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【AFCチャンピオンズリーグ2010 広島 vs 浦項】プレビュー:若手中心で王者浦項に挑む、広島にとってのACL最終戦。チャンスを待ち続けた若者たちの躍動は必見だ(10.04.27)

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4月27日(火)AFCチャンピオンズリーグ2010 広島 vs 浦項(19:00KICK OFF/広島ビ)
試合速報 | ホームゲームチケット情報 | 決勝戦は11月13日(土)に国立競技場で開催!
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「今日、GKを含めてベンチに座っている選手全員とメンバーに入っていない岡本知剛が、浦項戦に出ることになる」
劇的な山岸智のゴールで勝点1を奪った対新潟戦後、広島・ペトロヴィッチ監督はこう断言した。

浦項戦は広島にとって18日間で6試合目。この過酷な日程に加え、中国・山東省や鹿島、新潟など、長距離移動の連続。主力に6人もの離脱者を抱え、ターンオーバーすることも難しい状況が続き、今や選手たちの肉体はボロボロだ。筋肉がパンパンに張り、肉離れ寸前に陥っている選手は、一人や二人ではない。実際、新潟戦では本来の運動量と精度を欠いて苦戦。強い気持ちを発揮してロスタイムに同点に追いついたものの、「18日間で6試合は現実的には不可能」(ペトロヴィッチ監督)であることを証明した試合となった。

明日の浦項戦に勝利しても、広島の決勝トーナメント進出はかなわない。勝利すれば「3連敗後の3連勝」となりアジアで十分戦えたことの数学的証明にはなるが、もはや主力に無理はさせられない。むしろ体力を十分温存し、試合に出る意欲に満ちている若者たちの方が、明日の浦項戦では広島にとって「ベストメンバー」だ。
思い出すのは、昨年のヤマザキナビスコカップ対大分戦である。ベストメンバー規定違反と判断され、広島が処分を受けた試合ではあったが、この試合で若者たちが見せたパフォーマンスは素晴らしかった。経験のない選手たちが縦横無尽に走り回り、広島らしいパスワークも随所に披露。先制されても動じず、強い気持ちで一度は試合をひっくり返し、アウェイで堂々と勝点1をもぎとったのだ。

この試合で公式戦デビューを果たしたのが、当時高校3年生だった大崎淳矢だ。彼はその後、ナビスコカップ対新潟戦で初ゴールを記録し、対磐田戦でリーグ戦デビュー。しかし、プロ入りを果たした今季はケガで出遅れ、ここまで雌伏の日々を過ごしていた。
その大崎が強く意識しているのは、同期生の重松健太郎(F東京)である。Jデビューは大崎が先んじたが、昨年のJユースカップ決勝での直接対決では敗北。プロ入り後の重松は今やスーパーサブ、既にリーグ戦2得点・カップ戦1得点をゲット。ライバルの活躍に大崎は「正直焦りもある。あいつのような物怖じしないヤツになりたい」と大崎は想いを馳せる。一方で「だけど、最初から試合に出ているからといって、その後も活躍できるわけではないから。まだまだ、自分が負けたとは思っていない」と言い聞かせた。実際、大崎はアウェイの山東魯能戦で逆転勝利に貢献し、新潟戦では同点ゴールの起点にもなった。この勢いを浦項戦につなげれば、今後のJリーグで重松以上の存在感を発揮する可能性もある。

腕をぶしているのは、大崎だけではない。かつて山田直輝(浦和)や柿谷曜一朗(徳島)らと共にU-17日本代表の主力として活躍し、高校3年生時にプロ契約を結んだ岡本知剛もその一人である。
そのスケール感とクレバーなプレーぶりを見れば、彼が並大抵のタレントでないことはぐにわかる。しかしプロの世界ではまだ、その才能を持て余し気味だ。ケガがちだったこと、さらに森崎兄弟や青山敏弘、高萩洋次郎や高柳一誠など、中盤にタレントが揃っている状況もあり、岡本にチャンスはなかなか与えられなかった。その自分の現状に苛立ち、気持ちが練習に入らなかったこともあった。
そういう時に「気持ちが入らないのなら、練習する必要はない」と練習場で激しく叱責してくれたのが、森保一コーチ(現新潟ヘッドコーチ)だ。当時、若手の指導を担当していた彼は、岡本に対して厳しくも温かく接した。「僕が腐らずにここまでやって来れたのは、森保さんとの日々が心に残っているから」と岡本は言う。チームが連戦を戦っている中、足首の捻挫もあって広島に残って調整する日々が続いた岡本だったが、「森保コーチの言葉」を思い出し、折れそうな心を必死に立て直して「広島で一番走れる選手になれば、試合に出られる」と自分に言い聞かせた。そんな岡本の才能を爆発させる時が、いよいよやってくる。

グループリーグ首位通過を果たしラウンド16をホームで戦うべく、浦項は本気で立ち向かってくる。そんなACL王者に果たして若手主体の広島がどこまで戦えるか。不安はある。しかしそういう相手に若者たちが可能性を見せつければ、今季だけでなく将来にわたって大きな財産となる。ピッチに立てるフィールドプレーヤーが16人しかいない現状では、疲労した主力も何人かは出場することになるが、彼らの経験が若者の潜在能力をうまく引き出してくれれば、昨年の大分戦以上に躍動的な闘いが見られるはずだ。ある意味で今季最高とも言えるワクワク感が、広島のACL今季最終戦には存在する。

以上

2010.04.26 Reported by 中野和也
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