スカパー！生中継 Ch182 13:50〜（解説：鈴木武一、実況：守屋周、リポーター：村林いづみ）
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さてさて、仙台は今節、どういった心構えで臨むのか。そうした思案になる理由は言わずもがな、前節の清水戦で受けた衝撃である。
昨年、Ｊ２優勝とともに、リーグ最少失点という結果を残した、仙台の手堅い戦いぶり。しかし清水戦で喫した５失点は、２００７年６月のＪ２第２２節京都戦以来のもの。そもそも３失点ですら、２００８年１１月のＪ２第４４節鳥栖戦以来（Ｊ１のクラブと連続して対戦した昨年の天皇杯ですら無かった）だったため、少なくとも見ている側には堪える結果だった。
だが、いつまでも気落ちしていては、厳しいＪ１の荒波に流されるだけ。まして仙台はＪ１において、開幕ダッシュに成功しながら、その後一気に調子を崩し勝点獲得のペースが停滞、苦しい戦いを余儀なくされた過去を繰り返している。それだけに悪い流れは直ぐに断ち切らなくてはいけない。
１４日に行われたヤマザキナビスコカップの京都戦で、先制されながらも仙台は太田吉彰のゴールで勝点１を獲得。異なる大会をまたいだ話であり、さらにメンバーも大きくリーグ戦から異なってはいるが、公式戦での連敗は避けることが出来た。スタメンがリーグ戦時のメンバーに戻ることが予想される今節の神戸戦で、清水戦の記憶の払拭を確かなものとしたい。「いつまでも、悔しがっているわけにはいかないので」（渡辺広大）という言葉は、チーム全員に当てはまる。
幸いなことに仙台は、チームにケガ人のいない状態。リーグ戦の戦力に加え、前述の太田など、ここにきて結果を残しつつある新たな力も合わせ、神戸を迎え撃つことになるだろう。
一方の神戸だが、こちらはGKに受難。ヤマザキナビスコカップの浦和戦で正GK榎本達也が負傷、おそらく今節の出場は難しい。第２GKの徳重健太もすでにケガで別メニューとなると、仙台戦のゴールマウスに立つことが予想されるのは、浦和戦でも榎本の後を受けピッチに登場した、神戸ユース出身プロ５年目の紀氏隆秀。Ｊ１リーグデビュー戦が「超アウェイ」のユアテックスタジアム仙台というのが、幸か不幸かどちらなのかは判断しかねるが、とにかく奮闘が求められる。
一方で神戸には戻ってくる選手も。日本代表ＦＷ大久保嘉人が、この仙台戦に照準を合わせて調整を進めているようだが、ここまでリーグ戦６試合で得点わずか４、さらにリーグ戦では２試合連続無得点と貧攻に泣く神戸の救世主となれるか。
都倉賢との２トップとなると仙台としてはやっかい。都倉は昨年草津の一員として、ユアテックスタジアム仙台に戻ってきたばかりの仙台のホームゲームで、マークについていたエリゼウに打ち勝ってのゴールを決めている。そして大久保のスピードはすでに皆の知るところで、興梠慎三、永井雄一郎と、２試合連続でスピードのあるＦＷに裏を取られて失点を喫している渡辺も「もう同じ失点は繰り替えさない」と警戒を強めている。
実は仙台はＪ１において、神戸に一度も敗れていない（２００２〜０３の２年、計４度のリーグ戦対決は、仙台の２勝２分け無敗）。これを傾向として語るにはいささかデータが古すぎるのは、ひとえに仙台がしばらくＪ１にいなかったからに他ならないのだが、神戸からしてみればむしろ最後のリーグ戦対決となった、２００６年のＪ２最終節、勝てば無条件で自動昇格圏内を確保できたところ、既に昇格がなくなっていた仙台に２−１で足をすくわれ、Ｊ１・Ｊ２入れ替え戦回りを余儀なくされたユアスタでの記憶の方が、まだ生々しいか。
試合にかかる重さの違いもあるので比較は難しいが、まだルーキーイヤーで若かったＤＦ柳川雅樹（今季は甲府へ期限付き移籍）がユアスタの雰囲気に飲まれてかＧＫ荻晃太（現甲府）へ厳しいバックパスを返してしまい、荻から容易にボールを奪った中島裕希が神戸をさらに精神的に追い込む先制弾を決めるという場面が、この試合ではあった。
４年ぶりにリーグ戦で対決することになる両チームだが、今回はどんなドラマチックな出来事が起こるのか。
なんと今週末の仙台は、試合当日の朝から雪が降るとも予想されている。風雲急を告げるといった様相の天気が、何かを暗示していたりするのだろうか、それは今はわからない。
以上
