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【J2:第13節 水戸 vs 熊本】レポート:「自分たちのプレーが何もなかった」(木山監督)水戸、0対1の完敗を喫す。熊本は成長を示す2連勝!(10.05.16)

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5月15日(土) 2010 J2リーグ戦 第13節
水戸 0 - 1 熊本 (13:04/Ksスタ/2,341人)
得点者:79' 松橋章太(熊本)
スカパー!再放送 Ch183 5/18(火)18:30〜(解説菅野将晃実況加藤暁リポーター高木聖佳)
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試合後、「チャンスを今まで以上に作ることができていた」と満足げに語った熊本・高木琢也監督に対し、水戸・木山隆之監督は「自分たちのプレーが何もなかった」と険しい表情を見せた。両指揮官の表情が示すように、結果は最少得点差だったものの、内容としては熊本の「完勝」であり、水戸の「完敗」であった。それほど両者の力の差が顕在していた90分だったと言えるだろう。

「もっと前でプレーするスタンスがないとサッカーは成り立たない」。木山監督が憤怒したように、水戸が積極的な姿勢を欠いたことで両者のコントラストがくっきりと表れることとなった。開始15分ほど水戸は勢いよく攻め込む展開を見せたが、3分に村田翔が、18分に下田光平が警告を受けたことにより、水戸らしさは消えた。プレッシングサッカーの中心であるダブルボランチ2人とも「退場したくない気持ちが出てしまった」(大和田真史)ことで水戸は積極性を失い、中盤でプレスをかけることができなくなり、「DFラインが下がって熊本に好き放題にボールを回される」(下田光平)展開を招いてしまった。

水戸のプレスが甘くなり、「余裕があった」(高木監督)熊本は「慌てずに相手の陣形を見ながらボールを前に運べた」(高木監督)。ショートパスとサイドチェンジ、ロングボールをうまく使い分けながらピッチを広く使った攻撃で水戸を自陣に押し込んだ。20分に左サイドDF裏でボールを受けた西弘則からの展開、最後は松橋章太がフリーでシュート。27分にはDFラインでの横幅をうまく使ったパス回しで水戸の陣形を崩し、右サイドへロングボール。そこからの折り返しを藤田俊哉が合わせた。両方ともゴールこそ決めることはできなかったが、圧倒的にボールを支配しながら攻撃を繰り出す熊本の一方的なペースで前半を折り返した。

後半に入っても流れは変わらない。水戸は警告を受けている下田に替え、西岡謙太を投入。中盤での守備意識を高めようとしたが、一度緩んだネジを締めることができないまま、前半同様熊本のテンポのいいパスワークに翻弄される時間が続いた。水戸はなんとかDF陣の体を張った守備でゴールを死守していたものの、前半から揺さぶられ続けたことがボディーブローのごとく体力を蝕んでいった。時間とともに運動量が低下し、全体が間延びすることに。中盤とDFラインの距離が空きはじめ、水戸の守備に乱れが生じていった。失点は時間の問題と言えた。そして79分、GKのキックを中盤に下がった井畑翔太郎がヘディングで流し、松橋がキープ。落としたボールを受けた藤田がドリブルを開始すると、後手に回った水戸DFが藤田に対応しようとバランスを崩した瞬間、松橋へ絶妙なラストパス。ダイレクトで松橋が右足を振り抜くと、ボールは本間幸司の横をすり抜けていった。これが決勝点となり、熊本が勝点3を手にすることとなった。

熊本にとっては自らの成長を再確認する勝利と言えよう。攻撃でも守備でも一体感を持った戦いを見せ、水戸に付け入る隙を与えずに得た勝利。「チームは徐々によくなっていると思います」と高木監督が自信に満ちた表情を見せたように、目指してきたサッカーが形になりつつあることを実感できた様子。また、前節初先発のファビオがゴールを決めたことで「刺激になった」と語る松橋がしっかり決勝点を記録。チーム内のポジション争いも激しくなってきており、チーム力が着実に向上していることを結果で証明してみせた。この勝利で暫定5位になった熊本。リーグ戦もいよいよ中盤、火の国の雄が今季のJ2を大いに盛り上げる存在となりそうだ。

一方、水戸にとっては現状では上位に食い込む力がないということを痛感させられた敗戦であった。早々とダブルボランチが警告を受けるというアクシデントがあったものの、あまりにも守備がルーズすぎた。「全体的に運動量が少なかった。それがなければ水戸のサッカーはできない」と森賢一が厳しい言葉を吐いたが、1人1人のハードワークがあってこそ、水戸のサッカーは成り立っている。だが、この試合では前線のプレスの意識が希薄で、連動した守備ができず。高い位置でボールが奪えないため、攻撃も単調で厚みのないものとなってしまった。

そうした悪い流れを断ち切る術がないところに今季のチームの脆弱さを感じざるを得ない。サッカーにおいて90分自分たちのペースで戦うということは不可能に近い。どこかで必ず流れが変わる時がある。それをどう自分たちで導きだすかが勝敗を左右する大きなポイントである。それをするためには「自分たちのサッカー」を貫かなければならない。だが、今季の水戸は苦しくなると容易に全体が下がってしまうという癖がついてしまっており、この試合でもそれが出てしまった。それは当初水戸が目指したサッカーではない。苦しい中で踏ん張ってでも自分たちのサッカーを示し続けることで力は備わっていくのである。

「DFラインを下げたくないのはみんな分かっている」と大和田真史は言う。ならば、あとは行動をするのみだ。そのために必要なものは「勇気」である。失点や敗戦を恐れていては前には進めない。水戸は成長するチームである。もっともっと勇気を持ってトライをしてもらいたい。攻守において何もトライできずに敗れたこの試合から得たものは何もない。

以上

2010.05.16 Reported by 佐藤拓也
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