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【AFCチャンピオンズリーグ2010 川崎F vs 城南】レポート:チームメイトの尽力の中、等々力の主人が帰還。快勝の川崎Fがグループステージ突破に望みをつなぐ(10.04.15)

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4月14日(水) AFCチャンピオンズリーグ2010
川崎F 3 - 0 城南 (19:00/等々力/10,403人)
得点者:4' 谷口博之(川崎F)、21' 田坂祐介(川崎F)、69' レナチーニョ(川崎F)
ホームゲームチケット情報 | 決勝戦は11月13日(土)に国立競技場で開催!
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2点をリードした後半に入ると、磐石に思えた試合展開がわずかに暗転し始める。誇りをモチベーションにする城南の選手たちが、攻勢を強めたのである。そんな中、後半の20分頃、我らが「14番」がベンチに促されアップシャツを脱ぎ、交代出場を確信したメインスタンドから歓声と拍手が沸き起こった。チームメイトの働きにより、帰還の舞台は完璧な状態で用意されていた。

4連勝で勝点を12にまで伸ばした城南はすでに1位通過を決めており、この試合もシン・テヨン監督自身が「1.5軍」と表現するメンバー構成になっていた。そうした相手に対し、負けられない川崎Fがホームの意地を見せていた。
まずは試合開始開始早々の4分。際どさと表裏一体の美しいパスワークの末、谷口博之が柔らかな弾道のシュートを流し込む。早い時間帯の先制点で楽になった川崎Fは、続く21分。横パスをカットした稲本潤一を起点として小宮山尊信がドリブルを開始すると、ゴール正面にまで持ち込んでFKを手にする。セットされたボールの前に立つのはレナチーニョと田坂祐介。そして何故かボールの向こう側に谷口。まずアクションを起こしたのはその谷口。猛然と壁へとダッシュしてその直前でかがみ込む。と、同時に田坂がシュート。今季同じ位置からゴールを決めていたレナチーニョは「練習でいいのを蹴っていた」から田坂に任せたのだと説明。田坂は「やっとでした」と胸をなで下ろしながらコースの甘さを反省しつつ「でも、やろうと思ったことなので。あれやると(谷口のオトリ)入るんですよね。練習でも」と練習の成果を誇った。

その田坂が「ゲームプラン通りでした。いい形で入れました」と振り返るこの試合は「負けられないという気持ちが強かった」というところにまで追い込まれた状況にあった。1勝3敗の川崎Fが自力でグループステージを突破するためには、勝点3を奪うしかなく、重苦しい空気が等々力を支配していた。ベンチには「14番」という希望はあるにはあったが、実戦でどれほどやれるかは未知数。彼に頼るような展開になると、本当に厳しくなる。だからこそ、この前半の2得点が大きな意味を持っていた。すなわち、2点という適度な緊張感を伴なう精神的かつ物理的なマージンと、タダでは帰れない城南の攻撃により「後半のところで押し込まれた時間帯が続いていた」(高畠勉監督)という状況を作り出していたのである。

後半21分に中村憲剛がタッチライン上に立った時、等々力のボルテージは最高潮に達する。無理もない。今季、川崎Fでの彼のプレーを見たのは、アウェイの城南に遠征した数十人のサポーターのみ。だからこそ、彼らを除く1万人に近い観客にとって切望してきた瞬間だったのである。
「タッチラインに立った時にみんながワーッとなった。これでやらないとと思った」とその場面を振り返る中村がファーストプレーで決定機を作り出す。2点を返すべく前掛かりになっていた城南のディフェンスラインの裏を突き、黒津勝を走らせるパスを出したのである。黒津の突破に慌てた城南は、後追いの守備を強いられてエリア内でファウル。川崎FにPKが与えられ、これを「緊張なく蹴れた」と振り返るレナチーニョが難なく決める。
後半24分のこの3点目は川崎Fを楽にさせた。もちろんプライドを賭ける城南の攻勢は強まるが、しのぎきれないレベルのものではない。寺田周平にしても、伊藤宏樹にしても城南・ラドンチッチへのロングボールに体を寄せて自由にプレーさせず、稲本を中心とした守備陣がセカンドボールへの警戒を怠らなかった。

失うもののない城南はなんとか1点を奪おうと攻めにかかる。そしてそうすればそうするほど、川崎Fの攻撃陣に与えられるスペースは広がった。稲本からの「スペースがありましたし、入るとタメができる。今までと違う形になったと思う。助っ人外国人が来た感じです(笑)」との評価を受けた中村は、容赦なくそのスペースを使い決定機を演出し続け、スタジアムは熱狂し躍動した。
50日ぶりに帰還した等々力の主人の働きは十分すぎるものだった。彼自身のプレーはもちろんのこと、相手が前に出ざるを得ない状況を作り出していたチームメイトのフォローも素晴らしいものだった。ロスタイムを含めると30分あまりの出場を終えた中村は「一歩は踏み出せた」と話し「等々力でやれたのが嬉しかった」と喜びに満ちた心境を吐露した。失点もなくキレイな幕切れだった。

なお、同日開催のメルボルン対北京は0-0のドローで決着し、2位北京との勝点差は1となった。この結果、アウェイでの北京との直接対決で勝利すればグループステージを突破できるという状況となった。試合後の選手たちの表情が明るかったのは、今季負けなしの城南を下したことと共に「(北京戦が)わかりやすくなった」(稲本)から。続出するケガ人と、2連敗からのスタートによって崖っぷちにまで追いやられた川崎Fが、死地に光明を見出した試合だった。

以上

2010.04.15 Reported by 江藤高志
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