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【J2:第4節 熊本 vs 岐阜】レポート:明暗を分けた先制点。熊本が2試合連続の完封で岐阜をくだし、開幕から4試合無敗で暫定3位に。(10.03.28)

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3月27日(土) 2010 J2リーグ戦 第4節
熊本 1 - 0 岐阜 (16:03/熊本/4,714人)
得点者:45'+2 西弘則(熊本)
スカパー!再放送 Ch183 3/30(火)13:30〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:風戸直子)
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先制点が決勝点となった。3週間ぶりのホームゲームにJ2同期加入の岐阜を迎えた熊本は、前半ロスタイムに西弘則が挙げたゴールを守りきってホームでの今シーズン初勝利。2試合連続の無失点で3月の4試合を無敗で終え、28日に行なわれる他会場の結果で変動する可能性はありながら、暫定で3位に浮上した。

しかし、ゲームの序盤にペースを掴んでいたのは岐阜の方だった。この試合で岐阜の倉田安治監督は、朴基棟を初めて先発のFWに起用。前線から中盤も連動した玉際への早い寄せで熊本の組み立てに自由を与えず、ボールを奪ってからは縦に早い攻撃を見せる。10分には嶋田正吾から押谷祐樹へとつないでカウンターで抜け出す場面を作り、24分には橋本卓、朴、押谷が絡んで嶋田が決定的なシュートを放つが、ここは熊本のGK南雄太にストップされてゴールは奪えず。選手の口からも聞かれた通り、岐阜はペースを握りながらも前半は24分の嶋田の1本のみと、シュート自体が少なかった。

対する熊本は、岐阜の鍵を握る橋本を抑える事がポイントだったが、「ボランチとトップのどっちがつくのかという場面で、うまく声をかけられなくて迷いもあった」(吉井孝輔)ことで、狙っていた形でボールを奪えない。だが、「相手がフリーになった次の場面でどう対応するかということは選手にも伝えていて、優先順位の1番目がうまくできなかったので、2番目を選択した」と高木琢也監督も話したように、中盤では比較的ボールを持たれてしまったものの最終局面では凌いだ。朴の周囲との連係がうまく噛み合なかったことも含めた岐阜の拙攻に助けられたという側面もあったと思われるが、大きなピンチは前述した24分の場面だけ。
攻撃については、「いいところでボールを奪っているにも関わらず、なかなかハーフカウンターやカウンターで前にボールが運べないという部分で、ちょっともったいないところもあった」(高木監督)が、停滞した中でも西が持ち味のドリブルでアクセントをつけていた。そして45+2分、岐阜のDF秋田英義からボールを奪った西が持ち込み、落ち着いて左足で決め、今シーズン初めて先制する。

これに対して岐阜は後半立ち上りの52分、それまで攻撃の流れを作っていた橋本を下げ、西川優大を投入。合わせて、ボランチに田中秀人を1枚残した[4-1-3-2]の形へシフトする。岐阜の倉田監督はこの交代について「少しパフォーマンスが落ちた」と話しているが、まだ時間が40分近く残っていた事や、「今までで一番というくらい」(倉田監督)の前半の流れを考えると、やや早計だった感がある。
橋本がピッチを去った事で田中がケアするスペースが広がり、DFラインと中盤の間で松橋章太と井畑翔太郎がボールに触る場面が増え、前半途中に宇留野純に替わって入っていた西森正明や西の仕掛けから両サイドバックが深い位置まで入る形を作るなど、徐々に熊本が流れを掴んでいく。守備においても、西川、嶋田、菅和範ら岐阜の中盤が流動的に動いてボールを受けようとするが、熊本にとっては出どころが絞りやすくなった事で、攻守両面において徐々に流れは傾いていった。
岐阜は、あまり機能していなかった朴に替えて58分に佐藤洸一、さらに田中に替えて81分に永芳卓磨をピッチへ送るが、時間が少なくなるに連れて焦りが出たのか、中途半端なプレーやイージーなミスも目立ち始め、90+1分には2枚目の警告で押谷が退場。結局、熊本が最後まで落ち着きを保って時間を使うなど、成長ぶりを見せて逃げ切った。

岐阜はこれで3連敗となったが、序盤はペースを握っていたし、失点もミスからで今季取り組んでいるゾーンを敷いた組織的な守備が崩されたわけではなく、前半の流れを継続できなかったことが悔やまれる。ただ、決定的なチャンスもそれほど多く作れていないことから、中盤で動かしたあとのゴール前の工夫や精度が求められよう。結果が出ない苦しさはあるが、方向性を信じて軸をぶらさずに戦って結果につなげたい。

さて、熊本はこれで開幕からの4試合を2勝2分とした。リーグ戦の1/9を終えたに過ぎない事は分かっているが、この結果は小さくないアドバンテージ。だがシーズンはまだまだ長く、改善すべき点も多くある。高木監督は言う。「これはベースなので、ここからもっとステップアップして、より強固なチームにしていきたい」

熊本の桜は間もなく満開を迎えるが、チームは今、花が開いたばかりだ。

以上

2010.03.28 Reported by 井芹貴志
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