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【ヤマザキナビスコカップ 名古屋 vs C大阪】レポート:両指揮官が認めた「妥当な結果」は痛み分けのドロー。予選突破が厳しくなった名古屋は、次戦からの3連勝で大逆転劇を誓う(10.05.27)

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5月26日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
名古屋 1 - 1 C大阪 (19:00/瑞穂陸/4,831人)
得点者:43' 巻佑樹(名古屋)、72' 小松塁(C大阪)
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3日前の惨敗(5/22大宮戦 /jsgoal_archive/game/2010/20100020010320100522.html )を受け、名古屋のストイコビッチ監督が選んだのは現実路線だった。若手や出場機会に恵まれない選手を多く起用した前節から一転、現状考えうるほぼベストの11人をピッチに並べてきたのだ。大宮戦後の「頭の中はクリアになった」という発言の真意は、明日への投資より目の前の結果を優先するということだった。しかも布陣は1ヵ月前にアウェイでのリーグ戦でC大阪に勝利した時( /jsgoal_archive/result/2010/0425/20100100010220100425_detail.html )と同じ4−2−3−1を採用。指揮官は勝利へのメッセージをふんだんに盛り込み、選手たちに発破をかけてきていた。

一方で、C大阪もまたモチベーション十分に敵地へと乗り込んできていた。試合後にレヴィー・クルピ監督が明かすには、名古屋がダブルボランチを組んでくることも想定内で、その対応も練習に盛り込んできたとのこと。ボランチに本来センターバックの藤本康太を起用し、キックオフからしばらくは3バックで相手の出方をうかがうなど、名古屋対策には万全を期してこの一戦に臨んできた。

果たして、指揮官の方策が功を奏したのはC大阪のほうだった。1トップに入った播戸竜二が名古屋の最終ラインにプレッシャーをかけ、ビルドアップを阻止。ポゼッションこそするものの、攻撃に迫力を加えられない名古屋はパスミスを連発し、C大阪のカウンターの脅威にさらされた。9分と19分にはコーナーキックでそれぞれ上本大海と乾貴士がフリーでボレーシュートを放つ。このセットプレーを見るにつけ、やはりC大阪の名古屋対策は周到に練られてきたことがうかがえる。その後もボールキープは名古屋優位ながら、チャンスを生むのはC大阪という図式で前半は経過。名古屋はこの日が移籍後初出場となったGK高木義成の好セーブによって、何とか踏みとどまっている状況だった。

しかし43分、劣勢にあった名古屋が一瞬の隙を突いて先制に成功する。相手DFのフィードをインターセプトした田中隼磨が右へ展開し、パスを受けた杉本恵太がシンプルなクロスを中央へ送る。ブルザノビッチが落としたボールをC大阪DFが処理に手間取ると、最後は巻佑樹が豪快に蹴りこんだ。横のゆさぶりに富んだ動きのあるゴールは、久々に見せた名古屋らしい一撃。最高の時間帯にリードを奪った名古屋は、これで息を吹き返した。

後半、C大阪は長身FWの小松塁を入れ、前線の圧力を高めてきた。しかし名古屋はダニルソンと吉村圭司のダブルボランチを中心とした良質なプレッシングで対抗。特に中盤でのボールホルダーへのプレッシャーが抜群で、乾や家長昭博ら相手の攻撃の中枢に自由を与えなかった。攻撃面では相変わらずパスミスが散見されたが、ボールを奪われた後のケアも素早く、難を逃れる展開に持ち込めてもいた。それだけに、72分の失点は痛恨だった。乾のスルーパスに反応した小松が角度のないところから左足を振り抜くと、好守を連発していた高木の手をかすめてボールはサイドネットへ。ここまで抜かりのない守備を展開していた名古屋の最終ラインは、なぜかこの場面では全ての対応で後手を踏んだ。そしてこの失点以降、試合はオープンな展開へと推移していったが、追加点は生まれず。互いに決め手を欠く中で、試合終了のホイッスルを聞くことになった。

今回の試合における引き分けという結果を、双方の監督は口を揃えて「妥当な結果」とした。しかし、その結果の捉え方は対照的だ。C大阪のクルピ監督は「妥当な結果」としながらも、「決定機は我々のほうが多かった。新しい選手と戦術を試す、いい機会になった」と収穫を強調した。名古屋のストイコビッチ監督の見方はネガティブだ。「技術的なミスが多く、自分たちで状況を悪くしていた。技術的なキャパシティーが見えた試合だった」と、自滅の末のドローだったと不満を隠さない。

選手の反応も同様だ。C大阪の選手がおおむね手応えを感じているのに対し、名古屋の選手は憮然としていた。それはリードを保てなかった、つまりは勝ちきれなかったという悔恨からくるものだけではない。自分たちのパフォーマンスに対する憤りも多分に含まれている。もちろん、ヤマザキナビスコカップの予選突破が苦しくなってしまったことに対する焦りも。

これで名古屋とグループ上位2チームとの勝点差は、首位と6ポイント、2位と5ポイントになった。決勝トーナメント進出の可能性はまだついえてはいないが、依然厳しい状況であることには変わりない。残る予選は3試合。大逆転劇を目論む名古屋に、もはや迷いはない。まずは次戦(5/30@西京極)、グループ首位に立つ京都を叩き、狙うは3連勝だ。彼らが試合後に見せた悔しさに満ちた表情に、嘘はない。

以上


2010.05.27 Reported by 今井雄一朗
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