スカパー！生中継 Ch180 13:50〜（解説：田中孝司、実況：西岡明彦、リポーター：日々野真理）
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共に開幕戦で勝利を挙げたものの、その後波に乗り切れない大宮とＦ東京。大宮はラファエル、Ｆ東京は米本拓司と主力メンバーが負傷で離脱という状況も似通っている。だが、データ的に圧倒的に有利なのはＦ東京。大宮はＦ東京に昇格以来５年連続ホーム戦で完封負けしている。昨年の対戦では、チームがいったん調子を落とし、その後鹿島に勝利するなど復調気味だった時期にも関わらず０−３で敗れている。
とはいえ、大宮がそのデータに対し、リベンジを意気込んでいるかといえばそんなこともない。メンバーは大きく入れ替わっているために、まったく苦手意識はない。
「新加入選手にはこれまでのことは関係ないし、関係ないと思っている人が多ければ多いほど勝てると思う」と北野貴之はこともなげに言う。「Ｆ東京に勝ててない？そうらしいですね」と笑いながら対応するのは石原直樹。「去年来たばっかりなので、たまたま負けてるっていう風にしか思えない」と続け、どこ吹く風、なのだ。この調子であれば、連敗ストップも可能かと思わせてくれる。
今節の大宮には、おそらく左サイドバックに村上和弘が復帰予定。その一方で藤本主税が試合２日前の段階で全体合流を果たしておらず、先発出場の可能性は低そうだ。
布陣としては、前節の鹿島対策で行った４−１−４−１から通常の４−４−２に戻すことになりそう。守備のメンバーはこれまでと変わらず。中盤では藤本の抜けた穴を内田智也が埋めることになる。とはいえ、内田は左サイドに入り、橋本早十が右サイドに入る。これについては、右サイドバックの杉山新は明確な説明を加えてくれる。
「右サイドの早十はボールを持てるし、左利きが右に入るということはボールをとられにくいということ。キープしてオレが上がってもいいし、早十がそのままシュートを打っても良い。逆に左サイドは、ショージ（村上）もウッチー（内田）も走れるから、かなり意識して走ってもらってこちらからクロスを入れるのも良い」つまり、おのおのの特徴を活かせという張外龍監督のメッセージつきの布陣なのだ。
２トップは、石原と今季初先発となる市川雅彦が組むことになりそう。ちなみに、今の市川の顔には、誰がどう見たって分かるほど「ほぼ先発メンバー入り」とはっきり書かれている。もともと、考えが表情に出やすいタイプのようだがそれにしてもくっきりと、だ。昨季、序盤戦好調な滑り出しを見せ得点も挙げていた第５節Ｇ大阪戦の試合途中に右足第五中足骨を骨折し、シーズンのおよそ半分を棒に振ってしまっただけに、今季への意気込みは強い。「ナオくん（石原）とタメをつくって（中盤が）上がる時間を作りたい」としつつも「早く１点とりたい。１点取れれば、ぽんぽん取れるような気がする」とも話している。
対するＦ東京は、「調子は上がってないみたいだけど、鹿島よりもイヤかもしれない」というのが、選手たちのコメントを総合したところだ。たとえば北野はこう説明する。「とにかく攻撃が多彩。中をついてくるかと思えば、ウラもあるし、アーリークロスもあるし、斜めのボールも入れてくるし、ヘディングに強い人もいるし、セットプレーも強い」と、警戒心をあらわにする。その上でどう防ぐかといえば「シュートを打たせないのではなく、ゴールを割らせないプレーをしたい」と話す。
つまりチャンスは作られても、得点にさせないということ。シュートを打たせまいと焦った守備ではなく打たせたその後も考えたプレーをフィールドの選手たちにも求めていきたいということだ。また、選手たちが警戒するのがいまや、攻撃の軸となった平山相太の存在だ。「ターゲットを作らせないように厳しくいきたい」と深谷友基は意気込む。
「Ｆ東京はたしかに強豪。でも、今年の大宮はそういう強いチームに対し臆することがなくなったのが一番の変化。私は、選手に自信を持たせ、ポジティブにやってくれと言っている」と張監督は話す。強豪相手の試合が続くが、まずはこのＦ東京戦で新生大宮の力を見せて欲しい。
以上
