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【J2:第15節 札幌 vs 富山】プレビュー:札幌厚別で行なわれる今シーズン最初の試合。初夏の涼しい北海道で、両チームが絶え間ないハードワークを見せてくれるはず。(10.05.30)

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5月30日(日)J2 第15節 札幌 vs 富山(13:00KICK OFF/札幌厚別チケット販売はこちら
スカパー!生中継 Ch183 後00:50〜
--試合速報--
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5月最後の節となるこの第15節、現在勝点15で15位の札幌が、同10で17位の富山を札幌厚別公園競技場に迎えて対戦する。

5月の札幌は現在のところ負けなし。だが、その数字を見ると1勝4分ということで、必ずしも好調とは言い切れない。だが、「負けていないことをプラスにしていきたい」とキャプテンの石川直樹が話すように、チームは常に浮上のチャンスをうかがおうと意欲的だ。
ここ最近の戦い方においては、昨季19得点を挙げたキリノを生かそうというプレーが随所に織り込まれてきたという部分を注視したい。キリノの持ち味は何と言ってもスペースへのランニングスピードと、体の強さ。スペースにフィードが入った際に、速さを生かしてボールに追いつき、相手選手が先に追いついたとしても上半身の強さを使ってボールを奪いチャンスに結びつけるというのがキリノの得意技である。チームとしてのコンセプトは素早くパスを回すことなのだが、ここ最近ではそのコンセプトの上にキリノの特徴を引き出すためのロングフィードが加えられ、攻撃のバリエーションが増している印象だ。

そしてディフェンスについても全体的な整備がなされている。開幕当初は最終ライン周辺に負担のかかる時間帯が多く見られたが、ここ最近ではキリノが高い位置でハードにチェックをしたり、中盤でも宮澤裕樹が相手ボール保持者へのタイミングよいアプローチなどでピンチの芽を摘んでいる。好調とは言い切れない現状ながらも、不調でも決してない。そうしたなかでチーム全体が徐々に安定感を高めていると言っていい。

一方の富山だが、こちらもなかなか順位を上げられずにいるものの、前節は首位の柏に善戦しており、この部分を前向きに捉えたいところ。ゲーム終盤に2失点し逆転負けをしてしまったものの、ハイレベルな攻守を展開する柏をギリギリまで苦しめた内容に「うちの選手は本当によく戦っていた。運動量で負けていないし、献身的によいポジションをとって、奪ったボールを前に運んでいた」と楚輪博監督は手応えを口にしている。そしてもちろん、敗れたという結果については「残念」と反省することを忘れない。

開幕からここまで、なかなか思うような成績を挙げられてはいないものの、内容としてはそれなりのものを積み上げているという印象だ。苔口卓也、朝日大輔という縦への積極性を持ったアタッカーを中心に、周囲の選手が献身的なフォローを続ける。あと一歩のところでプレー選択だったり、パスなどのミスが生まれてしまってチャンスをフイにしてしまったり、ディフェンス面の安定感が足りずリズムを失ってしまうことが多かったが、この辺りがうまく噛み合うようになれば、今後十分に順位を上げることが可能になるはずだ。

試合の焦点としてひとつ挙げておきたいのが、この試合が札幌厚別で行なわれるということ。ここ最近の札幌は九州、四国など気温の高い遠方のアウェイゲームがあり、パフォーマンス的にはどうしても難しいシチュエーションが多くなってしまっていた。しかし、この試合は地元かつ、涼風の吹く札幌厚別で行なわれるとあって、良いコンディションで挑めそうである。もちろん、その環境は富山にとっても同じ。デーゲームではあるが、気温が高くなく、湿度の低い北海道でのアウェイゲームということで、運動量もしっかりと保つことができるはず。

この試合は札幌厚別で行なわれる今シーズン最初のゲーム。なかなか順位を上げられないでいる両チームだが、涼しい気候のなかでハードワークし、そこから勢いをつけて上位進出を狙いたいところだ。

以上

2010.05.28 Reported by 斉藤宏則
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