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【AFCチャンピオンズリーグ2010 長春 vs 鹿島】レポート:極寒のアウェイの地で狙い通りのゴールを挙げ守りきった鹿島。グループリーグ全勝を守る(10.04.15)

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4月14日(水) AFCチャンピオンズリーグ2010
長春 0 - 1 鹿島 (15:30/長春/6,000人)
得点者:37' 興梠 慎三(鹿島)
ホームゲームチケット情報 | 決勝戦は11月13日(土)に国立競技場で開催!
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中盤でパスの出しどころを探っていた小笠原満男が背後から忍び寄る相手FWのチェックを受けてボールを失う。誰かが声を出せば十分に防げたにも関わらず。最終ラインに放り込まれたボールをイ・ジョンスと曽ヶ端準の連係がうまくいかずCKにしてしまう。そんなシーンが繰り返されるたび、オズワルド オリヴェイラ監督が両手を広げる。
「いったい、どうしたんだ!?」

試合当日、前日の雪が嘘のように晴れやかな天気となった長春。雪はグランドから完全に消えはしたが、鹿島にとって非常に不利な条件を残していった。公式練習をグランドで行えなかった影響で、どういった状態なのかを、当日まで確認することができなかったのである。
「グランドを確認できなかったのがすべてだよね。慣れるのに時間がかかった」
中田浩二は難しい条件が揃ってしまったことを明かしてくれた。
「風が舞ってるから読みづらいというか、伸びてくるのか落ちるのかわからないし。あと、グランドも硬いんだけど芝がはげているのを隠すために砂をまいてるから跳ねないんだよね」
確かにキックオフの時、長春の選手がセンターサークルに置いたボールは風に流されて自然と転がっていた。さらには長春亜泰のグループリーグ敗退が決まっていたことも鹿島がペースを掴めない原因となってしまった。
「9番が出てくると思っていたから、そこに放り込んで来るこぼれ球を拾うことを考えてた。あとは8番と7番が良い形でからんでる場面があったからその辺をケアしようと思っていたら(試合に)出てこなかったからね。全部が全部、後手後手というか、読み切れなかった」(中田浩二)
そうした条件の中、試合が始まる。晴天とはいえ気温は低かったため、ユニホームとソックスはアウェイ仕様の白を着用したが、下にロングスパッツを履けるようパンツだけは紺が用意されていた。先発では新井場徹、野沢拓也、内田篤人の3人がスパッツを履いて試合に出場した。

対する長春は、前回鹿島で対戦したときと同様[3−4−3]の布陣を敷いてきた。ピッチにバランス良く相手が散らばっているため、鹿島がプレスをかけるにも攻撃を仕掛けるにもそれなりの運動量が必要とされた。しかし、上記のような環境の難しさからイージーミスを連発。すでにグループリーグ敗退が決まっていた長春もそれほど厳しさをもって挑んでこなかったこともあり、互いにミスが多く、そのミスを逃さなかった時にチャンスが生まれていた。

まず、好機を掴んだのは鹿島。8分に小笠原のすばやいリスタートから新井場がチャンスメイク。9分には相手ボールを高い位置で奪い、マルキーニョスからパスを受けた野沢がゴール左からファーサイドを巻いていく得意の形でゴールを狙ったが、惜しくも外側を逸れていった。
攻守の切り替えが遅いながらも徐々にペースを掴んでいく鹿島。15分には右サイドの内田から野沢、興梠慎三とつながり、中盤の小笠原へ返すとDFの裏に抜け出した興梠へ浮き球のスルーパス。それを興梠が落としたところに野沢が走り込むという連続したパス交換で相手を崩す。残念ながら、最後の場面でボールが足下に入ってしまいシュートが打てなかったがキレイな崩しだった。

だが、ここから長春の反撃を食らってしまう。25分あたりから立て続けにシュートを浴びた。特に27分にはDFラインを下げさせられると中盤にぽっかりとスペースができ、そこに走り込んだ10番のリカルド ステールからゴール右に開いていた14番ツァオ・チャンバオにパス。強烈なシュートは曽ヶ端が弾いたものの、こぼれ球にリュウ・ウェイドンがすばやく反応。無人のゴールに流し込まれるかと思われた瞬間、内田が寄せたため、シュートはコントロールできずゴールマウスを越えていった。
 
嫌な雰囲気が漂い始めた37分、最終ラインで攻撃を組み立ててきた4番のカバジェロがバックパスの処理をミスした。それを見逃さなかった興梠は一気に加速、カバジェロとの距離を詰めるとスルリと抜け出しボールを奪い取った。
「4番が切り返したりしてたので、そこは狙っていました。かなりボールを持ちたがるのはスカウティングでもわかっていたので狙っていたと言えば狙っていた部分でした」
試合後、興梠はしてやったりの表情。それまでマルキーニョスとともに相手DFにプレッシャーをかけ続けていたが、この時の加速は絶対にボールを奪うという気迫あふれるものだった。見事にボールを奪うと、残すのはキーパーのみ。冷静に右足でゴールに流し込み、貴重な先制点を奪った。

後半に入ると長春も反撃を試みる。しかし、ハーフタイムを境に鹿島の動きも活性化。守備面では安定度が増すようになった。試合終盤には青木剛、伊野波雅彦を投入し逃げ切り。グループリーグで5連勝を飾り、全北現代との最終戦にアドバンテージを持って帰ることに成功した。特に、警告や怪我人もなく帰国できたことはなによりのことだ。
「最低限だけど最高の結果じゃない?」
試合後の中田の言葉がすべてを物語っていた。

以上

2010.04.15 Reported by 田中滋
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