スカパー！生中継 Ch184 13:50〜（解説：大西貴、実況：堀本直克、リポーター：重橋秀香）
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前節、試合がなかった愛媛は約2週間ぶりの公式戦となる。ただ、前回の鳥栖戦で退席処分となったバルバリッチ監督は今節ベンチに入ることができず、愛媛にとっては非常事態。それでも今節、監督不在のベンチを任される青野慎也コーチは「2週間、いい準備ができたと思う」と、このインターバルでつかんだ手ごたえを語ってくれた。
「足元につなぐパスが多く、自分たちでアクションを起こせていなかった」と、急遽采配を振るうことになった鳥栖戦を振り返った青野コーチ。その点に関しても「走れていなかった部分はフィジカルの強化もできた」と続けたように、2試合勝利から遠ざかった愛媛にとっては、この2週間がチームに修正を加える上ではいいタイミングとなったようだ。そして、監督不在の状況を乗り切る上では青野コーチらスタッフにとっても、この準備期間は不幸中の幸いだったのかもしれない。「監督がいないから負けたと言われたくないし、言わせないためにも選手たちと一丸となって勝ちにいきたい」。そう青野コーチが意気込むように、愛媛はこのインターバル期間の成果を生かして、チームが上向くキッカケをつかみたいところだ。
その点では、ホームでは今季まだゴールがない愛媛としては、ニンジニアスタジアムでの今季初ゴールなくして勝利は得られない。鳥栖戦、水戸戦の過去2試合ではターゲットFW福田健二へのマークが厳しくなり、さらにパスの供給ルートも警戒されて攻撃の形を思うように作らせてもらえなかった。福田自身も「タイミングもそうだし、動き出しの質もあげなければ」と語るが、それ以上に必要なのが周囲のサポート。その部分でも「この2週間で調子が上がった選手もいてチームの活性化になった」と青野コーチが指摘したとおり、今節はメンバー入りが濃厚なFW大木勉の復帰も愛媛にとっては心強い存在となる。
「フク(福田)の空けたスペースに飛び込んだり、追い越したり、そういう動きも必要」と大木は語るが、前線でもう一人動き出しのいい選手が増えてターゲットができれば愛媛の攻撃に幅も広がる。「裏へ飛び出したり、ワンツーをうまく使いたい」とMF越智亮介も語るように、2列目からの攻撃も活性化させることができれば、愛媛はさらに東京Ｖのゴールを脅かすことができるだろう。
一方、前節の福岡戦は選手のポジションを変えて、連敗を3で止めた東京Ｖ。失点こそ4試合続いているが、福岡戦でもむしろ守備の安定感は増している。そのひとつの要因となったのは、ボランチに入った若干17歳の高木善朗。中盤でしっかりとハードワークを見せ、パンチ力のあるミドルシュートも繰り出し、初の90分間フル出場も果たした。さらに、東京Ｖは前半からサイドバックの福田健介が攻撃参加を見せ、MF菊岡拓朗や柴崎晃誠がからむ右サイドを起点に攻撃の形を作っていたし、FW河野広貴や高木俊幸らのスピードを生かすスルーパスは結果として先制点にもつながった。その東京Ｖ戦を前に「いい守備ができればいい攻撃にもつながるし、まずはしっかり守ることが大事」と意気込みを語ってくれたのは愛媛のDF小原章吾。今節、2週間ぶりの公式戦となる愛媛にとっては、スピードのある攻撃を仕掛けてくる東京Ｖに先制点は与えたくないところだ。
第4節で鳥栖に敗れ、1勝1分2敗と黒星が先行している愛媛。そして東京Ｖも、1分3敗とまだ白星が無い状態で、両者ともスタートダッシュには失敗している。ただ、東京Ｖは前節で今季初の勝点をつかみ、内容も上向く兆しは見せた。さらに今節は、今季初勝利をつかみ勢いを増すことができるか。それとも、インターバルで建て直しを図った愛媛が今季のホーム初勝利をつかむのか。序盤戦、スタートで出遅れた両チームにとってはターニングポイントにしたい今節の試合だ。
以上
2010.04.09 Reported by 近藤義博
