スカパー！生中継 Ch181 12:50〜（解説：三浦泰年、実況：田中雄介、リポーター：真鍋摩緒）
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今季はここまでホーム全勝（リーグ戦3勝、ヤマザキナビスコカップ予選1勝）の清水。主軸にケガ人が続出して苦しい大宮をホームに迎えるこの試合は、チームの勢いをさらに伸ばしていくためにも、何としても勝ちきらなければいけないゲームとなる。
先週の清水は、ヤマザキナビスコカップ予選も含めてアウェイで2試合を戦い、どちらも引き分け。山形戦（14日）は、さまざまな状況を考えるとスコアレスドローもやむなしという印象もあったが、Ｇ大阪戦（17日）は、多くのビッグチャンスを作っていただけに、何とか逆転勝ちして自信を深めたい一戦だった。
前回のホームゲーム・仙台戦では、打てば入るという感じで5得点を奪ったが、Ｇ大阪戦は打っても打っても入らず、1点取るのがやっとのこと。やはりゴールは水ものではあるが、今度の試合は、取れるところできっちり点を取っていかないと徐々に苦しくなってしまうだろう。それは、大宮のチーム事情とも大きく関係している。
先週に続いて静岡2連戦となる大宮は、攻撃の中心であるラファエルと藤本主税をケガで欠き、パスをつないで崩していくという攻撃がなかなかできていない。そのため得点力も不足し、開幕戦に勝利して以来、公式戦での勝利がないという状況にある。さらに前節・磐田戦でセンターバックの深谷友基が負傷離脱してしまい、台所事情はさらに苦しくなった。
しかも今節は、好調かつホームに強い清水が相手ということで、先に失点してしまったら、勝点1を稼ぐことも難しいと考えているはずだ。ただし大宮は、きっちりブロックを形成して守りの体勢を整えたときには、高い守備力を発揮する。「危険察知能力が非常に高い選手」と相手指揮官も高く評価するセンターバックのマトを中心に、全員がハードワークして身体を張った守りを展開。GK北野貴之は、昨年セーブ率No.1に輝いており、最後の砦も非常に堅固。清水がチャンスを逃し続けていれば、徐々に大宮の術中にはまっていってしまうだろう。
大宮の攻撃は、現状では長いボールを使った攻めが中心になる。ボールを奪ったら早めに前線にボールを入れ、そこでキープできなくてもセカンドボールにしぶとく食い下がる。また、相手ボールになったとしても、その瞬間に前から厳しくプレッシャーをかけ、そこで奪い返すことができればチャンスにもつながるという狙いで、2トップも非常に頑張りを見せる。
したがって、清水のDF陣としては、まずは長いボールをしっかり跳ね返すこと。そして跳ね返せずにボールがルーズになった際には、慌てることなく冷静な対応を行なうことが求められる。また、カウンターを受けそうになった際には、前の選手も素早く切り換えて、パスの出所をしっかりと制限することが重要になるだろう。
もちろん試合展開としては、清水が押しこむ時間のほうが長くなるだろう。そこで、大宮のブロックを攻め崩し、先制点を奪えるかどうかが、この試合の最大のカギとなる。
清水の攻撃陣では、岡崎慎司は出場できそうだが、右膝の痛みがまだ残っており、ヨンセンと藤本淳吾は、体調不良で木曜日の練習を休んだ。そのため、3トップの組み替えは多少あるかもしれないが、小野伸二を核とする中盤はよく機能しており、崩しのバリエーションは確実に増えている。得意のサイド攻撃だけでなく、中央をワンツーやスルーパスで割るようなシーンも増えてきた。単純にクロスを入れるだけでは、なかなか崩せない相手だけに、そこは頼もしい部分だ。そのため、チャンスを作るということに関しては「自分たちのサッカーさえできればチャンスは作れると思う」（本田拓也）と多くの選手が自信を見せている。
となると、あとは訪れたチャンスを早いうちに決められるかどうか。運を天に任せるだけでなく、それを何としても決めきるんだという気迫を、清水の選手たちにはぜひ見せてほしい一戦だ。
以上
2010.04.23 Reported by 前島芳雄
