4月11日（日） 2010 J1リーグ戦 第6節
神戸 0 - 2 山形　（14:04／ホームズ／10,392人）
得点者：32' 田代有三（山形）、61' 北村知隆（山形）
スカパー！再放送 Ch183 4/12（月）14:00〜（解説：上田滋夢、実況：三宅きみひと、リポーター：林智美）
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「先制点を獲られた試合は勝てていないことからも、先制点は大事になってくる。集中して試合に入らなければいけない。(MF松岡亮輔）」
MF松岡の言葉に代表されるように、ここ数試合、先手を取られて勝点を獲り切れなかったという反省を踏まえ、神戸の誰もが『先制を！』との思いで挑んだ山形戦。FW大久保嘉人がケガで、MFポポが出場停止で離脱する中、スターティングメンバーにはケガから復帰のMFエジミウソンが名を連ね、ボランチを預かる。スタートは4-4-2だが、2トップのFW都倉賢とFWボッティが縦に並ぶことが多く、FW都倉の1トップ、やや下がり目にMFボッティがポジションをとる。

冒頭の思いとは裏腹に、立ち上がりから、神戸は今ひとつ士気の感じられない展開。守備ではアグレッシブに仕掛けてくる山形を『受け』に回る時間が長く、また攻撃でもFW都倉賢をターゲットに仕掛けようとするものの、セカンドボールがうまく拾えず、全体も間延びして勢いが感じられない。対する山形は立ち上がりから集中して試合に入り、神戸に攻め込まれてもボランチの二枚がしっかりとセカンドボールに対応してボールを奪い、攻撃に繋げていく。

というような両者の立ち上がりからすれば、山形が先制点を奪ったのは妥当だったと言えるだろう。
32分、右サイドを攻略したMF北村知隆のクロスが神戸DFに当たってコースが変わり、MF秋葉勝を経由したボールをFW田代有三が決める。「先週の広島のゲームで少し田代のゲーム感覚が戻ってきた」と話したのは試合後の小林伸二監督だが、その言葉通り、FW田代が巧く試合の流れに乗った中で、３試合連続となるゴールを決め、リードを奪う。
アウェイで先制点を奪ったことで、元々堅守に定評のある山形がさらに守勢にまわる時間帯が増えた中、神戸はポゼッションをとり、なんとかゴールをこじ開けようとするが、相変わらず攻撃に勢いが感じられない。また山形の堅守も光り、前半は０−１で折り返す。
ビハインドを負う展開の中、後半は神戸が勢いづくかと思われたが、先に仕掛けたのは山形。49分、右のMF古橋達弥からのパスにMF北村が合わせるも、これはゴール前にカバーに入った神戸DF石櫃洋祐が間一髪で跳ね返し、事なきを得る。逆にその直後の50分には、DF石櫃による左サイド約30メートルの距離のFKに、ゴール前中央でFW都倉が高さを活かしてドンピシャのタイミングであわせるが、これは山形GKがしっかりとセーブしゴールをこじ開けられない。以降も、何とか追いつきたい神戸だが、都倉をターゲットにした攻撃は相変わらずちぐはぐさが否めない展開が続く。そんな中、山形は、61分に途中出場のMF下村東美を起点にMF秋葉が繋ぎ、最後はMF北村が神戸DFをうまくかわしながらゴールを捉え、神戸を突き放す。

ホームゲームでまさかの０−２という展開になりようやく目が覚めたのか、65分を過ぎてようやくエンジンがかかった神戸は、FW永井謙佑やMF楠瀬章仁ら、前線にフレッシュな顔ぶれを揃える中で、山形のゴールに襲いかかる。だが、70分のDF茂木弘人の左からの豪快なシュートはGKが正面でセーブ。72分、左サイドのDF茂木からMF吉田孝行が中央で落とし、FW永井謙佑が放ったシュートも、コースを突けずにまたしても相手GKが正面でセーブと、フィニッシュの精度が上がらない。それに対し、山形は追加点を奪って、メンタル的にも更に余裕が生まれたのだろう。守勢に入る中でも終始、守備に安定感をみせ神戸にスキを与えない堅守をみせる。
結果、最後まで山形ゴールをこじ開けられないまま、０−２で試合終了。神戸はまたしても勝ち点を奪えないまま、順位を17位に落とし、対する山形は今季初の２連勝で９位に浮上した。

以上

2010.04.12 Reported by 高村美砂