5月15日（土） 2010 J1リーグ戦 第12節
Ｃ大阪 2 - 1 神戸　（17:05／長居／17,001人）
得点者：14' ボッティ（神戸）、45'+3 播戸竜二（Ｃ大阪）、45'+6 香川真司（Ｃ大阪）
スカパー！再放送 Ch180 5/17（月）06:30〜（解説山野孝義実況本野大輔リポーター森田純史）
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神戸にとっては決して悪くはない立ち上がりだった。

前節の磐田戦同様に、全体をコンパクトに保ちながら攻守にバランスを保って試合を運び、攻めてはFW大久保嘉人がゴールへの積極性を示す。そんな中、14分にはDF茂木弘人の縦パスにあわせてMFボッティがヘディングシュート。一度はGKに阻まれたもののをのこぼれ球を右足できっちりと押し込み先制点をものにした。
だがここから相手の攻撃を『受け』にまわる時間が増える。

C大阪の個性豊かな前線の攻撃陣がビハインドを負う展開の中でより攻撃への意欲を示してきたこともあったが、それを『受け』て、ずるずるとラインは下がり自陣ゴール前でプレーする時間が増える。「セレッソのように個でやってくるチームはコンパクトにしっかり守れば問題ないのに、下がったところにボールを入れられてという相手のやりやすい状態にしてしまった」とは試合後のFW大久保のコメントだが、ドリブルとパスでかき回すC大阪の攻撃陣に翻弄されてか、また焦りからか中盤でのイージーなミスも目立ち、完全にC大阪ペースにのまれてしまう。そうなると、C大阪の守備を切り崩すような攻撃を作り出せるはずはなく。ロングボールをいれてもFW都倉賢のところでボールがおさまらず、二次攻撃に繋がっていかない。20分以降、1度もシュートを打てなかったということからも、連携の悪さは明らかだった。

前半のロスタイムに逆転を許した中で迎えた後半も、相変わらずC大阪に押し込まれる展開。ダブルボランチが完全に守備に吸収されてしまってコンパクトな陣形を敷くことができず、それによって効果的な攻撃も仕掛けられない。72分にDF河本裕之に代えてMF田中英雄を投入し、彼をボランチに据えてからは攻撃にタメを作れる時間も増え、やや厚みのある攻撃を作れるようにはなったが、相変わらずフィニッシュに繋がるシーンは殆ど作り出せず、ゴールの匂いがしない。注目をしていたFW大久保も、FW都倉賢が交代してからはMFからFWにポジションをかえてプレーしていたが、効果的にボールを受けられるシーンは皆無に近く、残念ながら後半は殆どの時間帯を前線で孤立してしまっていた。
結果、1-2で敗れた神戸は、またしても今季初の『連勝』を実現できず。選手たちの「しっかり勝って中断に入りたい（DF北本久仁衛）」という思いも残念ながら結果には繋がらなかったが、1週間後にはヤマザキナビスコカップ第3戦、山形戦が待ち受ける。しっかりと気持ちを切り換えてまた次の戦いに向かって欲しい。

余談だが試合終了後、この試合を持ってチームをしばらくの間離れることになる南アフリカW杯日本代表FW大久保が、古巣のC大阪サポーターと、神戸サポーターの両方に挨拶に出向いた。これに対して両サポーターから贈られた、温かい声援とそれぞれのクラブサポーターオリジナルの大きな『嘉人コール』。試合中はボールを持つたびに、C大阪サポーターからの激しいブーイングにさらされ、神戸サポーターの声援に後押しされていたFW大久保だったが、試合後は、敵も味方も関係ない。『大久保嘉人』を応援する全サポーターが彼にエールを送り、W杯の舞台へと向かう彼の背中を強く押した。温かくも、心強くも感じる光景だった。

以上

2010.05.16 Reported by 高村美砂