スカパー！生中継 Ch308 16:55〜（解説：山本昌邦、実況：八塚浩）
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23日に行われたACL第3戦、シンガポール・アームド・フォーシズ戦で今季初の白星を手にしたG大阪。MF遠藤保仁、MFルーカスを欠いての戦いの中、2度同点に追いつかれながらも、ハットトリックの活躍をみせたFW平井将生ら若手の奮起もあって相手を突き放し、結果を手にした。
もちろん、だからといって、G大阪が現在抱える課題『攻撃サッカーの停滞』が完全に解消されたとは思えないが、『一勝』の重み、難しさ、心理的に与える影響などを考えれば、この試合がきっかけになる可能性もある。いや、確実に『きっかけ』にしていくためにも、今節でJリーグ初勝利を手にし、『連勝』で勢いづきたい。
仙台とはJ1リーグでは03年以来の対戦となる。その際は2試合を戦って1勝1敗とイーブンの結果だったが、記憶に新しい昨年末の天皇杯・準々決勝では、FWルーカスの２ゴールで2-1と勝利。スコア的には僅差だが、内容的には圧倒的な質の違いを見せつけて決勝戦への切符を手にした。
過去のJ1通算対戦成績はG大阪の3勝1敗。ずいぶん前のデータになるため、あまり参考にはならないが、少なくとも天皇杯での戦いを経験した選手たちが、J2から昇格したばかりの仙台のサッカーに対するある程度のイメージを持って試合に入れることはアドバンテージになることだろう。
「当然、一度も戦ったことがないよりは、天皇杯とはいえ対戦していることは大きいし、悪いイメージもない。また天皇杯では、準決勝で仙台に勝ったことで勢いづいて優勝できた部分もあると思うので、今回もしっかり勝ちたいと思う。ただ準決勝のスコアを見ての通り僅差の戦いになると思うし、先に獲られると苦しいですから。まずはしっかりゼロでおさえることを考えたい（DF高木和道）」
注目はこの試合がケガからの復帰戦となりそうなDF山口智。今年のグアムキャンプ初日の2月2日に、左膝内側々副靭帯損傷及び左内側膝蓋大腿靭帯損傷のケガを負って以来、リハビリ、別メニューでの調整が続けてきたが、先週のトレーニングから完全合流。24日の桃山学院大学との練習試合（35分×2）にフル出場で実戦復帰を果たし、順調に戦列復帰への道を進んできた。26日の非公開練習でもセンターバックを預かったようで、西野監督は「今日も一番アグレッシブにやっていたし、声も出ていた。スタートからいかせる予定でいます」と明言。昨年まではゲームキャプテンとして、今季は副キャプテンとして心身両面でのリーダーシップを発揮して来た彼の復帰は、間違いなく大きな力となるだろう。
対する仙台は開幕２連勝を飾り好調な滑り出しを見せたが、前節は京都に競り負け初黒星。だが西野監督も「ひたむきにタフにやるチーム。新潟とは多少スタイルは違うがうちにとっては対戦しづらい相手だと思う。力があるし、連勝したのもフロックとは思えない。前節も負けゲームではないと思うしね。モチベーションの高さも感じられるし、個人的にはMF梁勇基が相当、アクセントになっていると思う」と賛辞を贈るように、就任３年目の手倉森誠監督のもと、着実に作りあげてきたチーム力には勢いを感じるし、2勝1敗と理想的な滑り出しを出来たことが選手たちに自信を植え付けているようだ。
注目は先の西野監督のコメントにもあった攻撃の要、MF梁勇基とMFフェルナンジーニョ。特にMFフェルナンジーニョは04〜06年、G大阪に在籍し、05年のリーグ初優勝にも貢献している。G大阪にも彼と一緒にプレーをした選手は多く、うち、MF遠藤保仁は「フェルがアクセントつけるというか、ドリブルなど個人技も高い。気持ちよくさせたらいい選手なので極力プレーするスペースを与えないようにしたいと思う。彼のスタイルをよく知っている選手もいるし、うまくおさえられればいいかなと思う」とコメントしている。G大阪としては、昨年のJ2リーグではチームを挙げたMF梁勇基と共に、前線で存在感を発揮されないよう警戒が必要だろう。
以上
2010.03.27 Reported by 高村美砂
