前節の東京V戦、愛媛は今季のホーム初白星を獲得。その舞台には、5人の愛媛県出身者の活躍がありました。これは愛媛FCの歴史にとって、エポックメーキングな出来事でもありました。まず、ベンチ入りできなかったバルバリッチ監督に代わり、ピッチに指示を送ったのは青野慎也コーチ。愛媛県新居浜市出身の30歳で、かつては愛媛の選手としてもプレーし、現役時代には「青いイナズマ」とも呼ばれ、サポーターに愛された経歴の持ち主でもあります。バルバリッチ監督が「問題は無かったし毎回、上(スタンド)に座って観ようかとも思いました。ピッチもよく見えるし(笑)」と振り返ったジョークからは、青野コーチへの信頼感も感じ取ることができました。
そして、その青野コーチが小学生の頃、「泉川小学校に凄いヤツがいる、と噂には聞いていました」と以前に教えてくれたその正体は、福田健二選手。青野コーチから見ると2歳年上、同じ新居浜生まれのストライカーによって今季のホーム初ゴールがもたらされ、それが勝利に結びついたのです。さらに今季初先発を飾り、FWながら献身的な守備でチームに貢献したのは松山市出身の大木勉選手、34歳。かつて南宇和高校の選手として活躍していた頃、同い年で新居浜市出身の私にとっても、そして同世代の愛媛のサッカー選手にとっても彼は「モンスター」的存在でした。
個人的な回想に過ぎませんが、かつて愛媛でサッカーボールを蹴り始めた同世代の4人が、当時はすれ違いの関係であったとしても、愛媛FCという存在を通じて今度は同じ場所で同じ時間を過ごし、ひとつの勝利を共有したことは私にとって至福の時間。愛媛にJリーグのクラブがあってよかったな、と再確認できた瞬間でした。
若干、話が脱線しましたが、残る2人の愛媛県出身者は松山市出身の渡邊一仁選手と今治市出身の越智亮介選手。東京V戦前の取材で「一番最初に観たワールドカップはフランス大会かな…」と越智選手から聞いた時にはジェネレーションギャップも感じましたが、高卒2年目となった今季は取材の応対もすっかり板につき、大人の表情に。「去年の四国ダービーは一度もベンチに入れませんでした。自分が入っているときに勝ちたい」。次節に関して意気込みを語る表情からは、今季の第4節・鳥栖戦でJ初ゴールを決め、4試合連続でスタメンを張る自信もうかがえました。
そして「激しい試合だったことは憶えています」と、渡邊選手は昨季のダービー第3戦を振り返ってくれました。セカンドチーム『愛媛FCしまなみ』からトップ昇格を果たした直後に迎えた初のダービー。愛媛にとってクラブ最多となる12,851人の観客がホーム・ニンジニアスタジアムに詰め掛けた大一番を、ベンチから見つめました。「今回のダービーは今までの結果(4連敗)は無しで、と僕は思っています」と話した直後、少しの沈黙を経て発した言葉が「でも、0−6はみんな憶えています…勝ちたいですね」。
4月17日(土)に徳島・鳴門大塚で迎える今季初の四国ダービー。今回、その鍵を握るのは間違いなく彼ら愛媛出身の5人。彼らの一挙一動をスタジアムで追いかけたいと思います。
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2010.04.16 Reported by 近藤義博
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