5月16日(日) 2010 J1リーグ戦 第12節
名古屋 1 - 4 鹿島 (16:03/豊田ス/34,098人)
得点者:44' 野沢拓也(鹿島)、46' ケネディ(名古屋)、53' 興梠慎三(鹿島)、69' マルキーニョス(鹿島)、90'+1 本山雅志(鹿島)
スカパー!再放送 Ch182 5/17(月)15:00〜(解説森山泰行実況吉田太一リポーター水谷陽介)
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今オフに大型補強を敢行し、名古屋はリーグ屈指の分厚い選手層を手に入れた。そして理想と現実の天秤を現実の方に傾けて臨んだ結果、多少の苦戦はしながらも、暫定2位と期待に違わぬ成績を残してきた。選んだ道は間違っていない。しかしその自信を、王者に打ち砕かれた。昨季後半戦のアウェイでは4−1と圧勝した鹿島に、文字通り圧倒されたのである
試合の入りは悪くなかった。玉田圭司とマギヌンを負傷で欠く名古屋だったが、スタメンに金崎夢生が復帰したことでその影響は最小限に抑えられた。ケネディを頂点に小川佳純、金崎が両サイドを務める3トップは高い位置をキープし、立ち上がりに激しいプレッシングをかけてきた鹿島と五分の戦いを演じた。
だが、その攻め方はいつもの名古屋の形ではなかった。鹿島が闘莉王に対しFWの1枚をマークにつけ、彼をビルドアップから締め出したためである。「どこも考えることだとは思うけど」と岩政大樹は語ったが、ここまで極端に、徹底してきたチームは初めてだった。その結果、名古屋は闘莉王の正確なロングフィードから一気にウイングの1対1に持ち込むという大きな攻め手を封じられた。
そしてこの試合最初の決定機が、鹿島に生まれる。20分、フェリペ・ガブリエルのインターセプトから素早いカウンターを仕掛けると、左に開いた興梠慎三から中央のマルキーニョスへラストパス。これは合わなかったものの、鹿島得意のカウンターが初めて決定機となった場面だった。名古屋も返す刀で24分にブルザノビッチが3人のマークを振り切りシュートを放ったが、惜しくもバー直撃。この後、攻撃が単発に終わる名古屋を尻目に、鹿島は次々とカウンターのチャンスを増やしていった。
先制点が生まれたのは前半終了間際。44分に自陣から中田浩二が速いボールを左サイドへ送ると、ギリギリで追いついたフェリペ・ガブリエルがダイレクトで折り返す。ファーサイドで興梠が頭で落としたボールを押し込んだのは野沢拓也。全てがダイレクトで行われた、美しいゴールだった。名古屋も前半終了間際に闘莉王が決定的なチャンスを迎えたが、GK曽ヶ端準の好セーブにより惜しくもゴールはならず。勝負は後半へ持ち込まれた。
後半はまず名古屋が先制パンチを食らわせた。開始早々に得た遠目のFKで、闘莉王と増川隆洋がゴール前へ向かう。誰もが長いボールを蹴ってくるかと思った瞬間、クイックリスタートで小川、金崎とつなぎ、金崎が弾道の低いクロスを中央へ。これをケネディがうまくトラップし左足を振り抜くと、ボールはポストに当たりゴールマウスに吸い込まれた。開始数十秒での電光石火の一撃はまさに奇襲。これで追い上げムードも最高潮に達した名古屋だったが、王者の牙城は想像以上に高かった。
53分、クリアボールを猛然とマルキーニョスが追いかけ、激しいチャージでDFから奪うと、GKとの1対1から中央にパス。フリーの興梠が冷静に流し込み、あっさりと勝ち越しに成功した。以降はさながら“鹿島劇場”。
得点が欲しい名古屋は前線へ人数をかけてきたが、マルキーニョスと興梠が高い位置をキープしたため、DFラインを押し上げることができない。結果、名古屋の布陣は前と後ろの二分割となり、攻守両面でフォローがままならない悪循環に陥った。単発の攻撃を跳ね返され、がら空きの中盤で自由につながれ、次々とあわやの場面を作られる。後半途中から投入された今季初出場の本山雅志に、残り時間だけで1得点1アシストを許したのは、彼の能力の高さだけに起因するものではないはずだ。名古屋は終盤、巻佑樹を投入し闘莉王をボランチの位置に上げるパワープレーも繰り出したが、悪循環を打開する決定打とはならなかった。
1−4。昨季アウェイで味わわせた屈辱を、名古屋はそっくりそのまま返された。勝敗を分けたのはチームとしての完成度や、個々の判断力の差だろう。「点が欲しくて二分割になっちゃうのは仕方ないけど、誰かがバランスを取ってくれたら」と名古屋の阿部翔平は攻守のジレンマに歯噛みした。
試合後、名古屋のサポーターは地鳴りのようなブーイングを選手たちに浴びせた。来場者通算500万人を達成した記念すべき日、豊田スタジアムには34,098人もの大観衆が集まった。その目の前で惨敗劇を見せてしまった名古屋は意気消沈。後味の悪いままに、リーグ中断を迎えた。次週からのヤマザキナビスコカップで挽回といきたいが、楢崎正剛、闘莉王、玉田、ケネディと攻守の要を欠く。しかしここでサポーターが納得できる試合を見せられなければ、豪華補強も張子の虎となってしまう。どんな状況でも勝利への道筋を見出せるのが真の強豪。残り1ヵ月弱となった前半戦で、強い名古屋の姿を取り戻したいところだ。
以上
2010.05.17 Reported by 今井雄一朗
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