4月21日(水)J1 第4節 広島 vs 名古屋(19:00KICK OFF/広島ビ)
スカパー!生中継 Ch180 18:50〜(解説:沖原謙、実況:君崎滋、リポーター:掛本智子)
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この試合は本来、第4節として3月末に行われるはずだった。ただ、広島のAFCチャンピオンズリーグ出場による過密スケジュールが考慮されたのか、明日4月21日に日程が変更。しかしそれでも、広島は中2日、名古屋にしても中3日となり、過密日程にかわりはない。
特に広島の疲労は深刻だ。4月10日の川崎F戦以来、11日で4試合目。名古屋はヤマザキナビスコカップ予選リーグ第2節に試合が無く、広島はその間に中国遠征も行っている。3月も連戦続き、さらにケガ人続出によって主力を休ませられない事情もあり、山岸智も「ギリギリでやっています」と苦笑いを浮かべる。
今、広島のベンチに座っているのはJ出場経験がほとんどない選手たちばかり。ただ、その中で例外と言うべき実績を持つ李忠成は、まごうことなき広島の「切り札」だ。ACL・山東魯能戦では74分から出場、強烈な左足シュートを連発して2得点。特にロスタイム、同じく途中出場の石川大徳からのパスを叩き込み、劇的な逆転勝利の主役となった。日曜日に行われた鹿島戦ではゴールこそなかったものの、ロスタイムに決定的なシュートを放つなど、存在感を見せつけた。
もちろん、2007年には10得点を記録している北京五輪代表ストライカーが、「スーパーサブ」の現状に満足しているはずもない。しかし今の李は、与えられた時間でしっかりと仕事をすることに集中している。そこで結果を出すことによって「周りからの信頼を得られる」(李忠成)と信じているからだ。
その李にとって、昨年の広島ビッグアーチにおける名古屋戦(11月21日)は、悔しさのみが残った試合だった。後半ロスタイム、中島浩司のミドルシュートがDFに当たり、浮いたボールに李がヘッドで合わせる。完璧なシュートだったはずなのに、楢崎正剛の信じがたい反応と読みの前に歓喜を手元に引き寄せることはかなわなかった。もしあのシュートが決まっていたならば、李忠成の現在の立場も、大きく変わっていたかもしれない。
それからちょうど5ヶ月、李は再び楢崎に向かって対峙することになる。「中2日だし、総力戦になるはず。そういう意味で、僕にもチャンスが巡ってくると信じています」と李は表情を引き締めた。昨年のロスタイムのシーンの話題を振っても、笑顔を浮かべつつも「結果は出ると思う」と言葉少なに自信を示す。ACLでの2得点と鹿島を相手に決定機をつくった実績が李の笑顔に鋭さを加えている。
ただ、5ヶ月前と今とでは、名古屋の戦力は大きく様変わりを果たした。田中マルクス闘莉王・金崎夢生・ダニルソン・千代反田充と即戦力を補強し、昨年は故障のためシーズンの半分を棒に振ったマギヌンやJリーグに慣れていなかったブルザノビッチも、今季は活躍が目立っている。故障のため玉田圭司は戦線を離脱し、ケネディも出場が不安視されてはいるが、それでもビクともしない選手層の厚み。「名古屋のベンチに座っているのは、(他チームでは主力を張れる)ダニルソンや千代反田、中村直志らだからね」とペトロヴィッチ監督も語る。
特に注目すべきは、何と言っても闘莉王だ。2001年に広島にてJデビューを果たした彼の祖父は広島出身、また2年間を過ごした広島の独身寮を日本帰化時の本籍にするなど、広島への想いは強い。だからこそなのか、闘莉王の広島戦での活躍は強烈だ。水戸時代こそ1度も勝利できなかったが、浦和に移籍して以降は8勝1分1敗。10試合で5得点を決めるという強さを誇っている。昨年8月22日、広島ビッグアーチで敗れはしたが、その試合でもゴールゲット。しかもこの時、彼は負傷のため後半からの出場を余儀なくされており、闘莉王はJ1で先発した広島戦では不敗。さらに言えば、名古屋はビッグアーチでは2000年に0-4で完敗して以来、9年間も負けがないのである。
闘莉王の存在、ビッグアーチでの名古屋戦との相性、そして現在の戦力の厚み。様々な要素が、広島不利をささやく。だが、そういう数学のような計算だけで結果が出ないからこそ、スポーツは面白い。広島には李忠成だけでなく、ACLで見事なアシストを記録した石川、ゴムまりのような躍動を見せた大崎淳矢など、名古屋にとっては未知数となる若者たちが、その計算を吹き飛ばすべく腕をぶす。明日、ただ1試合だけ行われるJリーグの闘いにおいて全国のサッカーファンの耳目を集めるのにふさわしい活躍を、広島の若者たちが見せられるか。それとも好調・名古屋の厚い選手層が挑戦を跳ね返すか。重苦しい空を吹き飛ばす熱戦を期待したい。
以上
2010.04.20 Reported by 中野和也
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