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【AFCチャンピオンズリーグ2010 山東 vs 広島】プレビュー:勝つしかない山東魯能戦だが、またも負傷者が続出。苦境に立つ広島は若手起用も視野に。(10.04.13)

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4月13日(火)AFCチャンピオンズリーグ2010 山東 vs 広島(20:30KICK OFF/斉南)
-試合速報はこちら-
ホームゲームチケット情報 | 決勝戦は11月13日(土)に国立競技場で開催!
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2週間前、今季最高の試合を対アデレード戦で見せつけた広島は、チーム全体に希望の光にあふれていた。ACLでもJでも、負傷者続出の厳しい中で何とか勝ち点を拾っている状況。そして離脱した選手たちも、少しずつ戻ってきていたことも、明るさに輪をかけた。

ところが、山形戦に敗れて以降、チーム状態は一変する。ストヤノフが両ふくらはぎ痛を訴え、桑田慎一朗が左膝を傷めて離脱。さらに完敗した川崎F戦では、約半年ぶりに戻ってきた青山敏弘が、またも左膝を負傷。検査結果はまだクラブからの発表はないが、ペトロヴィッチ監督によれば「楽観視できない」状態だという。これで、広島の主力級の負傷者は、6人にのぼった。紅白戦すらできない事態である。

そういう状況で迎えるACL第5節は、山東魯能のホーム・中国山東省済南市で行われる。行政区の人口が500万人を超え、近くに黄河や泰山など世界的な自然遺産を抱えるこの街は、約2500万年前から人が住み、黄河文明を彩った場所。その歴史深い地にトランジットも含めて約8時間の移動の末にたどり着いた広島は、明日、ACLでの生き残りを懸ける。

現在のグループHの状況を説明しよう。浦項とアデレードが勝点9、広島と山東魯能が勝点3ずつで並んでおり、明日の試合で浦項とアデレードの首位決戦が引き分けに終われば、両チームとも勝点10となり決勝トーナメント進出が決まる。つまり、広島にとってもっとも怖いのは、浦項とアデレードが両チームとも「負けないサッカー」に終始し、予定調和的に試合が終わってしまうことだ。
ただ、グループリーグの順位は、勝点で並んだ場合は当該チーム戦績で決定する。アウェイでアデレードに敗れている浦項にとっては、もし引き分けに終わると当該チーム戦績でアデレードを上回ることができず、自力での首位通過が不可能になる。もし2位通過となれば、ラウンド16ではアウェイでの一発勝負となり、対戦相手も抜群の勝負強さを見せている鹿島となる可能性が強い。アデレードにしても、勝って首位通過を大きく引き寄せたい想いは同じはずだろう。

一方、広島はまず、目先の山東魯能戦に勝利しなければ、敗退が決定してしまう。それしもちろん相手も同じ事情を抱えており、明日の試合は互いが勝利のみを求め合う熱い試合となるはずだ。
ここで、山東魯能戦勝利を前提に、今後の展望を考えてみたい。

1.浦項対アデレードが引き分けた場合
広島の決勝トーナメント進出の可能性は消滅

2.浦項勝利の場合
最終節の浦項戦に勝利し、アデレードが山東魯能戦に負けた場合のみ、勝点9でアデレードと並ぶ。当該チーム間戦績は1勝1敗3得点3失点と全くの五分だから、グループリーグの戦績で上位が決まる。現在の得失点差は、アデレードが+3で広島は-2。総得点は第4節を終えた時点で、アデレードは6点で広島は4点。第5節の結果次第ではあるが、十分に逆転可能な数字だ。ただ、他力であることは間違いない。

2.アデレードが勝利した場合
このケースのみ、広島の自力突破が見えてくる。まず、広島が浦項を相手に2点差以上をつけて勝利できれば、勝点9同士で並んだ当該チーム同士の戦績において得失点差で上回り、決勝トーナメント進出が決定。もし1点差勝利なら当該チーム戦績で並び、グループリーグでの得失点差・総得点での闘いとなる(※詳細はこちら)。現在の得失点差は浦項が+2で広島は-2。浦項が1点差で連敗し、広島が1点差で連勝すると得失点差でも並ぶ。総得点では浦項が5で広島が4だから、もし浦項が2試合連続完封負けなら、広島は総得点で浦項を上回ることが確定する(広島は連勝することが前提だから、総得点は確実に2以上を上積みするため)。ただし、浦項の得点次第では、総得点でもならんでPK戦の可能性も出てくる。

ただ、この考察はあくまで数字上のこと。負傷者が多く、さらに3月来の連戦で主力の疲労が濃い状況にあって、ホームで力を発揮する山東魯能に勝利することは難しい。ACLでの不振で批判が高まっている山東魯能にとっても、明日は勝利以外はいらない。当然、広島に対して激しいプレーを仕掛けてくることは必定だろう。苦しい状況は疑いない。

「主力に休息が必要なのは間違いない。しかし、若い選手たちをいきなりACLの厳しい舞台に投入するのは、彼らの将来にとっても危険だ。自信を失う可能性がある」とペトロヴィッチ監督は苦悩する。選択肢はそれほど多くは残っていない。今の主力に代わって出場できる経験を持つ選手とすれば、李忠成・横竹翔・中林洋次、そして今季は左サイドでの出場機会が多い清水航平あたりか。彼らを起用するのはもちろんリスクはあるが、一方できっかけをつかむ可能性もゼロではない。もちろん、ACL勝ち抜けには「勝利が絶対条件」だから、普通に考えれば主力投入が当然の策ではある。

若手起用か、それとも主力で臨むか。「長期的な戦略も視野に入れなければ」というペトロヴィッチ監督と語っているが、若手を起用することも、主力を投じて決勝トーナメント進出にこだわりぬくことも、クラブの将来にはつながっていく。最後は、指揮官の決断一つだ。

以上

2010.04.12 Reported by 中野和也
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