌン、三都主アレサンドロ、金崎夢生が怪我。さらに、前節、警告を受けたダニルソンが今節出場停止と主力を欠くことになる。だが、杉本恵太、そして、若手の、田口泰士、久場光、花井聖など攻撃意識の強い選手もおり、決して油断はできない。前節はC大阪に引分。これで勝点の積み上げはわずか2。名古屋にとってはもう1戦も落とせない背水の陣となる。
試合内容では、名古屋は守備的MFを2枚にして、その前にブルザノビッチを配置していた。しかし、前半はブルザノビッチと巻佑樹への縦パスが通らず攻撃にスピードが生まれなかった。代わりにサイドバックの田中隼磨が積極的に上がり、サイド攻撃で冴えを見せる。だが、チャンスもピンチもミスからの攻守の切り替えがほとんどで、今節もこの切り替えの速さはお互いに試合のポイントとなるだろう。
名古屋の、自陣に戻っての守備は、守備的MFが2枚の場合、ブルザノビッチが前線に残り、サイドが落ちて4−4−2となる。吉村圭司ともう1枚の守備的MFが積極的にボールを奪いに来るために、京都としてはその裏、相手DFと中盤の間に生まれるスペースを活用したい。ディエゴらボールを受けるのが上手い前線が揃うだけに、相手の守備的弱点を上手く突くのである。
守備的MFが1枚の場合、帰陣しての守備は4−1−4−1となるだろう。中盤のスペースが消えるが、ブルザノビッチが守備ブロックに入ることになるので、そこは守備的弱点となるはず。そこで落着きを持って相手の隙を伺いたい。
サイドの攻防は今節の見どころの一つ。サイドの枚数は名古屋の2枚に比べ京都は1枚、数の上では不利となる。だが、中央、前線の枚数では京都が有利と考えるべきで、そこを活用しどう崩すか、渡邉大剛、中村太亮の判断力と安藤淳、角田誠、そして前線の3枚と、意図を合わせて戦うことが重要になるだろう。
名古屋が守備時に4−1−4−1で、ワントップでの守備となる場合、京都は3バックから攻撃を開始することも増えると予想され、水本裕貴、森下俊の速い判断と意図の分かりやすいパスが必要となる。要は、相手がどういう意図を持って守備をしているかが解れば、攻略は自然と出てくるということだ。
水本、森下に対し、名古屋のどのポジションの選手がアプローチに来るかで、逆に、何処のスペースが空くかが観えてくるはずだ。時には一発で裏を取ることも必要だろうが、崩す意図の共通理解を持って、今見せているタッチ数の少ないボール回しが出来れば、枚数の少ないサイドでも十分崩せるはず。
渡邉、中村太は、足元でもらいドリブルで仕掛けることも出来れば、一度味方に当てて裏を狙うことも器用にできるはずだ。相手がどう守備をしてくるかを、どれだけ速く、的確に見破れるか。選手の判断力にも注目だ。
名古屋と今季もう一度、西京極で勝負ができるめぐり合わせの強運に、感謝を覚える。あの会見の悔しさを来シーズンに持ち越すのは耐えられない。だが、これをクラブの奮起に変えることもできるはずである。選手、監督、スタッフ、フロントも含め、クラブで働く全ての者が、クラブを支える本拠地へのコメントに対し何も感じないことがあってはならない。
いつも支えてくれる人たちの、自尊心へ触れられたのだ。絶対に、この痛恨を雪がなければならない。京都の、プライドをかけた「激闘」に期待したい。
サポーターの皆さん、是非、西京極へ。京都の誇りをかけて闘う選手と、共に闘って下さい。
以上
2010.05.29 Reported by 武田賢宗
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